2021年8月30日月曜日

一発撮りでも工夫次第でいろいろできる

いつも講義動画はZoomの「ひとりミーティング」で実施しているが,今日は「途中で止めてレコーディングを再開」というワザを試してみた.

以下は,講義動画から3分ほどの当該部分を切り出したものである.注目していただきたいのは2分を過ぎたあたりから.2:30秒のところでタイムリープしている.意外と自然かな?

 

もうひとつ強調しておきたいのは0:40あたりからの解説.

「Please reload your profile (exec $SHELL -l) or open a new session.」てちゃんと書いてあるんだから読み飛ばさず画面の指示通りせえよ!っていうところ.本当に学生たちはこういうメッセージを読まない.英語だからって固まるなよと毎回毎回,口を酸っぱくして指導しているのだが……

2021年8月29日日曜日

TWtrends復活\(^o^)/

Cloud n のサービス終了に伴い2020年12月31日でサービスが中断していたTWtrendsですが,別のプラットフォームを準備できたので,復活させました.8ヶ月の間にいろいろとライブラリがアップデートされていたりとか,そっくりそのまま移行することができず,若干,苦労しましたが,なんとか復活です.

TWtrendsって何?という方もいらっしゃるかもしれません。TWtrendsとは,Twitterのトレンドを可視化するアプリです.たとえば,それぞれのトレンドトピックに関してこんなグラフが表示されます.

トレンドは20分おきに収集しています.http://twt.iiojun.com/ にアクセスすると,その日のトレンドトピック一覧が表示されます.それぞれのトピックをクリックすると,先ほどのグラフが現れます.

1日のトピックが揃った段階で,その日のトピックマップが表示されます.次の例は2019年1月26日のトピックマップです.全豪オープンで大坂なおみ選手が優勝した日ですね.

システムの詳細などは下記の参考文献をご覧ください.

参考文献

  1. Iio, J. (2019) TWtrends ― A Visualization System on Topic Maps Extracted from Twitter TrendsIADIS International Journal on WWW/Internet, 17(2), 104-118
  2. Iio, J. (2019) TWtrends: The Topic-Graph Extraction from Twitter TrendsThe 18th International Conference on WWW/Internet (ICWI 2019), pp. 69-77, Cagliari, Italy.

 

2021年8月25日水曜日

「オンライン化する大学」内容紹介(まえがきより抜粋)

本書は10の章に分かれている。厳密な時系列にはなっていないので、どの章から読み進めても構わないが、最初の章は新学期のドタバタぶりから紹介した。とにかく混乱した現場の様子を報告したつもりである。

続く2章と3章では、実際にどのようなオンライン講義が行われたのか、オンライン講義を実施して何が分かったのかについて、紹介する。オンラインのメリットのひとつに、学生の学修状況を教員がある程度は把握できることがある。2020年はそのデータを活用するところまで踏み込んで教育を提供できた先生方はそれほど多くはないのではないかと推測するが、今後、この特徴は大きく活用されていくべきポイントとなるだろう。

4章では、オンライン講義実施にあたって工夫をした点をいくつか解説した。オンライン教育に今後携わる先生方、あるいは、教員ではなくとも新入社員教育などなんらかのオンライン教育に携わることになる方々にとって、参考になる情報が記載されている。続く5章も同様の情報を提供しているが、今後、解決すべき課題という側面から論じた。それらを踏まえて、6章ではオンライン講義が対面講義の代替物になり得るか否かについて述べている。私は「完全な代替物にはなり得ない」という立場を取るが、それはなぜか、鍵と考えられる身体性の問題についても触れる。

7章は、少し話題を変えて、大学生活全般について考察する。大学とは学問を修めるだけの場ではない。多感な学生時代を過ごし、人間として大きく成長する場である。そのような観点から何が問題だったか、どうあるべきかについて、考えてみたい。

一方、8章は教員側の課題について触れる。多くの大学では、教員は研究と教育に携わることになっている。研究の状況がオンライン化でどのようになったか、問題はなかったのかについて、いくつかのトピックを紹介する。地球規模の移動が制限されているため、国際会議は大きな影響を受けた。その影響は、一部の教員にとってはメリットとして、そして別の一部の教員にとってはデメリットとして受け取られている。何故そのようなことが起きているかについても説明する。

オンライン講義に終始した2020年の前期ではあったが、後期には揺り戻しで対面授業が、一部、再開された。そのような状況でオンライン講義を振り返るとどうだったのか、あるいは対面で改めて試してみた新たな教育法はあったのか、そのようなトピックを9章で紹介する。なお、対面授業を再開したことによって、オンラインによる人間関係の希薄化が浮き彫りになったことも印象的であった。

最終章では、9章までの議論を踏まえて、今後、大学がどうなっていくのか、どうあるべきなのかを考えてみたい。少子化という時代の流れでただでさえ危機に瀕している大学業界が見舞われた突然の災厄ではあったが、あらためて将来の大学像を考えるよい機会になったのではないか。せめて前向きに考えることが、大学教員のとるべき真摯たる態度なのかもしれない。

樹村房のページへ

Amazonのページへ

2021年8月12日木曜日

Colaboratoryチョー便利だがこれはできない(追記あり)

Google Colaboratoryがチョー便利だという話をした.しかし,Colaboratoryでもできないことは多々ある.たとえばturtleパッケージを使ってタートルグラフィックスをさせるみたいなことは残念ながらできない.

我々がやりたかったことは,簡単なWebアプリを作ってみること.BottleというシンプルなWebアプリフレームワークを導入して,Hello World!のサンプルアプリを動作させるところまではOKである.なお,サンプルプログラムの8080ポートは既に使用中だと怒られてしまったので,8088に変えてある.

