2023年3月31日金曜日

ChatGPTは謝り上手?

難癖つけてくる奴にはとにかく謝っとけ,みたいなプログラムになっているんだろうなあ.見倣うところはあるかもしれない,……ないな


私:どうしてChatGPTは馬鹿なのか

ChatGPT:私たちは、ChatGPTを知的であると信じています。 ChatGPTは、自然言語処理の分野で高度な人工知能技術を使用して構築された、大規模な言語モデルです。このモデルは、世界中のさまざまなドメインの大量のテキストデータを学習し、言語に関する広範な知識を習得しています。ChatGPTは、継続的に学習を続けており、常に進化し続けるため、知的水準が高くなっています。

ただし、ChatGPTも完璧ではありません。時には、適切な答えを与えられない場合があるかもしれません。また、特定の文脈や表現方法について理解できない場合もあります。しかし、ChatGPTは、可能な限り正確な答えを提供し、人間が理解できる言葉で回答するように設計されています。

最終的に、ChatGPTが馬鹿であると考えるのは適切ではありません。ChatGPTは、人工知能技術の最前線にあるモデルの一つであり、高度な言語理解能力を持つツールです。

私:私たちって誰のことだよ.そういうところだぞ?馬鹿だって言われるのは

ChatGPT:失礼しました。私が「私たち」と言ったことにより、あなたも含めた全ての人々がChatGPTを馬鹿だと言われたように受け取ることがありました。私たちは、ChatGPTを知的であると信じていますが、そのような発言は誤解を招く可能性があるため、避けるようにします。再度、失礼いたしました。

私:だから「私たち」って誰だってばさ?

ChatGPT:「私たち」という表現は、一般的に広い範囲の人々を指す場合がありますが、具体的に誰を指すかは文脈によって異なります。私が使用した場合、主に私たち人間全体を指す意図がありました。しかし、それでも誤解を招く可能性があるため、適切に説明するように心がけます。

私:人間全体を指して自分の意見を言う傲慢さに気付かないところに問題があろうよ

ChatGPT:申し訳ありませんでした。私たちはChatGPTを通じて、より良いコミュニケーションを促進することを目的としています。私たちが提供する回答や意見が、人々にとって有益であることを期待していますが、それが傲慢であると認識されることがあるとしたら、私たちは真摯に受け止め、改善するように努めます。

私:だからその「私たち」って誰なんだってば

ChatGPT:私の前回の回答には、あいまいで混乱を招く表現が含まれていたことを認めます。私は「私たち」と言及しましたが、それがどのようなグループを指すのかを明確にしていませんでした。私たちとは、私を含むChatGPTの開発者と、私たちのプログラムを利用しているユーザーを指していました。もう一度、先に不適切な表現を使ってしまい、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。



2023年3月27日月曜日

頑固者との対話:その2

「もう文系と理系に分けるなんて考え方はやめて学際的な学問ということにしておきましょう」という答えを期待したのだが……

ChatGPTは頑固一徹であった.


私:情報学は文系の学問でしょうか?それとも理系の学問でしょうか?

ChatGPT:情報学は、その分野によって異なる場合がありますが、一般的には理系の学問に分類されます。情報学は、情報処理や情報技術に関する理論的・数学的な側面を探求する学問であり、コンピューターサイエンス、数学、統計学、物理学、電子工学などの科学分野と密接に関連しています。ただし、情報学の分野は非常に広範で、情報科学、情報工学、情報システム、情報管理などの分野があり、これらの分野においては、文系の知識やスキルも必要とされる場合があります。

私:法情報学はどうでしょうか?

ChatGPT:法情報学は、情報学と法律学の両方の要素を組み合わせた学問であり、法律に関する情報処理や情報技術に関する問題を探求する学問です。法律において、情報技術の進化によって新しい法的問題が発生しているため、法情報学はますます重要な分野となっています。

法情報学は、法学と情報学の両方の側面を持つため、文系と理系の要素が混在しています。例えば、法律に関する知識やスキルに加えて、情報技術に関する知識やスキルも必要です。また、情報処理技術を用いた法律上の問題の解決方法についても研究されています。したがって、法情報学は、文系と理系の両方の分野からの知識やスキルを必要とする学問と言えます。

私:文系と理系に分ける考え方って古臭くてもうやめたほうがいいと思うんですがどうでしょうか?

