2020年5月15日金曜日

ブックカバーチャレンジ・第1週

誤解されてる人もいるみたいなので冒頭で明記しておくと,本の紹介,それ自体を否定しているわけじゃないの.チェーンメール的な情報伝播の方法に苦言を呈しているだけであってね(まあ,それを読み取れない皆さんが私の主張を勘違いして批判されてるので,そういうのは放っておく).

というわけで,本の紹介をひたすらしている昨今,ここにもまとめておくことにします.まずは第1週,どうだったか.

第1日

7日間自分の本を宣伝していいっていうチャレンジが回ってきたよ!ぜひお買い求めください.飯尾淳,「情報を集める技術・伝える技術」

おっと,私の自著,7冊もなかった orz

※ このときは,まさかずっと続けるとは思っていなかったのですが……


第2日

一部のかたの心証を害したお詫び,というわけでもありませんが,何名かの方から,チェーンメール的拡散はともかくとしてお前のオススメ本は何なんだ?とのリクエストを受けましたので,しょうがないなー,じゃあ2冊めを……(1冊めは既に紹介した自著ということで)

何がいいかなーと少し悩んで選んだ本はコレ.アンドリューハントの「達人プログラマー」です.ITギョーカイに従事する者は必読の書かと.私は,技術書を読んでいてフムフムと感心したところに付箋を付けながら読む癖があるんですが,読後,付箋だらけになった本のひとつです.残念ながらいま手元にありません.

明日は筒井康隆から1冊を.さあ,何でしょうw

第3日

さて,筒井康隆からの1冊は「文学部唯野教授」です!中野先生のコメント,大当たりでした
\(^o^)/

筒井康隆ご本人にとってはこんな読まれ方をするのは本意ではないでしょうが,なかで唯野教授に語らせている文学論の部分はぜんぶスキップしちゃっても問題ありません.それよりも大学内部のドタバタが面白い.マジかよ…… と荒唐無稽に思える描写が,意外と大学のなかではフツーにあったりする,あっ,何をするくぁwせdrftgyふじこlp

ついでなので,大学での仕事,ちゃんとしたことを知りたい方には,今野浩先生の工学部ヒラノ教授シリーズとか,最近は錯視でずいぶん有名になられた杉原厚吉先生の「大学教授という仕事」あたりをオススメします.

明日は海外の作品を紹介します.これはさすがに分からないデショ.

第4日

さあ,7冊の本を紹介するアレ,本日は海外作品からです.Daniel Keyesの,Flowers for Algernon.日本語訳版のタイトルは「アルジャーノンに花束を」ですね.

叙述トリック?っていうんでしょうか,ミステリーじゃないので,トリックっていわないか.まあ,小説,という形態を最大限に活用した傑作ですね.日本語訳でもうまいこと翻訳していて感心させられます.同様のアイデアによる作品はいくつかありますが,先般紹介した筒井作品にも似たようなアイデアによる「残像に口紅を」がありますね.筒井作品ではそれ以外にも「虚人たち」や「虚航船団」みたいな実験小説が大好きなんだけれども,そういうのは読み手を選ぶかもしれません.

ペーパーバックといえば他にもMichael ClaytonとかPKDとか,そのへんの有名どころは比較的読みやすいので英語の勉強にもなるし良いですね.同じマイケルでも,いちどMichael F. Mooreに手を出したらスラングばっかりで読めなかった orz
/(^o^)\

さらに話が脱線して叙述トリックの代表作といえば乾くるみの「イニシエーション・ラブ」を紹介したい.こちら,映像化不可能と言われていたのに数年前に映画化されました.いったいどうやって?と興味津々で映画館に足を運んだのを憶えています.ネタバレになるので詳しくは書きませんが,感心させられました.最後の5分間に流されたネタバラシは不要だと思ったけど,商業映画の悲哀とでも言いましょうか,「分からない人向け解説」ってのも付けてあげないといかんのでしょうなあ.「イニシエーション・ラブ」に限らず,乾くるみ作品は,いろいろと仕掛けがしてある作品が多く,往年の筒井康隆に迫る面白さ(そういうの好きな人向け)があるのでオススメです.

えー,7冊といいつつ勝手に何冊も何冊も紹介しているこのシリーズ,明日は再びコンピュータ書籍に戻ります.ガチンコです(なーんだ?)

