2020年12月31日木曜日

「にこP」ログの可視化

オンラインで日本と海外の高校生を繋いで交流するプロジェクト「にこP」についてはこれまで何度か紹介した(「にこP」スタート!「にこP」順調に進行中).本プロジェクトも今年度は成功裏に交流を終えることができた.いまは振り返りの作業を行っているところである.その一環として,プロジェクトで使っているDialogbookという学習記録システム(Iio and Wakabayashi 2020)のデータを吸い上げて,そこでいったいどんな書き込みが行われたかを可視化してみた.

今年度「にこP」に参加した4校(日本2校,台湾2校)のDialogbook利用状況は,たまたまだが日本のA校は日本語で,日本のB校は英語で,そして台湾のC校は中国語(台湾語)で利用と,きれいに分かれたのは面白い.なお,台湾のD校はDialogbookを利用しなかった.

そこで,英語で利用した日本のB校のログを抽出し,生徒が書き込んだ全メッセージをワードクラウド化したものが次の図である.なんとなく,楽しげな様子が伝わってこないかな?

ワードクラウドの作成にはWordClouds.comを活用した.オンラインで簡単にこのような図を作ることができるので,重宝する.ちょっとしたテキストの可視化にはとても便利である.

参考文献

Iio. J, and Wakabayashi, S. (2020) Dialogbook: Simple e-Portfolio System for International Communication Learning, International Journal of Web Information Systems, 16 (5), 611-622.

2020年12月30日水曜日

MS ExcelでGoogle Spreadsheetっぽいグラフを作る方法

Googleのスプレッドシートは自動で簡単なグラフを作ってくれたりするので使い勝手は良いのだけれど,ちょっと凝ったグラフを作りたいときなんかはMS Excelで作業したいこともある.でもExcelのグラフ,標準の色合いはちょっとくすんでて,Googleのあのカラフルな色合いがほしいよね,ってこともある.そこで,Excelのグラフを簡単にGoogleっぽくしちゃう技を紹介する.

準備

結論からいうと,Googleのテーマを指定しちゃえばいいっていう話.そこで,そのテーマを取得するところから始める.

まず,なんでもいいのでGoogleのスプレッドシートをローカルにダウンロードしよう.次の手順でよい.新規作成して,ダウンロード.これでOKである.

ダウンロードしたファイルをExcelで開く.「ページレイアウト」リボンの「テーマ」を開こう.「現在のテーマを保存…」という項目があるので,それを選択し,どこでもいい(デスクトップとかでよい)のでテーマを保存する.このテーマファイルに,Googleの色合いが保存されている.

テーマの適用

さて,準備ができたのでGoogleっぽくしたいグラフが含まれているファイルを開く.そこには,いつもの見慣れた配色のグラフがあるはずだ.グラフのデザインから色合いを変えることはできるけれども,どれも,どうにもくすんだ印象が否めないんだよねえ.

そこで,Googleのテーマを適用する.再び,「ページレイアウト」リボンの「テーマ」メニューを開く.今度は「テーマを参照…」を選ぼう.

そこで先ほど保存しておいたGoogleのテーマファイルを選択する.手順に問題がなければ,グラフは見事にGoogleのそれっぽくなるはずだ.



2020年12月22日火曜日

超絶進化するTV会議アプリ

Zoomの最新版には,顔をいじるエフェクトが付いていて「ああやはりこっちの方向に進化していくんだなあ」と思っていたが,LINEのTV会議アプリを試してみたら,もうやたらとてんこ盛りなエフェクトが用意されていてびっくりした.

オンライン講義で使うというのもなかなか難しそうではあるが,アイスブレイクには良いかもしれない.

まあ,情報のバンド幅が少なく「顔色を伺うことをやりにくい」オンラインのコミュニケーションにおいては,このような方向で感情を表現することにつながっていくのだろうか.あるいは,LINEの「スタンプ」に代わるような何かが,今後,オンライン会議ツールでも開発されていくのかもしれない.