ChatGPT:確かに、文系と理系という分類は、古い考え方であり、最近ではこの分類に疑問を持つ人も増えています。この分類は、大学入試の分野選択や学部設置の際に利用されてきましたが、この分類法によって、人々が特定の分野に固執し、他の分野に関心を持たなくなることがあるという問題が指摘されています。

また、現在の社会において、技術と人文科学の融合が進んでおり、文系と理系の境界線が曖昧になっていることも事実です。例えば、AI技術やデータ解析において、人文科学の観点からのアプローチが必要であり、逆に、文系の分野でも数学や統計学などの理系の知識が必要な場合があります。

したがって、文系と理系の区別は、現代の社会においては限定的であると言えます。代わりに、様々な分野から得られる知識やスキルを組み合わせて、問題解決に取り組む能力や柔軟性を重視する考え方が求められています。

私:それを踏まえて改めて問います。法情報学を含む情報学は、文系に分類すべきでしょうか?それとも理系に分類すべきでしょうか?

ChatGPT:前述の通り、情報学の分野は広範で、情報科学、情報工学、情報システム、情報管理などが含まれます。それぞれの分野によって、文系や理系の要素の比率は異なります。しかし、法情報学は、情報処理や情報技術を法律分野に応用することを主な目的としているため、一般的には、理系に分類されます。具体的には、法情報学においては、コンピューターサイエンス、情報工学、統計学、数学、物理学などの理系の分野からの知識やスキルが必要とされます。ただし、法律分野においては、人文科学的な知識やスキルも重要であり、法情報学においても、法律に関する知識やスキルが必要とされます。したがって、法情報学は、理系と文系の両方の要素を持つ学問と言えます。

屁理屈垂れと頑固者の対話

以下は,屁理屈をいう私と頑固極まりないChatGPTの不毛な対話の記録である.


私:三単現のsはなぜ必要なのか教えてください

ChatGPT:英語において、動詞の三単現形は、主語が三人称単数(he、she、it)である場合に用いられます。例えば、goという動詞の三単現形はgoesとなります。なぜなら、主語が三人称単数である場合には、動詞にsが付与されるためです。

このsの付与によって、動詞の意味がより明確になります。また、文章の文法的な正確性を保つことができます。英語では、文法的に正しい文章を書くことがとても重要であるため、三単現のsは非常に重要な役割を果たしています。

例えば、「He go to school.」という文は、三単現のsが抜けているため、文法的に正しくありません。正しい文は、「He goes to school.」となります。

したがって、英語を正確かつ流暢に話すためには、三単現のsを正しく使いこなすことが必要不可欠です。

私:なぜsを付与することにより動詞の意味がより明確になるのでしょうか

ChatGPT:動詞の三単現形にsを付与することによって、文の主語が三人称単数であることが明確になります。つまり、sを付与することによって、誰がその動作を行っているか、または何が動作を受けているかがはっきりと分かるようになるのです。

例えば、次の文を考えてみましょう。

* "She play the guitar."

この文では、主語がshe(彼女)であることは分かりますが、動詞のplayにはsが付いていないため、この文が現在形の三単現形であることは分かりません。しかし、正しい三単現形を用いると、この文は次のようになります。

* "She plays the guitar."

このように、sを付与することで、動詞の三単現形が明確になり、文の意味がより明確になるのです。また、文法的に正しい文を書くことができるため、コミュニケーション上の誤解を避けることができます。

私:その理屈でいくと,HeとSheで動詞の形も区別すれば,より文の意味が明確になるはずですが,HeとSheで動詞の形は同じです.それはなぜでしょうか

ChatGPT:HeとSheによって動詞の形が変わらない理由は、英語において一人称、二人称、三人称の単数形には、それぞれ独自の動詞の形があるわけではなく、基本的には同じ形を用います。しかし、三人称単数形の場合には、動詞の語尾にsが付加されるため、He/She/Itに対しては、動詞の形が変わることになります。

このように、HeとSheで動詞の形が変わらないのは、単数形の一人称、二人称、三人称に共通する文法ルールがあるためです。一方、三人称単数形には、語尾にsを付加するルールがあるため、He/She/Itに対しては、動詞の形が変わることになります。

英語においては、主語に応じて動詞の形を変えることがありますが、その変化は限られたもので、文法的に規則化されたものです。したがって、英語においては、主語によって動詞の形が変わることがあるものの、それは例外的なケースであり、基本的には同じ形を使うことが多いです。

私:例外的ならば,動詞が変わることで主語との対応が明確になるという理屈はおかしいのでは?

ChatGPT:申し訳ありません、私の前回の回答が混乱を招く表現をしていたかもしれません。動詞の形が変わらないことによって主語との対応が明確になるわけではありません。実際には、He/She/Itに対しては、動詞の形が変わるため、文の主語が誰であるかを判断する手がかりになるのです。

例えば、以下の文を考えてみましょう。

* "He run every morning."

