2022年11月27日日曜日

ハイブリッド学会は低予算で実現可能

世の中的には,ハイブリッド学会は費用がかかると思われているようである.実際,私が参加したいくつかの学会では,業者と思しき皆さんが大袈裟な機材を持ち込んでオンライン配信を実現していた.ある人に聞いたところ「カメラ2台(引きとズーム)入れて,そのカメラとZoomの画面のスイッチングをやってもらい,現場の音響調整なども含め,クルー3人で1日30万くらいだそう」だとか.

しかし,私の提案する方法でやれば,投資コストはミニマイク購入の数千円程度で済む.手弁当なので品質こそプロには敵わないものの,十分にオンライン配信を実現できる.その方法は「【決定版】ハイブリッド会議の最適解」で紹介したとおりである.

ハイブリッド開催にはだいぶ慣れた

2022年11月26日に,2022年冬季HCD研究発表会が中央大学iTL市谷田町キャンパスでの対面会場とオンラインのハイブリッド形式で実施された.そのときに使ったマイクは次のようなもの.メンディングテープでくっ付けているという点が,改良の余地ありというところだが,配信用PCで動かしているZoomの音声入力をUSBのミニマイク,音声出力をHDMI側に切り替えるだけで,教室,オンラインともに問題ない音声配信を実現した.

今回,音響設備に一時的なトラブルがあったり,参加者がうっかり自分の端末でZoomの音声入力のミュートを外してハウリングしてしまったりと,大成功というわけでもなかったが,これまでのような音声配信に関する不満の声は一切なく,トラブル対応も適切であったとお褒めの声もいただいた.

とはいえ対面が望ましい

しかし,やはりオンライン発表を会場で粛々と聞くというのは,寂しいものがある.さながらスポーツ大会のパブリックビューイングのような感じといえば,お分かりだろうか.発表者は,できれば会場に来てほしいものである.

もう一つ,今回はポスター発表会場が盛況であった(写真).

ポスター発表のようなインタラクティブ発表は,やはり熱意の伝わる対面開催が望ましいのではないか.今回,ポスター発表の申込みが12件あり,うち3件がオンライン発表を希望した.

対話発表のオンライン参加を実現するために,特別にPCを3台用意し,専用のブースを用意した.そこでオンライン発表が行われていることに気付かない参加者も多かったため,会場で「こっちでオンライン発表やってますよ!」と呼び込みをするなどの工夫もした.それだけ手をかけたので,オンライン対話発表もそこそこは盛り上がったのかもしれない.ポスター発表でオンライン参加を希望する人は,特別に手がかけられていることを十分に理解してほしいものである.

また,オンライン参加の皆さんがポスター発表にも参加できるように,アルバイトの皆さんを動員して,ポスター発表のライブ中継という試みにも挑戦した.これは,うまくいったのかどうか,オンライン参加した皆さんに感想を聞いてみたいところでもある.

まとめ

ポスター発表にせよ口頭発表にせよ,やはり,ライブ感を高めるためにも,発表者は会場に足を運んでほしいものである.ハイブリッド開催の形式がどうあるべきか,しばらくは模索がなされるところであろう.

2022年11月10日木曜日

hogeだのfugaだの

昨日,プログラミング基礎の授業中にほげほげ言っていたら学生たちがクスクス笑うので「なに,ほげだのふがだの珍しいか?」とメタ構文変数について解説した.皆さんもメタ構文変数という名前こそ馴染みがないかもしれないけれど,hoge, fuga, piyo, あるいは foo, bar, baz など,ITの皆さんであれば日常的にお使いなのではなかろうか.

次の図は,2011年に出版した拙書[1]からの引用である.これらの単語は,固苦しい名前がついており,メタ構文変数と呼ばれる.

まあ,こういうことにも名前がついているんだとか,foo, bar, baz だけでなくてひたすらいろいろあるんだとか,そういうトリビアを知っているのも悪くないだろう.

ところで,話は変わるがプログラミングの初学者に次の事実を突きつけるとみんなびっくりする.「コンピュータは正確な計算ができない」ってことは多くの人に知っておいてほしい事実なんだよなあ.

参考文献

  1. 飯尾淳 (2011) C言語によるスーパーLinuxプログラミング Cライブラリの活用と実装・開発テクニック, ソフトバンク クリエイティブ