2020年12月18日金曜日

講義と雑談2

以前「講義と雑談」というタイトルで与太話をした.その続きというか関連したお話.

あるオンラインセミナーで,リモートから講師として参加するために,事前準備で接続チェックを行う機会があった.音声を確認したいそうで,「音声チェックしますからしばらく喋っててください」と告げられた.それを聞いて「ではここでお笑いを一席」……まで喋ったものの,その後が続かない.小咄のひとつくらい暗記していれば良かったなと思った次第である.

「つかみ」は臨機応変に?

それをSNSでこぼしたら,ある先生から,講義スタート前の調整時間5分くらいで小咄してないの?とツッコミをいただいた.スタンダップコメディというか漫談みたいな話はよくするけれど,いざ,定型のお笑いをやれと問われると,「むむむッ」となってしまう.どうにもならない.

あと,やはり白板がないとなんか落ち着かない.口下手なのを誤魔化すために,故・ケーシー高峰師匠みたいな感じで,白板を使った漫談になることが多い.オンラインだとペンタブとホワイトボード使うんだろうか.しかし,それもなんだかなあ,という気はする.

グラッチェ.

2020年12月17日木曜日

あれっ?構文

昨日の「プログラミング基礎」で演習の例として示したcJSONのサンプルプログラム.よく見てみたらなんか妙な構文がある(図の赤で示した場所).プログラミング言語は「C」である.

関数呼出しの後に { ... } という構文?こんな構文あったっけ?

しかしこのプログラム,ちゃんとコンパイルできて,動作する.はてさてふふん?

ヒントはcJSON.h にあった.ちょっと面白いテーマなのでそのまま「これ理由わかる?」と学生の課題にしてみたが,突き止められる学生は現れるだろうか(「応用クラス」で,わりと好奇心旺盛な連中が多いので,期待はしている).

2020年12月15日火曜日

ビデオ発表を倍速で作るのはアリかナシか

ある先生が,ご自身が提供しているオンデマンド教材に関して「学生に『倍速で聴いて良いか?』と尋ねられた」とコメントされていた.それに対して「PodCastは1.5倍速で楽しんでいるし,まあ,ある程度は良いんじゃないか」と私は答えた.

YouTubeだと2.0倍まで指定できる.さすがに2.0倍にすると,やや忙しない.喋る人のもともとの喋り方にもよるだろうが,倍速にすると聴き漏らすこともありそうだ.1.5倍,ちょっと頑張って1.75倍くらいが限度かなという気もする(かの先生が学生に尋ねてみたところ,1.25倍が一番人気だったとのこと).

倍速ビデオは許されるか?

ところでこの話題で議論していてふと気付いたことがある.それは,時間制限の与えられたビデオ発表を,倍速で作成したらマズいか?というものである.

ある学会がオンライン形式で開催された.発表はあらかじめ作成したビデオで行えというものであった.その学会の指示には,ビデオは15分以内で作成すること,とある.我々はたくさん伝えたいことがあった.時間を気にせず,素でビデオを作ったら,20分を越えてしまった.これはイカン,というわけで,編集を繰り返し,なんとか15分に収めることができた.

しかし,ビデオの編集について「どこを削る?」「ここはいらんだろ」などと共著者同士で喧々諤々の議論をしていたときには思いつきもしなかったが,早回しビデオにしてしまえば,この問題は簡単に解決したのではなかろうか.さて,これは,許される行為なのかどうか.よく分からないがビデオ発表ならではの観点ではある.今後,こんなことの是非に関する議論も進んでいくのだろうか.

「踊ってみた」のイラストだそうだ.いらすとやには何でもある.