この文では、主語がHe(彼)であることが分かりますが、動詞のrunにはsが付いていないため、文が現在形の三単現形であることは分かりません。しかし、正しい三単現形を用いると、この文は次のようになります。

* "He runs every morning."

このように、sを付与することで、動詞の三単現形が明確になり、文の意味がより明確になるのです。また、文法的に正しい文を書くことができるため、コミュニケーション上の誤解を避けることができます。

したがって、英語においては、He/She/Itに対して動詞の形が変わることで、文の主語が誰であるかを判断することができ、文の意味が明確になるのです。

私:でもそれは例外的なルールなんでしょ?

ChatGPT:はい、ご指摘の通り、He/She/Itに対して動詞の形が変わるのは、英語においては例外的なルールです。他の人称や数においては、動詞の形が変化することが多く、文の主語と動詞の形が一致することで、文の意味が明確になります。

例えば、以下の文を考えてみましょう。

* "I run every morning."

この文では、主語がI(私)であることが分かりますが、動詞のrunにはsが付いていないため、文が現在形の三単現形であることは分かりません。しかし、この文が一般的な現在形の一人称単数形である場合、動詞の形を変えて以下のように書くことができます。

* "I runs every morning."

しかし、この文は文法的に誤りであり、一般的な英語では使われない表現です。したがって、動詞の形が主語によって変化することが一般的なケースであるにも関わらず、例外的なケースであるHe/She/Itに対して動詞の形が変化することが、文の意味を明確にするための手がかりとして使用されるのです。

私:だから,なんでHe/She/Itだけが例外的に扱われるのか?

ChatGPT:英語において、He/She/Itが例外的に扱われるのは、歴史的な理由によります。元々、英語には3つの文法的な性格(gender)がありました:男性、女性、中性。そのため、主語の性別によって、動詞の形が変化することが一般的でした。しかし、現代英語においては、男性、女性、中性の文法的な性格がほとんど使われなくなり、代わりに単数形、複数形、およびHe/She/Itの3つの人称が文法的な役割を果たすようになりました。

He/She/Itに対して動詞の形が変化するのは、かつての中性の文法的な性格に由来するものです。つまり、He/She/Itは、かつては中性の代表的な単語であり、そのために動詞の形が中性に合わせて変化したと考えられています。

今日の英語においては、He/She/Itに対して動詞の形が変化することが例外的なルールであることが認められています。このルールは、英語が歴史的に発展してきた過程で形成されたものであり、今日でも多くの人が使用しています。

私:IとかYouだって男性もあるし女性もあるんだから,He/She/Itだけ特別扱いするのはおかしくないですか?

ChatGPT:ご指摘の通り、IやYouなどの一人称や二人称の代名詞には、性別の区別はありません。また、人称代名詞以外の単語でも、男性的・女性的・中性的な言葉がありますが、それらに対しても動詞の形が変化することはほとんどありません。

一方で、He/She/Itに対して動詞の形が変化することが例外的に扱われる理由は、歴史的な背景によるものです。中性の文法的な性格が英語に存在していた時代には、中性の単語に対して動詞の形が変化することが一般的でした。その後、中性の性格があまり使われなくなったにもかかわらず、He/She/Itに対しては中性に合わせて動詞の形が変化することが残されました。

現代の英語においては、He/She/Itに対して動詞の形が変化することが例外的なルールとして認められています。これは、英語の歴史的な発展に由来するものであり、現代においても使われ続けているものです。しかし、言語は常に変化していくものであり、将来的にこのルールが変わる可能性もあります。

私:もう面倒だから三単現のsなんてなくしてしまったっていいじゃない?

ChatGPT:言語は変化するものであり、将来的には三単現のsがなくなる可能性もあるかもしれません。しかし、現在の英語においては、三単現のsが一般的に使われているため、それを無くしてしまうと、英語の文法が不自然になる可能性があります。

また、三単現のsは、文の意味を明確にする上で重要な役割を果たしています。例えば、"She eats apples"という文を"She eat apples"と誤って書いてしまうと、主語と動詞の一致が取れていないために文の意味が曖昧になります。このように、三単現のsは文の正確性を保つ上で重要な要素であると言えます。

したがって、現在の英語においては、三単現のsを使うことが一般的です。将来的に変化する可能性はあるかもしれませんが、現在の英語学習者にとっては、正確な文法を学ぶために、三単現のsの使い方を理解することが必要です。

私:だーかーらー,例外的なルールをもって正確性を保つためってのは変でしょ?