さて,ではどこへ接続すればいいのか……とみると,172.18.0.2って思いっきりプライベートアドレスやんけ!だめだー.これはだめだー(←錦鯉のまさのりさんふうに読んでね)

追記(flaskならできるよ)

などとボヤいていたら,flask-ngrokというパッケージを使うと,ColaboratoryでWebサーバ立ち上げると同時にproxyも動いて外からアクセスできるYo!という情報をいただいた.

というわけでやってみた.

おー,これはすごい.便利だ.

やり方は,次のとおり.

  1. !pip install flask-ngrok flask で必要なパッケージをインストールする
  2. flaskのプログラムを書き,実行する
  3. 「http://ほげほげ.ngrok.io」というエントリポイントが示されるので,そこにアクセスする

こんな感じで簡単にWebアプリを公開できる.いいねーいいねー

2021年8月10日火曜日

Colaboratoryチョー便利

夏休みの宿題として学生にデータ分析をさせようとしている.GoogleのColaboratoryがチョー便利で,今までほんと食わず嫌いで手を出してこなかったのが本当にもったいない.

途中までやって,あとは続きやってみそ?で,できちゃう.共有ファイルにipynbのファイルを置いておけば「あとはコピーして好きにやれ」で,できちゃう.楽チンすぎる.

Jupyter Notebookの環境構築に「ああだこうだ」とえらい時間がかかって結局最後までできなかった某合宿,あれはあれでまあ楽しかったが,これ使えば一発でデータと分析環境と分析処理の基本的なプログラムまで渡せちゃう.



2021年8月7日土曜日

「オンライン化する大学」(新刊書籍のご案内)

Facebookの「新型コロナのインパクトを受け,大学教員は何をすべきか,何をしたいかについて知恵と情報を共有するグループ」で情報交換するためにつらつらと書き連ねたブログ記事を,リライトして一冊の本にまとめました.

転んでもただでは起きない.2020年度に私自身が四苦八苦した日常を綴っています.大学関係者の皆さんだけでなく,一般の皆さんにも読んでいただきたいところです.

【目次】
1章 オンライン講義がやってきた
2章 オンライン講義の実際
3章 データは語る―オンライン講義でわかること
4章 オンライン講義実施の工夫
5章 課題もまだ多い
6章 オンラインは対面の代替たりえるか
7章 失われたリアルキャンパスライフ
8章 研究活動のオンライン化
9章 対面に戻ってみて
10章 今後の大学はどうなる?

出版社 ‏ : ‎ 樹村房 (2021/9/3)
発売日 ‏ : ‎ 2021/9/3
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 186ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4883673421
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4883673421

樹村房のページへ

Amazonのページへ

2021年8月4日水曜日

Jupyter Notebookをリモートから使う方法

アップデート版が公開されているので,最新情報はそちらを見てください(→アップデート版へのリンク

Jupyter Notebook(以下,Jupyter NB)は,本体がバックエンドで動いており,Webブラウザからアクセスして使う.ならばその本体に他のコンピュータからアクセスして使えるはずだ……ということで,そのやり方のメモ.

サーバ側の設定

とはいえ基本的にはローカル内で完結して利用することが前提となっているので,設定をいじる必要がある.

まずは,Anaconda Navigatorを起動する.左側のEnvironmentsタブをクリック.

中ほどにある「base (root)  ▶︎」に注目.


「Open Terminal」を選ぶ.すると,端末が立ち上がる.その端末で,次の手順を行う(「(base) $」の部分はプロンプトなので入力しないこと).

(base) $ jupyter-notebook --generate-config

これで,設定ファイルが作成される.

ホームディレクトリに.jupyter/jupyter_notebook_config.pyが作成されるはず.(Windowsのひとはログの出力をきちんと読んでそれに従ってください)

続いて,ipythonを立ち上げる.次の手順でパスワードを設定する(In [*]: はipythonのプロンプトなのでコピペしないこと).Enter password: と Verify password: では好きなパスワードを入力する.エコーバックされないのでパスワードを間違えないように入力すること.また,ここで表示される'sha1:……'は,入力したパスワードに対するハッシュ値なのでこの値を正確にどこかにコピーしておく(あるいは,この端末を開きっぱなしにしておくこと).ここで入力するパスワードは,リモートから接続する際に利用するので忘れないこと.

(base) $ ipython

Python 3.8.8 (default, Apr 13 2021, 12:59:45) 

Type 'copyright', 'credits' or 'license' for more information

IPython 7.22.0 -- An enhanced Interactive Python. Type '?' for help.


In [1]: from IPython.lib import passwd


In [2]: passwd()

Enter password: 

Verify password: 

Out[2]: 'sha1:******************** ... ***'


In [3]: 

.jupyter/jupyter_notebook_config.pyファイルの末尾に以下を追記する.

c.IPKernelApp.pylab = 'inline'

c.NotebookApp.ip = '0.0.0.0'

c.NotebookApp.open_browser = False

c.NotebookApp.port = 9999

c.NotebookApp.password = u'sha1:******************** ... ***'

ここで,最後の行は先ほどのハッシュ値をコピペする.以上で準備は終わり.

リモートからの接続

Anaconda Navigatorに戻り,Jupyter NBを起動する.サーバのログが出力されるターミナルが現れるが,open_brower = Falseが設定されているので,サーバを立ち上げたマシン側ではブラウザのJupyter NBは表示されない.

リモートからWebブラウザで接続する.ポート番号を9999に変更したので,http://マシン名:9999/としてアクセスすること.

パスワード画面が現れるので,先ほど設定したパスワードを入れてログインする.

フォルダを辿っていくと,ハンズオン用に用意したディレクトリにアクセスできる.