第5日

さて7日間にわたり本を紹介するアレ,今日,何日目だっけ?5日めか.今日を入れてあと3回ですね.昨日,「明日はまたコンピュータ書籍です」と宣言してました.というわけでコレ.オライリーの「UNIXパワーツール」
\(^o^)/

宣伝文句から引用します.「UnixユーザによるUnixユーザのための技と知識の集大成と呼ぶにふさわしい1冊」だそうですよ.WindowsもとうとうWSLなんて仕組みを組み込んできたし,あとはドライブレターなんていう概念を捨ててちゃんとマウントさせるようにして,パスの区切りも正しい方向に直して…… 本の紹介から脱線するのでこのへんでやめときます.

Unix布教本としては他にも「Unixという考え方―その設計思想と哲学」「UNIXの1/4世紀」あたりに感銘を受けました.前者は文句なくオススメ.後者は面白いけどちょっと読みにくい.リーナスの「それがぼくには楽しかったから 全世界を巻き込んだリナックス革命の真実」も面白かった.これら,いずれも2000年前後くらいの本ですね.あのころ,私もまだ若くて,感情移入が激しかったかも.最近この手の本出てないですかね?出てたら知りたい.教えてください.

本書の紹介に戻ります.この本,なにがすごいって1,400ページです.もう鈍器.十分,武器になります.同類の書籍としては,すぽっすぽっ先生※の「ストラウストラップのプログラミング入門」とか「プログラミング言語C++ 第4版」とかも.いずれも千ページ越えてて,もう,頭大丈夫?としか.私が2012年に出したCの本も500ページ越えててずいぶん分厚くなっちゃったなあ,と反省したものですが,もう,あちらのかたは「厚けりゃ厚いほど( ・∀・)イイ!!」と考えてるとしか思えん.せめて上下巻,上中下巻にせえよw

と,いうわけで,次回は文庫版全6巻のアレです(このヒントでたぶんわかる人にはわかるはず).満を持しての登場ですよ.

※ 「すぽっすぽっ」については「びゃーね・すぽっすぽっ」で調べてみてください

第6日

はい,本の紹介チャレンジ,第6日めは「深夜特急」です.推薦文は…… 紹介するbookコラムを読んでください(手抜きィ)

遅いデビューというか,仕事で東南アジアをウロウロするようになってアジアの面白さに気付いたので,学生時代にバックパック担いで,ってなわけにいかなかったのがたいへん残念.そして今となっては自宅で蟄居生活,もう,だいぶ我慢が限界に来てるよ?

かのコラムでは,下川裕治の貧乏旅行本なんかも紹介しています.そういや冒険譚といえば早稲田大学探検部出身の,高野秀行による冒険本もかなり脱力系なのでオススメです.「ワセダ三畳青春記」とか「腰痛探検家」とか(それって世界を股にかける冒険本じゃないじゃん!比較的本格派なものとしては「幻獣ムベンベを追え」とか「アヘン王国潜入記」とか,そんな探検モノもあるので,そういうのがお好きなかたはそっちをどうぞ).

そういえばワセダで思い出した.最近は読んでないけど「東京物語」を読んで奥田英朗にハマった時期がありました.田舎から東京に出てきて東京でもがく若者を描くところに,つい,自分を重ねてしまうんですよねえ.奥田英朗も「最悪」だの「邪悪」だの,重〜い本もヨイですけど,伊良部シリーズとか,平成の家庭シリーズとか,「噂の女」とか,軽い作品も楽しい.感動したければ「サウスバウンド」が良いですよ.

最終回は漫画から.かなりの変化球を予定しているので,これ当てたら凄い.

第7日

はい,7日間本を紹介するシリーズ,最終日の本日は漫画から「地底人の逆襲」です.ほぼ,ビーンボール.

漫画も素晴らしいものがたくさんあるので迷いました.が,やっぱりいしいひさいちは天才やと思う.がんばれタブチくん,おじゃまんが山田くんなど,素晴らしいシリーズは他にもありますが,あえての「地底人対最低人」を紹介したい.

なおこの投稿には,現在の社会に巣食う最低人たちをなんとかしたいなどという社会的・政治的メッセージは全く込められておりません.誤解なきよう.

これでオシマイです.(→続きもあるよ)

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