2020年12月14日月曜日

「学生の顔が見えないのは良いこと」という意見

先日,とあるオンラインセミナーで,某大学のある先生が「オンライン講義になって学生の顔が見えないので,とても楽になった」というような旨のご発言をされていた.なんでも「ネットの向こうで何してようが構わないので,居眠りしてようが,ぜんぜん聞いていなかろうが,気にならないのがヨイ」ということらしい.対面の講義だと,居眠りしている姿が目に入ると講義しにくいそうだ.

私はこの発言を聞いて目からウロコというか,これまで考えもしなかった発言だと気付いた.これまではどちらかというと,「オンラインで顔出しNGだと,向こうで何してるか分からないから気持ち悪い」と考えていた.居眠りしている学生は対面だったらいざとなれば起こしにいけるし.まあ,居眠りするようなねむたい話をするほうが,教員としては力量不足なんだろうとも思っていたし.

まあ,かの先生を批判するわけではなく,いろいろな考え方があるものだと驚いた次第である.

オンライン講義になって,学生がどういう状況で受講しているか分からないというシチュエーションは,また別の問題も含んでいる.それは,向こう側で話を聴いているのが学生だけとは限らない,という問題だ.これに関しては,私は別に構わないと思っているが,気にされる方もいらっしゃることだろう.

いずれにしても,オンラインで向こう側が見えない状況で講義を実施する以上は,対面をそのままオンライン化するという捉え方では不十分であるということを再確認させられた.いやはやいろいろあって面白いといえば面白い.



2020年12月13日日曜日

顔出しのない発表に受ける違和感

関東甲信越英語教育学会(KATE)第44回研究大会という学会に参加した.ITをバックグラウンドにここまで過ごしてきた私としては,かなりアウェイ感のある学会ではある.しかし,現在,共同で進めている研究プロジェクトの中間報告ということで,その実施状況を発表(若林,飯尾,他 2020)するために,今年から英語教育学会の会員になり参加したという次第.

ところで,学会に参加したといっても,オンライン開催のため登録された資料を観た(見た),というだけである.いくつかの発表にはコメントして意見交換「らしきもの」もできたので,それなりに参加した感は,まあ,ないこともないというところか.

顔出しはほとんどなかった

オンライン発表,とくにビデオ発表のやり方については,先日のHCD研究発表会でも議論した(飯尾,辛島 2020).この問題に関しては,定番の手法が定まっているようでまだ定まっておらず,皆,試行錯誤しているところであろう.どのようなあり方が良いのか,暗中模索というところか.そして,今回,KATEの発表をみていたら,発表者の顔が出ているビデオがほとんど無かったことに気付いた.

今回の発表件数は全部で40件,うち,YouTubeのビデオ投稿で動画発表している発表はちょうど半数の20件であった.残りはSlideShareのスライド共有である.スライドだけ見せられても……という気もしないでもないが,致し方ない.しかし,YouTubeビデオのなかで,無言もしくはテキストのサンプル音声のみ,というビデオが2件あった(※1).発表者の肉声は入っていないので,スライドの自動プレゼンテーションとほぼ大差ないビデオである.

残りの18件のビデオのうち,顔出ししていたビデオは,我々の発表を含む,3件のみだった(※2).

なぜそうなるのか

発表者の顔が映らないビデオが多数派となっているのはなぜだろうか.ひとつには,技術的な問題が考えられる.私は研究発表用ビデオを作成するときも,オンデマンド講義用のビデオを収録するときも,Zoomの「ひとりミーティング」を行いそれを録画するという方法でビデオを作成している.この方法だと顔を写し込むことができる.Webexや他のオンラインミーティングツールを利用しても同様だろう.また,この「ひとりミーティング法」だと他にもいろいろと工夫の余地が残されている.

一方,パワーポイント等,プレゼンツールを使って「ひとりプレゼンテーション」をすることでビデオを作成する方法もある.プレゼンツールの機能をつかって「音声を」追加で収録する方法である.この方法だと,音声で説明しながら画面が切り替わるビデオを作成することはできるが,プレゼンをしている発表者の顔をビデオに写し込むことができない.

