2024年1月23日火曜日

漫才師・山中村「田中角栄」

山中・中村:(上下からそれぞれ登場)どーもー

山中:山中と

中村:中村で,山中村です.よろしくお願いしますー

山中:山中村てね,どこぞの田舎の山んなかにありそうな地名ですけれども.実際,昔は新潟県,石川県,岐阜県,愛知県,広島県,高知県にあったらしいですよ.どの村も合併とか改名とかで今ではぜんぶ消えてなくなってしまいました.

中村:ほんならオレらも消えてなくなるんかいな!不吉な名前だなー.

山中:ま,消えてなくならんように元気出していきましょう.今日はせめて名前だけでも覚えて帰ってください.

中村:ところでね?昔,田中角栄っちゅーオッサンおったでしょ?

山中:あー,ロッキード事件で逮捕されたひとね.

中村:逮捕て,いきなりネガティブな話題から攻めんなよ.いうていまの若い子そんなんよう知らないでしょ.

山中:君もオッサンとか言ってたでしょうが.仮にも一国の総理大臣を務められた方でしょ?娘さんの田中真紀子っていうオバハンも政治家でしたな.

中村:オバハンいうな.あの人も大臣やられた偉い人だよ?ま,それはそれとして,こないだお屋敷が火事になったらしくて.

山中:へー,そうなん?…… 記念マキコ

中村:は?

山中:記念パピコ

中村:記念カキコかよ.ここは2ちゃんねるじゃありませーん.オレらの漫才,2ちゃんねるの便所の落書きと一緒にしちゃダメ!ぜったい.

山中:そういえば田中真紀子さん,久しぶりに表舞台に現れたかと思ったら記者会見でおもくそ政権批判してました.

中村:そうそう.ネットもそれでちょっと炎上してた.

山中:ネットが炎上してお屋敷に延焼……

中村:なわけねーだろ!まあ,政権批判した直後に火事って,ちょっと疑っちゃうよね.怖い世界だ.

山中:で,その田中角栄がどうしたの?

中村:まー,このぅ(田中角栄のモノマネをする)

山中:なんですか,なんですか?まーごめ?

中村:まーごめは大鶴肥満だろうがよぅ.いいんだよそんな小ボケ挟まなくても.

山中:ボケたのお前じゃんかよ.続けろよ.

中村:ボケたわけじゃねーよ!ま,それはそれとして,こないだこんな話を聞いたんだよ.田中角栄ってパーティとかで相手の名前がわからないとき,「ところであなた,お名前なんでしたっけ?」ってズバリ聞いちゃうんだって.

山中:そりゃ失礼だな.

中村:いやそれがね,「え?中村ですけど」って答えたとするじゃん?そうしたら「いやそうじゃないよ,下の名前は何だったっけ?」って重ねるのよ.それで下の名前を聞いたふりをして,「中村さんね……」って話を続けるんだって.

山中:へー,うまいこと考えたな.そりゃ賢いやり方だ.じゃあ中村さん,あなたお名前なんだっけ?

中村:その聞き方じゃダメだろっ!もう中村ってわかってるじゃんよぅ.俺がやってみせるから……(間)…… あなたお名前なんでしたっけ?

山中:田中です.

中村:嘘ついちゃダメでしょ.田中角栄の話してるからって.あなた山中さんでしょうが …… もっかいね.やりなおし.あなたお名前なんでしたっけ?

山中:アツシです.

中村:いやそうじゃなくて……,下の名前は……,アツシさんね.下の名前はアツシさん.たしかに,あんた山中アツシだけど.ダメだよ.下の名前を答えちゃったら続かないじゃん.もういちど.苗字だけで答えてよね.あなたお名前なんでした?

山中:山中です.

中村:いや,下のお名前は?

山中:(もじもじして)えー……,下ですか……,ヨコじゃダメ?

中村:なに照れてるんだよ!変なこと考えてんじゃねーよ.ほんで横の名前ってなんだよ.あなたのお名前な・ん・で・す・か!