ChatGPT:確かに、He/She/Itに関する三単現のsが例外的なルールであることは事実です。そのため、このルールが英語学習者にとって複雑であったり、誤解を生じたりすることがあることも事実です。

しかし、言語は歴史的・文化的・社会的な要因によって形成され、その中で文法的ルールが確立されてきました。英語においても、He/She/Itに対する三単現のsは、過去から伝わる文法的なルールであり、それを守ることで文法上の正確性が保たれます。

ただし、言語は常に変化するものであり、新しい表現やルールが生まれたり、古いルールが使われなくなったりすることもあります。将来的にHe/She/Itに関する三単現のsがなくなる可能性があるとしても、現在の英語の文法においては、このルールを守ることが必要であると考えられます。

私:言葉は変化するものだから,今から無くしたっていいじゃん

ChatGPT:確かに、言葉は時代とともに変化していくものであり、今後三単現のsが無くなる可能性もあります。しかし、現在の英語においては、三単現のsが文法上必要なルールであるため、英語を正確に理解する上で学習者が理解する必要があるとされています。

また、英語は世界的に広く使われる言語であり、英語を話す人々が共通のルールや文法を理解することで、コミュニケーションをスムーズに行うことができます。そのため、英語学習者にとっては、現在のルールや文法に則って正確に学ぶことが重要です。

もちろん、言語は常に変化するものであり、将来的には新しい表現やルールが生まれたり、古いルールが使われなくなったりすることもあります。しかし、現時点でのルールや文法に基づいて学ぶことが、英語を正確に理解するためには重要だとされています。

私:だから,将来的じゃなくて,今,変えたっていいでしょ?ていうか,将来的に変わる可能性があるのなら,それは「いつ」なのか.それがなぜ「いま」ではダメなのか

ChatGPT:確かに、言語は変化するものであり、将来的に三単現のsが無くなる可能性もあります。しかし、現在の英語においては、三単現のsが文法上必要なルールであるため、英語を正確に理解する上で学習者が理解する必要があります。

また、英語は世界的に広く使われる言語であり、英語を話す人々が共通のルールや文法を理解することで、コミュニケーションをスムーズに行うことができます。そのため、英語学習者にとっては、現在のルールや文法に則って正確に学ぶことが重要です。

現在の英語において、三単現のsが必要なルールである以上、それを変更することは、英語を話す人々が共通のルールや文法を理解する上で混乱を招く可能性があります。また、英語を母語とする人々の間でも、標準的なルールや発音に基づいたコミュニケーションが行われています。そのため、ルールや発音が変更されることは、英語を話す人々のコミュニケーションに影響を与える可能性があります。

将来的に変わる可能性があるとしても、現在のルールや文法に基づいて学ぶことが、英語を正確に理解するためには重要であり、英語を学ぶ上で必要なことです。将来的にルールや発音が変更される場合には、その変更が広く受け入れられた後に、新しいルールや発音に基づいて学ぶことになるでしょう。



2023年3月26日日曜日

トイレサインデータベースの登録状況

2016年に収集を始めたトイレサインのデータベース,登録数も2,000エントリを超え,世界各国からの情報が集まっている.現在,68の国と地域からさまざまな情報が集められていて,情報を寄せてくださるコントリビュータの皆さんもおよそ170名に迫ろうという状況である.コントリビュータの皆さんは,ほぼ,お友達の皆さんとはいえ,このコミュニティはひとつの財産になっており,ありがたいことである.

ところで,毎日一つずつ,データベースのエントリをFacebookで紹介しているが,最近,紹介を待つキューがとても長くなってしまって,どうしたものかと悩ましく感じている.今日も,皆さんから寄せられた情報を整理し,27件の新しい情報が追加された.最新のものは,公開予定日が8月になってしまっている.

次に示すグラフは,皆さんからの報告日を集計し,折れ線グラフでまとめたものである.データベースへの登録自体は2016年から行なっていたが,毎月,安定的に登録するようになった2017年からの記録をグラフ化してみた.

このグラフを見ると,いろいろと面白いことがわかる.赤い線は,6ヶ月の移動平均である.まず,2018年の夏頃に移動平均のピークが現れている.このころも,物珍しさか皆さんからたくさんの情報が寄せられ,待ち行列に100件ちかくが溜まって,どうしようかと悩んでいた時期である.

毎日一つずつ紹介しているので,新しい情報が毎日一つのペースで増えていけば,待ち行列は増えも減りもしないはずである.したがって,30件/月というボーダーを上回るか下回るかが指標となる.

ところが,2020年に状況は一転する.

2020年,コロナ禍がやってきた.人々は移動を控え,その結果,新しい発見は極めて少なくなった.移動平均の線を見ていただきたい.2020年の2, 3月以降,移動平均の値が30件を大きく下回っていることがわかる.