ここからは推測でしかないが,顔出しなしビデオを提出した発表者の多くが,後者の「ひとりプレゼン法」でビデオを作成したのではなかろうか.

顔出し問題はどうあるべきか

技術的な問題はともかく,やはり発表者の顔がみえないと観ているほうはなんとなく白けてしまう(※3).過去にこの問題を議論したとき,ある先生が「TVショッピングで『商品だけ』見せて宣伝しているようなものですよね」とコメントされていたのが印象的であった.

某TVショッピングのようにプレゼンテーションする人の印象が強すぎて,肝心の商品が霞んでしまうのは本末転倒ではあるが,やはり,短い時間のプレゼンビデオだけでは不十分であり,顔や話し方でも印象付けて,今後の議論につなげていくほうが生産的だと思うがいかがだろうか.

ところで,顔が出ていた3件の発表のうち,1件は,共著者が全員顔出ししていて,画面共有しているスライド資料の横に3人の共著者が並んで写り込んでいた.ひとりミーティングではなく,共著者による内輪ミーティングで発表用ビデオを作成したというものである.オフラインでの発表では,共著者が全員登壇することはめったにない(※4)が,オンラインならではの工夫かなあと感心した.その手があったか!という気分.

参考文献

  • 若林, 飯尾, 櫻井, 石川, 木嶋 (2020) インターネットを用いた海外の高校との協同授業 ―準備・実践・評価の実際―, 関東甲信越英語教育学会 第44回オンライン研究大会
  • 飯尾, 辛島 (2020) オンライン研究会のあり方について, 人間中心設計推進機構 2020年冬季HCD研究発表会, pp. 49-52, オンライン
脚注
  1. 音声なしのビデオの1つについては「作成に失敗した」とのコメントがあった.提出前に自分で確認しなかったのかなあ?
  2. 最初にご本人と思しき顔が瞬間的にチラッとだけ出たものが1件あったが処理上のミスと思われるためカウントしない.
  3. 顔が出ていないほうが内容に集中できる,という意見もあるかもしれないが……
  4. たまに,途中で交代するケースはある.

2020年12月11日金曜日

課題提出の締切をどのくらいに設定すべきか

オンライン講義化で課題がたくさん出されて学生が悲鳴を上げているという話が出ていた.これについてはそもそも大学の単位認定制度に関する本来の姿に戻ったという意見もあれば,少しやり過ぎだろうという意見もあるし,あるいは大学教育における集団指導体制があまりうまくいっていないことが明らかになったのだという指摘もある.そのような議論はさておき,学生からの意見をみていたら,締切設定に関する「これは?」という意見があったので,ご紹介したい.

それは「課題の締切は,その日のうちだと大変だし,1週間だと忘れてしまう.2〜3日後がよい」というものだ.多数から出された意見というわけではないし,とりたてて大きな声というわけではないが,気になる意見である.

課題の締切については,これまで,「0時(24時)にすると日付がわかりにくいから夕方や昼などにしたほうがよい」という議論はしばしば目にした.たしかにそれはそのとおり.しかし,「2〜3日後がよい」という指摘は,大げさにいえば目からウロコであった.

大学の講義は基本的に1週間で回っているので,だいたい「次の講義まで(つまり1週間)」とか,多少,フィードバックの時間を取りたい場合は「その週の週末まで」というような締切設定としていた.しかし,課題を提出する側である学生の立場で考えてみれば,「2〜3日後がよい」という意見はたしかに一理ある気がする.学習した内容をきちんとアタマに定着させるためにも,そのくらいの期間がよさそう(これについては識者のご意見を伺いたいところ).皆さんはいかがお考えでしょうか.