山中:My name is Yamanaka.

中村:なんで英語なんだよ!お前いつから外国人になっちゃった?

山中:まだやるの?

中村:こんなグダグダな漫才,SNSで叩かれるよ?炎上しちゃうよ.

山中:えー,うち燃やされちゃうの.

中村:燃やされねーよ!やめさせてもらうわ.

山中・中村:ありがとうございました(ハケる)

2024年1月3日水曜日

岐阜のポーズとiPAQ

2023年末,暮れも押しせまっていた時期に「岐阜のポーズ」が流行っていたのを皆さんご存知だろうか?

岐阜のポーズって何だ?

そもそも岐阜のポーズとは何か.漫画「クレヨンしんちゃん」のひとコマで,しんちゃんが「ぎふのポーズ」としてとっていたポーズが元ネタらしい.後ろを向き,両手を真横に拡げ,四股を踏むような感じで大股を広げたうえで膝を直角まで曲げて踏ん張るというポーズである.

国道417号藤橋根尾交差点岐阜方面ライブカメラの前でこのポーズをとってライブカメラ画像におさまるという悪戯が2023年末にちょっとしたブームになり,また,アクセスが集中してなのか事故を回避するためなのか,当該ライブカメラ映像が見られなくなってしまうなどの影響も出た.

「岐阜のポーズ」というキーワードでネットを漁ると,このような画像がたくさん出てくる.昼夜問わず出てくるので,こんな山奥までまあご苦労さんとしか言いようがないが,なぜかブームになっていたことがわかる.

なぜこんな山奥で岐阜のポーズをとることが流行ったのか,ライブカメラの定点観測が10分おきと比較的更新頻度が高く,自分の画像をライブカメラ画像としてネットに載せるのが容易だったからだとか,そもそも後ろ向きで顔を特定されないので匿名性が高かったからだとか,いろいろ考察されているので,詳しく知りたいむきはそちらを参照していただくとして……

iPAQによるモバイル監視カメラ

私が気になったのは,このようなライブカメラ映像がスマートフォンの小さいデバイスで誰もがいつでもどこでも確認できるようになったんだなあとしみじみ思うと同時に,感慨深く思い出したことがあったからである.

次の画像は,Linux Conference 2002 (LC2002)で発表した予稿から切り出してきた図である.写っているのは,iPAQで観測しているウェブカメラの画像である.リモートに設置されたウェブカメラが,窓の外,首都高の交通状況を動画で撮影し続けている状況を,Wifiで接続されたiPAQで確認している.

皆さんはiPAQなんてご存知ないかもしれない.iPadのパチモンではありませんぞ?

iPAQとは,今はなきCompaqが2000年から発売していた「ハンドヘルドコンピュータ」,今でいうモバイルデバイスで,デジタルアシスタントやポケットPCなどと呼ばれていた,スマートフォンの前身として位置付けられるデバイスである.

このiPAQ,Windows CEという組み込みデバイス向けWindowsがインストールされていたはずだが,Familiar LinuxというWindows CEをまるっと入れ替えて使うためのLinuxが利用でき,さらにXも動いていたので普通のLinuxアプリケーションを開発するように利用できたのである.もっとも,本体で開発はできないので,親機でクロスコンパイルしたソフトウェアをダウンロードして云々と,ちょっとした手間が必要だったのはなんとなく覚えている.

というわけで,今から20年以上前.初代iPhoneが出たのが2007年だから,その5年も前に,こんなことをして遊んでいた.歴史のたらればは語ってもせんないが,2002年のこれといい,その後のストリートビューもどきといい(この件についてはまた機会があれば紹介したい),資金さえあれば億万長者になれそうなアイデアは自分でも若い頃にいろいろと出していたのである.