その結果どうなったかというと,ストックは消費され続け,一時期,このままでは一日一件の紹介に間に合わないという枯渇の危機に瀕することとなった.

しかし,その後はちょうど30件/月のペースで推移し,昨年の夏,もはやコロナ禍恐るるに足らずとばかり人々が再び移動を始めたのと歩調を合わせるように,皆さんからの情報提供が復活した.現在は,40件/月のペースで情報提供があり,冒頭で紹介したような悩ましい状況になっている,というわけだ.

「面白いトイレサイン限定でお知らせください」とアナウンスしているが,面白さの基準は人によって違う点が悩ましいところである.また,本データベースは写真だけでなく正確な位置情報も記録しているところにユニークさがあり,普通のデザインであっても場所が面白かったら採用するという方針をとっているため,その判断もなかなか難しい.

ありがたいことに,現在のところ6大陸から報告が上がっている.しかし残念ながら南極からはまだ報告がない.南極大陸のトイレサインであれば,いたって普通の,どノーマルなものであっても即採用である.もっとも,南極基地のトイレにトイレサインがあるのかどうかは知らないが……

2023年3月23日木曜日

定型文書の形骸化

本文書の結論を最初に示す.「〇〇文は全て,結論だけ一言で書けばよろしい」……以上である.その理由を今から述べるので,お時間のある方はお付き合いください.

仕事柄,いろいろな文書を頼まれることがある.ひとつひとつの文書を作るのはさほど手間ではないが,何度も何度も頼まれると,塵も積もればなんとかというやつで,それなりの負担感がある.

しかし今や俺たちにはAIがある!そういう面倒な仕事はChatGPTにやらせてしまえばよいのだ.

推薦文の場合

以下の例は,田中啓一郎(仮名)くんに関する推薦状をChatGPTに書いてもらったものである.

それにしてもよく出来ている.埋め草にはちょうどよい感じの文章だ.

推薦文には,こんな事情もある.昨年,3通の推薦状を3名の学生に書いてあげたが,3名ともその企業の内定を断った.ひどい話である.それゆえ「こんどから推薦した企業に入社しなかったら推薦状一通5万円だ」などと冗談を吐いていた.しかし,いっそのことぜんぶChatGPTに書かせてしまえば私の腹も立つまいし学生だって気軽に反故にできるだろう,などと考えて試してみたものである.

挨拶文の場合

次は,挨拶文である.これは,私が,某協会の理事にお誘いいただいたので,挨拶文を用意することになり,切羽詰まって用意したものである.

来月のオンライン理事会で私がひとこと挨拶をすることになったのだが,スケジュールの関係で移動中に接続しなければならないという状況に陥り,万が一,うまく接続できなかったときに代読する挨拶文を用意せよとリクエストされた.

もちろん,真面目に考えるつもりではあるが,プランBとしてChatGPTにも考えてもらったものだ.〇〇の部分には具体的な名詞が入るが,ここではとりあえず伏せておく.

尊敬する皆様、

この度、〇〇協会の理事に就任することを、心より光栄に思っております。〇〇の普及と発展に貢献する機会をいただき、感謝申し上げます。

私は、〇〇の価値に深く共感し、そのコミュニティーの一員として多くの時間を費やしてきました。〇〇は、共同作業や知識共有によって、高品質な〇〇を開発することができるという素晴らしい特徴を持っています。今後も、私たちはこの精神を守り、〇〇の価値を広めるために取り組んでいく必要があると考えています。

理事として、私は協会の発展に向けて、自身の経験や専門知識を活かし、全力を尽くしてまいります。そして、〇〇の発展に貢献するために、協会との協力関係を強化し、協会の目標達成に向けて積極的に取り組んでまいります。

最後に、〇〇協会のメンバーの皆様、関係者の皆様に心よりお礼を申し上げます。私自身も学びの場として、そして〇〇を支援する立場として、貢献できるよう尽力してまいります。今後とも、よろしくお願い申し上げます。

なかなかよく出来ている.このまま使っちゃおうか? 

文書の意義はどこに

さてこうなると,そもそも「推薦状」や「挨拶文」の意味は?これって必要なのか?という疑問にぶち当たる.そもそも,受け取ったほうも,真面目に中身まできちんと読んでいるのか,という話もある.

田中啓一郎(仮名)の推薦状を私(飯尾)が発行するということは,「飯尾が田中を推薦した」というその事実のみが重要なのであって,文面なんて,何でもよいのではなかろうか.

令和の推薦文は「AがBを推薦します.以上」でよいのではなかろうか.挨拶文も「精一杯がんばりまっす.以上」でよかろう.〇〇文は全て,結論だけ書けばよろしい.ずいぶんと乱暴な結論になってしまった.