2020年12月10日木曜日

オンラインは便利

 学生からのフィードバックに目を通していると,「オンライン講義はよい」という好意的な意見を目にする.もっとも,対面に戻してほしいという意見も多く,客観的にみると,どちらの意見もある,というところか.実際にどうあるべきかはまだまだ議論が続くところであろう.

さて,オンラインがよいという理由としては何度も繰り返して視聴できるとか,自分のペースで学習できるとか,通学の手間がかからないとか,いろいろと挙げられている.学生の意見を尊重することは大切だが,教員が,親身になって,自分が当事者だったらと考えることが大切だ.人間中心設計の考え方でもある.

我々も「会議がオンラインになって嬉しいな」という声をよく聞くし私もそう思うが,その理由は,実際のところ,何だろう?

こんな例があった

何度か報告しているように,オンラインで日本と海外の高校を結び,高校生に異文化交流をさせるプロジェクトを実施している.この日,朝から千葉と台湾を結んで交流するセッションが予定されていた.

私はオブザーバーというかコーディネータの立場で,毎回,参加している.終了後に会議室でのミーティングが予定されていたため,早起きして大学に行き,研究室から接続してモニタするつもりであった.

ところが,うっかりして少し寝坊してしまった.今から出勤していたのでは,どうも間に合いそうにない.そこで,モバイルで参加,ビデオオフで参加することを詫び,通勤しながら音声だけで参加するということで急場をしのいだ.何かあったらチャットで参加,という段取りである.

オンライン万歳!

(「寝坊するな」「きちんと生活管理せよ」というご叱責についてはもう私の不徳の致すところであり,ご批判は甘んじてお受けします)

2020年12月9日水曜日

英作文の自動採点システムが面白い

東京工業大学奥村研究室の English Level Checker というシステムを教えてもらった.これ,なかなかよく出来ていて,面白い.

テキストの CEFR-J レベルを自動判定するツールです.全部ではありませんが,テキスト中の文法事項も解析します.精度はまだテキストの長さ・種類などによって少し誤差があります.商用利用は問いあわせてください

とのことなので,商用利用したい方がいたら,個別に問合せていただきたい.

http://lr-www.pi.titech.ac.jp/gradesystem/

自分の英作文を入れてみたら,何度やってもC1止まり,まあ,ネイティブレベル(C2)はなかなか難しいということか.

ところでこのシステム,面白いんだけど,ちょっと長い文章入れると Internal Server Error になっちゃうのが惜しい.たぶん裏で動いているアプリの作り込みが少し甘くて,長かったり複雑だったりする英文を入れると,エラーを吐いてしまうんだろうな.デバッグして差し上げたいところだ.



2020年12月5日土曜日

Zoom最新版のちょっと気の利いた機能

久しぶりにオンライン講義用ツールのTipsを紹介する.Zoomの最新版(バージョン5.4.4で確認 ― ここで紹介される機能は5.4.3から導入された機能とのこと)では,複数の画面を共有できるようになった.これは,地味ながらそこそこ使い勝手が高い機能なのではないかと思われる.

使い方は簡単.これまでどおり,画面共有をする手順で,共有すべき画面を1つ選択した状態で,シフトキーを押しながら,同時に共有したい画面を選択するだけである(図).図の下のほうに「Shiftを長押しして複数のウィンドウを選択」と出ていることが分かるだろう.


このような操作で,複数のウィンドウを同時に共有することができる.これまで,複数のウィンドウをリモートに見せたいときは,画面全体,デスクトップを共有するしかなかったが,デスクトップの共有は「見せたくないものを見られてしまう」というリスクが大きい.とくに,通知は切っておく,などの自衛策が必要であった.しかし,この方法であれば,安心して複数のウィンドウを共有することができる.

共有された状況は,次のような感じである.これは,1人ミーティングで動画を録画することによって確認した.


重なっている部分は,ウィンドウのアクティブ / 非アクティブで切換えられる.これは,通常の操作と何ら違いはなく,違和感もない.なお,共有したいウィンドウは同じデスクトップに置いておかないと,複数共有は実現できないようなのでその点は注意が必要である.