それを考えると,技術馬鹿ではダメで,口八丁手八丁で資本家を騙くらかす,いや,投資させる能力が,いかに大切かと思わないでもない(まあ,技術馬鹿で育ってきた今の立場も,それなりに悪くはないけれど……)

2024年1月1日月曜日

Rails 7にimportmapのみでBootstrap, jQuery / jQuery-UIを設定する方法

かねてよりRailsをしばしば利用しており,Railsアプリの作り方を教える授業も担当,だいぶ内容が古くなってしまったが書籍も出しているくらいにはRailsを愛用している.しかし,Rails 7になってフロント周りがいろいろと変更されて,ネットの情報がのきなみ信用ならない状況になっていて,どこかで最新の状況を整理しておかねばならないなと感じていた.

なにしろ,jQuery-UIなんかを使ってちょいと気の利いたことをやろうとしても,どうにもうまくいかず,困った状況なのである.そこで,今回,BootstrapとjQuery / jQuery-UI を importmap の仕組みで導入する方法を整理した.最終的に,次図のような状況を実現するところまで解説する.

なお,動作を確認したバージョンは,次のとおりである.

ruby: 3.2.2, rails: 7.0.8, bootstrap: 5.3.2, jQuery: 3.7.1, jQuery-ui: 1.12.1

また,次の記事を参考にした.

前者のBootstrapの導入方法は,一箇所,そのままだとエラーになる箇所があるうえ,若干,記述が曖昧な箇所がある.一方,後者は問題なく実行できた.やはり確実な情報を入手するには英語の文献にあたれ,ということだろうか.

アプリの構築

まず,テストのためのアプリの雛形を構築する.homeコントローラだけを作っておく.

$ rails new Test; cd Test

...

$ bin/rails g controller home index

config/routes.rb は次のようにしておこう.

Rails.application.routes.draw do

  root 'home#index'

end


Bootstrapの導入

Gemfile に次を追加する(bundle add bootstrap を実施でもよい).

# Bootstrap 5

gem "bootstrap", "~> 5.3.0"

また,以下の gem "sassc-rails" と書いてある行のコメントアウトを外す.

# Use Sass to process CSS

# gem "sassc-rails"

これを,次のようにする.

# Use Sass to process CSS

gem "sassc-rails"

Gemfileを書き換えたら,gemをインストールしよう.

$ bundle install

Rails 7.0.8 だとimportmapがインストールされているはずなので,config/importmap.rb には次の2行を追記する(bin/importmap pin bootstrapコマンドでも必要な情報が記入されるが,実行時に大量のエラーが出るという問題がある).

pin "bootstrap", to: "https://ga.jspm.io/npm:bootstrap@5.3.2/dist/js/bootstrap.esm.js"

pin "@popperjs/core", to: "https://ga.jspm.io/npm:@popperjs/core@2.11.8/lib/index.js"

app/javascript/application.js に下記を追記する.

import "./bootstrap"

スタイルシートをscssに変更する.

$ mv app/assets/stylesheets/application.{c,sc}ss 

app/assets/styleseets/application.scss には次のように記述する.デフォルトではコメントが記載されているだけなので,コメントの後に次のように追記すればよい.

@import "bootstrap";

確認のために app/views/layouts/application.html.erb の<body>〜</body>を次のように修正する.localhost:3000にアクセスしたときに,少しインデントされて表示されていれば,Bootstrapが有効になっているはずである.

...

  <body>

    <div class="container">

      <%= yield %>

    </div>

  </body>

</html>


Stimulus JSのセットアップ

さて,次はjQueryとjQuery-UIである.が,その前に,stimulus.js を設定しておく.まず,次のコマンドでstimulus.jsコントローラを作成する.

$ bin/rails g stimulus home

stimulus.jsを利用するために,app/views/home/index.html.erb を次のように記述する.

<div data-controller="home">

  <h1> This is home page</h1>

</div>

さらに,app/javascript/controllers/home_controller.js を次のように記述する.

import { Controller } from "@hotwired/stimulus"


// Connects to data-controller="home"

export default class extends Controller {

  connect() {

    console.log("home controller has been connected");

  }

}

こうしておくと,data-controller="home" が記載されたページが表示されたときにこのJavaScriptが有効になるらしい.localhost:3000にアクセスしてブラウザの開発コンソールをチェックすると,このメッセージが記録されていることを確認できるだろう,

jQueryおよびjQuery-UIの導入

いよいよjQueryとjQuery-UIを導入する.まず,Gemfileに次の記述を追記する.