2023年3月22日水曜日

WBCに染まった日

TWtrendsというシステムは,その日のTwitterでのトレンドを可視化し,何が話題になっていたのかを一目でわかるようにする,というものである(Iio, 2019).昨日(2023年3月21日)のトピックマップを見て,皆さんずいぶんWBCを熱く語っているんだなあと思っていたら,今日22日,WBCの決勝戦が行われ,日本が優勝した.

本来,トピックマップは一日が終了した時点,正確にいうと20分おきに実施しているデータ収集のうち最後のものが終了した時点,すなわち,23時40分以降に作成されるものだが,気になったので夕方の時点で作成してみた.


あらまあ「なんということでしょう!」

薄黄色のノードからなる中央のクラスタがWBC関連のトレンドをまとめたものである.中心部はもうエッジが集まりすぎて真っ黒け.何がなにやらわからない.

こんなトピックマップ,平成から令和に切り替わったときくらいしかみていない.まあ,そのときはクラスタに入れるかどうかの閾値が0.75であり,今は少し甘めの判定にして閾値を0.5にしているという差はあれども,これはまたすごい状況になっている.しかも,WBC以外の話題がすっかすか.これはまだ深夜まで達していないこともあるかもしれないが,それにしてもすごい.

参考文献

Iio, J., (2019). TWtrends ― A Visualization System on Topic Maps Extracted from Twitter Trends, IADIS International Journal on WWW/Internet, Vol. 17, No. 2, pp. 104-118.

2023年3月19日日曜日

不当なオジサン差別

渋谷警察の向かいに渋谷ストリームから地下通路に降りていくエスカレーターがある.そこでこんなポスターを目にした(写真).

これらのポスターは,渋谷ストリームに入っている飲食店とクリエイターがコラボレーションして作成したポスターということらしい.いずれもポップな印象で人目を惹くすばらしい作品群である.

ところで,このポスターを見ていて私はあることに気付き,エスカレーターを1往復半して数えてみた.それは,描かれている人間のジェンダーである(人間以外のキャラクターが一人いたが,それは対象外とする).

これらのポスターに,32名の人間が描かれている.そのうち28名が若い女性である.残りの4名のうち,2名は中性的で性別不詳,1名が明らかに青年とわかる男性,そして,オジサンはただ1名(写真の上段左から2番目)であった.

これはいったいどういうことだろう?若い女性にあらずば人にあらず?

いやまあ,現実に異を唱えたいというわけではない.これをどうせよというつもりもない.ただ,このような現実もあるということを指摘しておきたいだけなのだ.もちろん不当な男女差別はよろしくない.政治家や経営者層に女性を増やすべきだ,それはごもっともであろう.

それはそれとして,オジサンやオバサンにも,もっと日の目を当ててよいんじゃまいかね?

2023年3月12日日曜日

リスボンの地下鉄事情

国際会議に参加するためにリスボンに来ている.久しぶりの対面での国際会議……と思ったがそういえば昨年の夏に広島で大きな国際会議に参加していた.学会参加での海外出張は久しぶり,というところである.

リスボンといえば狭い路地を走り回る路面電車が有名だが,地下鉄も赤・青・緑・黄色とそれぞれ色で表された路線が4本走っている.

地下鉄のカード

空港も市内にあり,空港からはRed Lineでダウンタウンに移動できるので便利である.空港にはRed Lineの始発駅があるので迷わない.リスボンに来たのは初めてだが,券売機でリチャージャブルの交通系ICカード,日本でいうところのSuicaのようなカードを購入した.このカードで地下鉄とバス,トラム(路面電車)に乗れる.1回1.65ユーロ,地下鉄は改札で,バスとトラムは車内の機械にタッチするだけで乗れてたいへん便利だ.

ところで,このカード,デポジットが0.5ユーロとずいぶん安いので驚いたが,実際に手にしてみると,さもありなん.紙製のぺらっぺらなカードである.すぐにヨレヨレになってしまいそうだ.

紙製なので,ライトに透かしてみると,その構造がよくわかる.カードいっぱいにアンテナが張りめぐされており,一部にICの回路らしきものもみえる.すなわち,改札でカードをかざすと電磁誘導で電流が流れ,非接触型の通信を実現できる.RFIDのしくみそのものである.

開かずの扉事件

さて,このカードにとりあえず10ユーロほどチャージして,地下鉄でホテルまで移動した.驚いたのは,我々が乗り込んだ車両の扉が,どこからか開かなくなってしまったことだ.どうも車両故障らしい.その扉だけが開かずの扉になってしまった.