また,残念ながらホワイトボードやiPhone画面との共有はできないようだ.共有画面の選択時に,それらがグレーアウトされていることに注意されたい.まあ,落書きを共有したいのであれば,Zoom備え付けのホワイトボードよりは他のツールを使ったほうがよい.私はMS OneNoteとペンタブの組合せの使い勝手を気に入っている.これに拘わるわけではないが,そのような方法をオススメする.

(ここから余談)ところで,どこかのバージョンアップから,様々な参加者が同時に画面共有を試みたときに,昔は強制的に画面共有を奪うような仕様だったように記憶しているが,今は,手動で選択するように変更された.2画面以上使っている場合は,それぞれの画面に映されるらしい.リッチな環境で使っている人にはよいが,小さなノートPCで使っているユーザだと,手間が増えてしまいやや使いづらくなってしまった感じもする(以上,余談おわり)

2020年12月3日木曜日

ゼミ生がCW研で発表

飯尾ゼミ2年生の藤山勇愛美さんが,2020年12月3日に三田のNECを主会場として対面・オンラインのハイブリッド形式で実施されたサイバーワールド研究会で,研究成果を発表した.

  • 藤山, 大塚, 吉本, 飯尾(2020)iTLにおけるオンライン大学祭開催に関する諸問題, 第46回サイバーワールド研究会, 東京 三田 & オンライン.

サイバーワールド研究会は,電子情報通信学会の研究会で,サイバーワールドに関する課題ならあらゆるテーマを対象にして研究発表や基調講演など情報交換と議論を行う研究会である.第46回研究会は,「コロナ禍でのロイヤルティとサイバーワールド,および一般」というテーマで開催した.藤山さんの発表は,オンライン化した大学祭を実施した経験に基づき,大学祭のオンライン化はどうあるべきかを検討した研究の報告である.


研究会自体も,NECにお借りした会場だけでなく,オンライン中継することで現地開催とオンライン開催のハイブリッド方式で運営された.これもニューノーマルなやり方だったといえよう.

2020年12月1日火曜日

オンライン化で人間関係も希薄化?

今日の午前中,久しぶりに多人数の来客があり,何枚も名刺交換をした.そういえば今年はCOVID-19の影響で名刺交換する機会がガクンと減ったなー,などと思いつつ,それでも,たまに交換した名刺が溜まっていたなあと,スケジュール帳アプリの画面を眺めながら,今年ご挨拶を交わした方々の名刺をDB代わりに使っているスプレッドシートに記入する作業を進めた.

スプレッドシートには,「日付,氏名,氏名(よみ),所属,肩書,イベント,備考」といった情報が並んでいる.日付の情報があるので,「月ごとに集計したら,名刺交換した状況を可視化できるのではないか?」と考えた.その結果が次のようなものだ.対象を「年・月」に指定して集計したデータをグラフ化したものが,次の図である.


スプレッドシートでの記録は2015年の2月から始めたので,2015年1月のデータは欠けている.それはともかくとしても,今年が異例とも思えるほどデータがない.すなわち,名刺交換をしていない,ということが浮き彫りになった.新しくリアルで会う人がほとんどいなかったのだから,当たり前だ.2020年3月からこのかた,ほとんどデータがない.9月と12月は,オンラインながら会場に足を運んでセミナーをしたときのそれと,今日のそれである.いずれにしても,全体としてはほぼ壊滅的ともいえる状況である.

「名刺交換の無さ,イコール,人間関係の希薄化」と短絡的に結びつけるわけもいかないだろうし,オンラインで新しい出会いが全く無かったわけでもない.何人かとは新しい出会いがあった.オンラインでお話しただけだが.しかしまあ,こうやって可視化してみると,今年はもう際立って変な年なんだなあということを改めて突きつけられた気がしてならない.