# Use jquery as the JavaScript library

gem 'jquery-rails'


# Use jquery-ui for pretty UI

gem 'jquery-ui-rails'

忘れずにgemをインストールしておこう.

$ bundle install

app/assets/styleseets/application.scss には次の行を追記する.

@import "jquery-ui.css";

次に,app/javascript/jquery_ui.js というファイルを作り,次を記載する.

//= require jquery-ui

さらに,app/javascript/application.js に次を追記する.

import "jquery"

import "jquery_ujs"

import "./jquery_ui"

あと,もう少し.config/initializers/assets.rb に次の行を追加する.

Rails.application.config.assets.precompile += %w( jquery.min.js jquery_ujs.js )

さらに,config/importmap.rb には次の2行を追記する.

pin "jquery", to: "jquery.min.js", preload: true

pin "jquery_ujs", to: "jquery_ujs.js", preload: true

これで準備OKである.

動作確認

うまく設定できたかどうか,動作確認しよう.

app/views/home/index.html.erb は,次のように書き換える.

<div data-controller="home">

  <h1 class="mt-3"> This is home page</h1>

  <h6> Pick date using jQuery Datepicker </h6>

  <p>Date: <input type="text" id="datepicker"></p>

  <br>

  <hr>

  <h6> JQuery Draggable Element </h6>

  <div id="draggable" class="ui-widget-content">

    <p>Drag me around</p>

  </div>

  <br>

  <hr>

  <h6> Click Event using JQuery </h6>

  <button id="btn-click" class="btn btn-primary"> Click Me </button>

</div>

これらの要素をコントロールするための app/javascript/controllers/home_controller.js も,次のように記述しておこう.

import { Controller } from "@hotwired/stimulus"


// Connects to data-controller="home"

export default class extends Controller {

  connect() {

    console.log("home controller has been connected");

    $("#datepicker").datepicker();


    var initial_val = 0;

    $("#btn-click").click(function (e) {

      e.preventDefault();

      var date_value = $("#datepicker").val();

      alert(`button has been clicked ${initial_val} and date ${date_value} `);

      initial_val+= 1;

    });


    $(function() {

         $("#draggable").draggable();

      });

  }

}

サーバをいったん止め,再起動する.

$ bin/rails s

ブラウザでアクセスして,冒頭に示したような画面が現れれば,OKである.それぞれのアイテムが適切に動作している状況を確認されたい.

以上が,Bootstrap,jQueryおよびjQuery-UIを,Rails 7にNode.jsを使わないで導入する方法である.

おまけ

jQuery-UIに拘っている理由は,とあるプロジェクトでスライダー要素を使いたいからである.スライダーも使えることを,確認しておこう.app/views/home/index.html.erb に次の記述を追記する.どこでもよいが,とりあえずは,ボタンの下くらいに配置しておくことにする.

  <hr>

  <h6> JQuery Slidar Element </h6>

  <div id="slider" class="col-6 ui-widget"></div>

app/javascript/controllers/home_controller.js の修正は次のようにする.9ステップのスライダーを作り,スライダーが弄られたら値をコンソールに,都度,吐き出すというコードである.

...
    
$(
function() {

       $("#draggable").draggable();

       $("#slider").slider({ min: -4, max: 4, step: 1, value: 0,

           slide: function(event, ui) { console.log(ui.value); } });

    });

  }

}

動かして,試してみよう.うまくスライダーを使えるようになっただろうか.

実際には,コンソールに吐くのではなく,jQueryのattr()メソッドなどを使ってフォームのhidden_fieldにでも値をセットするようにすれば,スライダーの値をサーバに送り返すようなインタフェースを作るのは容易であろう.