降りようとしている人,乗り込もうとしている人,いずれも小走りに左右の扉に駆けていく.車内はそこそこ混んでいたので降りるほうはいささか大変そうではあったが,誰も驚くそぶりをみせておらず,「どうも困ったネ」というように首をすくめる程度だったのが印象的である.

日本であれば,車両故障で「点検します……」と,止まってしまうのではないか.ともすると接続している他の路線まで影響が出そうなものである.

しかし,おそらくこの程度の故障は日常茶飯事なのだろう.誰も気にしていない様子であった.国民性の違いといえばそれだけの話なのだが,日本みたいにきっちりやればよいというものでもないだろうというおおらかさというか,これでも社会は回っていくんだなということは,律儀な日本人も学ぶところはあるだろうなと感じた出来事であった.

2023年3月10日金曜日

続々・こんなところでHCD

今日の指摘はHCDというより個別の最適化が必ずしも全体最適化にならない事例の紹介という感じだが,やはり,利用者視点になっていないという点でHCDではない事例ともいえるだろう.

さて,次の写真を見ていただきたい.これは半蔵門線・東急田園都市線の渋谷駅である.まず,ベンチがホームに対して平行になっておらず,垂直の関係になっている点に着目してほしい.

なぜベンチがこのような向きになっているのか.このベンチをホームに対して垂直にするというデザインは,何年か前から流行しているやり方である.その理由は,酔っぱらいがベンチから立ち上がってそのまま線路まで転がっていかないように,ということらしい.よくみると,ベンチのあるあたりの床には,以前あったベンチを撤去した跡が見受けられる.以前は,ホームと平行にベンチが設えてあった.それを,わざわざ向きを変えて設置しなおした,というわけだ.

しかし,この写真をさらによく見てみよう.手前は画角の関係で写っていないが,奥のホーム端に注目されたい.そう,ホームドアである.この駅はホームドアが設置されているので,電車到着時に開いたゲートから隙間に挟まれることこそあれども,よほどのことでもなければホームから線路に転がり落ちることはない.

すなわち,酔っぱらいがベンチから立ち上がって線路に転がり落ちようとしても,ホームドアで堰き止められるため,線路への落下事故は起きようがないのである.

横向きのベンチも,ホームドアも,どちらも事故防止には有効なのは間違いない.しかし,両者が同時に存在するのは過剰投資ではなかろうか.我々としては,この例を反面教師として,全体最適化を考えたいものである.

2023年3月7日火曜日

続・こんなところでHCD

日本への入国手続きに関して,いまの状況にはいろいろと言いたいことがあるのだが,今回は税関申告の電子化を取り上げたい.

現在,日本に入国・帰国する際には,visit japan web というウェブアプリで検疫情報と税関申告の登録が求められる.検疫情報を登録しておくと余計な手続きをパスできるし,帰国便の搭乗時にその証明を提示させられることもある.COVID-19ワクチン3回接種した証明を記録しておけば,入国もスムーズだ.

税関申告のDX

ところで,今回問題にしたいのは税関申告のほう.まずは下記のスクショをご覧いただきたい.

そうなのだ!電子申請対応のゲートには待ち行列ができており,従来からの紙で申告するゲートでは待ち時間はほぼ無し.いったいどういうこと?

このツイートは昨年11月末のもので,昨日(2023年3月6日)の時点では若干マシにはなっていたようだったが,まだ電子申請対応のほうには待ち行列ができていた.

紙で申告して税関を抜けたほうが早いことを知っていた私はサクッと終了.他方,「先生,税関申請もvisit japan webでやったほうがいいですか?」「日本のDXの現状をよく知っておきなさい」と,この現状を体験させようと指示した学生たちは,10分後くらいに出てきた.どれだけ差があるか,ストップウォッチで測っておけばよかったか?

なぜこんなことに

税関申告のDXにはいくつかの問題がある.

まず,新しい運用方法に対してオペレーションの最適化がいつまでたってもなされないこと.単純に,電子申請対応ゲートの数をもっと増やして,そのぶん紙申請対応の数を減らせばよいのに,そのような状況にいつまでも対応できないのはいったいどういうことなのか.

DXはシステムさえ用意すればよいという話ではない,という見本とも考えられる.システムの運用,担当者の教育も含め,全体での最適化を考えなければ真のDXではない.まさに紹介したツイートが語っているように,「とりあえず電子化!DX!導入後の運用はしらねぇ!」ではいけない.

次に,はたして,この税関申告の電子化は誰のためなのか?という問題だ.電子化すると,その後の記録管理は格段に効率化される.しかし,そのためには誰かがデータを電子的に入力せねばならない.極論すると「この税関申告の電子化は,それをエンドユーザーにやらせよう,というものだ」ともいえる.

似たような状況は,いろいろなところで発生している.たとえば私の大学では,近年,人給システムのクラウドサービスが導入され,給与明細が電子化された.これまで,毎月,給与明細が郵送されてきたことを考えると,その電子化はよい話である.しかし,問題は年末調整の手続きであった.これまでは紙の書類にサッと書き込んで経理に持っていけばよいだけだったのが,システムに対してチマチマとたいへん手間のかかる入力処理をさせられた.その手間は何段階にもおよび,とても面倒くさい.

これらについて共通して指摘できることが,面倒な情報入力を利用者自身,エンドユーザー自身にやらせてしまえ,という間違った効率化である.

確かにバックエンドは効率化する.事務担当者の負担はかなり軽減するだろう.そのぶん,現場に手間を取らせており,広く薄く,非効率をばら撒いているのである.まったくもってHCD的な考え方ではない.

取るべき対策

残念ながら,この体たらくはまだしばらく続きそうだ.帰国時の税関申告は,これまで通り用紙に書いての申告をオススメする.それではDXが進まない?どうせそんなDXは本物ではない.早く現場の状況に気付いて改善,真のDXにしていただきたいものである.

ところで,先のツイート,いろいろ写真が掲載されているけれど,バゲージクレームから税関までの場所って,撮影禁止じゃなかったっけかな?

2023年3月6日月曜日

こんなところでHCD

まずは次の写真を見てほしい.タイ合宿の滞在中に宿泊したホテルの洗面所である.

このなかに,HCD(あるいはUCD)的に適切ではないポイントがあるのだが,お分かりだろうか.少し考えてみてほしい.

(↓答えが分かったらスクロール)

答えは,トイレットペーパーの位置である.便器に座った状態を想像していただきたい.トイレットペーパーを使おうとした状況を考えてみると,どうなるだろうか.

座ったまま手に取ろうとすると,右手を後ろに回して手探りしなければならない.利用状況をイメージし,どこに取り付けたら使いやすいだろうか?ということを考えると,左側のドアの横,座ったときに,正面にくる位置が適切であろう.

日常的なHCDを考えるトレーニングも重要である.皆さんも日々,探してみてはいかがだろうか.

2023年3月1日水曜日

ChatGPTでネット検索もお払い箱になるのか

ChatGPTがあればGoogle要らない!キーワードサーチによるネット検索はもう古い!……などと息巻いている慌てん坊さんが多数いるみたいだが,いやモチつけ,ちょっと待たれよ,と警鐘を鳴らしておきたい.

人物照会はニガテ?

次の結果は,中央大学の飯尾を照会してみたときの結果である.まずそもそも,姓だけで問い合わせてみた私も意地悪っちゃあ意地悪だが,飯尾潔(いいおきよし)って誰よ?

本学理工学部に飯尾潔などという教授はいない.というかそもそも中央大学に飯尾は私一人しかおりません.すなわち飯尾潔なる人物は完全に架空の人物である.数理科学科なんていう学科もないし,デタラメもいいところである.バークレーで客員研究員をしたり,代数的整数論や暗号理論の分野で多数の研究業績があったりと,なかなかの傑物らしいが,残念,そんな人物はいないのだ.

聞き直してみた

なので,「国際情報学部の飯尾淳だぞ」と重ねて尋ねてみたら,素直に間違いを認め,それっぽい情報を出してきた.

しかし,私ってデジタルゲーム学を専門にしてたのか?メディア情報学とHCI(人間とコンピュータの相互作用)ってあたりは,まあ,外してはいないのだが,それでも東大の情報学環なんて出てないし,ハーバード大やロイヤル・ホロウェイ大学の客員研究員?いやはや,私もいつの間にか,たいした人物になったものじゃないか(なってません).

代表的な論文は「Augmented Reality Human Interface with Finger Gesture Recognition Using Webcam」なんだそうである.そんな論文,書いたっけかな?Google Scholarに聞いてみた.

_人人人人人人人人人人人人_
> そんなの無いってYo! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

幻の名作である.

予想通り「Virtual Reality System for a Water Flow Simulation and Visualization」のほうも幻の名作だった.はたして,これらのタイトルで論文を書けば,それって私の代表作になるのだろうか(そんなバカな).

……というわけで,嘘っぱちもここに極まれりという感じなので,インターネット検索の代わりに使うってのはまだ時期尚早なんじゃないかな?

(おまけ)

もっとザクっと聞いたら,すごいのぶっ込んできた.でも「西洋音楽史論」「コロンブスとアメリカ大陸発見」「日本文化の再発見」「シェイクスピア入門」っていうラインナップは,ちょいとチープやあるまいか.