2021年4月20日火曜日

M1 Mac がやってきた(開封編)

いま使っているMBP13''Retina2018モデル,キーボードのチャタリングがもう我慢の限界にきて,さらにストレージもカッツカツになってきたのでとうとうApple SilliconのMBP13''を買ってしまった.メモリも16GB,SSDも1TBにして,どっちも今まで使ってたのの倍.それで値段は前回買ったときより安いと来たもんだ.技術の進化えらいゾ.

開封 & 電源オン

開封して,ぱかっと蓋を明けた途端に電源が入って「ジャーン」といつもの起動音が鳴ったところは少し感心した.こんな作りだったっけ?

さて,開封してからどんなことをしたのかメモしていきたい.まず,いろいろとセットアップした点については省略する.Apple IDの設定でちょっとまごついたとか,細かなところは略.まあ,このあたりは粛々と進めていけばよい.ターミナルの色を変えてみたりとか,そのあたりの細かいところも省略する.皆さん,好きにすればよいということですな.

あとは,徐々にデータの移行を行っていこう(移行だけに).古いMBP(mac4)からネットワーク経由で新しいMBP(mac5)にデータを移していく.基本的には「書類」フォルダの中だけ移せばいいはず.暇をみて,ぼちぼちと進めていこうとするか.

おっと,デフォルトのシェルが zsh になっちゃっているので,bash に戻しておこう.

iiojun@mac5 ~ % chsh -s /bin/bash

シェルを再起動する.これでよし.

Homebrewのインストール

それではソフトウェアのインストールをしていこう.まずは,Homebrew だな.

iiojun@mac5: iiojun$ xcode-select --install

まずはこれ.ほんで,次をやる.

iiojun@mac5: iiojun$ /bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"

M1 Macだと全て /opt/homebrew/ … というところにインストールされるらしい./opt って,Solaris を思い出すなあ.懐かしい.で,準備が終わったら次をやる.

iiojun@mac5: iiojun$ echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"' >> /Users/iiojun/.profile

iiojun@mac5: iiojun$ source ~/.profile

これでよし.

mac5:~ iiojun$ brew --version

Homebrew 3.1.2

Homebrew/homebrew-core (git revision e7b329f5ce; last commit 2021-04-20)

M1 Mac 用の Homebrew がインストールされた.よっしゃよっしゃ.

今日のところはここまで!



2021年4月18日日曜日

オンライン講義化は黒船だった?

2020年度は,やれ感染防止に十分注意しながら対面で講義しなさいだの,いやオンライン講義にはオンライン講義なりのメリットがあるんだだの,対面とオンライン,あるいはハイブリッドやらハイフレックスやら,いろいろと喧しい議論が続けられた1年だった.そのなかで,オンライン講義化がもたらした変化で確実に「オンライン講義をせよ」という号令が黒船だったといえる事実がある.それは,学習支援システム(LMS,Learning Management System)の活用が進んだ,利用率が遥かに向上した,ということだ.

振り返ってみればオンライン講義を一斉に始めた当初は,アクセス集中でLMSがダウンするといった混乱が生じていた.様々な経験を経て,LMSのシステム環境は増強され,快適に使えるようになっていった.教員になる前は民間企業でエンジニア(的な研究員)を勤めていたという経験から愚考すると,もともと,全教員が使うことは想定しないでシステムのキャパシティを設定していたのだろう.それは,不必要なリソースを用意せず,全体として最適化を進めるという観点からすれば,至極当然の行動であり,責められるべきではない.

LMSの活用状況

しかし,オンライン講義を行うとなれば別である.オンデマンド型は当然として,それ以外の形態のオンライン講義であっても,オンラインでやる以上はLMSを拠り所とすることが自然であり,ほとんどの教員がLMSを活用するようになった.

次の図は,広島大学の隅谷孝洋先生によるLMSの利用状況のグラフである(隅谷孝洋先生,図の引用をご許可くださりありがとうございます).

同大学で利用しているLMSのアクセス状況を,日次で集計したグラフである.薄いブルーで示されているものが2019年,グレーで示されているものが2020年,そして,薄い赤で示されているものが2021年,今年の状況である.

2019年,コロナ禍以前の状況では,LMSの活用が進んでいたとはいえない状況であったということがよくわかる.対して,昨年,授業開始の前後から,急激に利用が増えている.そして今年,完全に対面に戻ったというわけではなく,まだオンラインの講義はいくつもあるとのことだそうだが,いくつかは対面の講義に戻っているにも関わらず,利用状況が昨年とほぼ同じであるということがわかる.

黒船もときには必要か

そう考えてみると,コロナ禍によるオンライン講義の強制は,ことLMSの利活用という面に着目してみれば,黒船だったといえよう.黒船が来ないとなかなか新しい体制に移れないというコミュニティのあり方もいかがなものかとは思うものの,そこは世界各国共通で,人間の性なのかもしれない.いずれにしても,オンライン講義化で多くの教員がLMSを活用するようになり,教育の質が少しでも向上したのではないかと考えることも,ときには必要であろう.

自分自身を振り返ってみると,私はわりと旧来からLMSを活用していたほうではあると自負しているが,それでも使い方が変わり,いろいろと高度な機能を使いこなすことに挑戦した1年であった.さらには反転授業へのステップとしても利用している.逆境に立ち向かう努力が全体の状況を改善することもあるというよい例と捉えれば,少しは明るい気持ちにもなれようというものだ.

2021年4月15日木曜日

えー,Siri

日本語話者として50年育ってきてしまった私としては,"Hey, Siri!"とSiriさんに声を掛けるのがどうにも気恥ずかしくていけない.そこで,Siriよこっちの都合に合わせろとばかり,再教育を試みてみた.「ヘイ!Siri!」はちょいと恥ずかしいので,「えー,Siri」とか「へぇSiri」で呼び出すようにしてみたい.これならあまり抵抗がない.

「システム環境設定…」の「Siri」を開き,「"Siriに頼む"を有効にする」にチェックを入れる.すると確認ダイアログが現れるので,「有効にする」を選択する.

次に,「"Hey Siri"を聞き取る」にチェックを入れる.すると,次のようなダイアログが現れるので,ここからSiriを再教育するわけだ.

「続ける」をクリックしよう.以下,指示に従って進める.

ここで,「ヘイ!シリ!」とかっこよく言わないところがポイント.「へぇ,シリ」だの「えー,シリ」だの「へ,シリ」だの,自分が納得できるように言ってみよう.

これはダメだった

最初は「Siriさん」と優しく呼びかけてみたのだが,理解してくれなかった.Appleにはもっと日本の奥ゆかしい文化を学んでいただきたいものである.

2021年4月14日水曜日

IT業界,温故知新(4)

 Take IT Easy記事を振り返るシリーズ第4回.前回はこちらをどうぞ.

並列化するコンピュータ(1999年12月14日)

パソコンでも並列マシンが増えてきたよという話.振り返ってみると95年前後のRWC(Real World Computing)プロジェクトで並列コンピュータ関連の仕事にどっぷり浸かることができたのはいまから思えば幸いなことであった.当時は「えー?つくばですかー?」といやいや作業に出かけていたのだが.当時はTX(つくばエキスプレス)なんて素敵なものはなく,車で出かけてビジネスホテルに泊まり込みで月〜金の館詰め,集中作業をしていたのだ.

そんな想い出話はさておき,この記事に出てくる数値が可愛らしいのはご愛嬌.処理速度,1GHzの大台に乗るのも時間の問題って可愛いな.

いまこの記事を書いているちょっとしたノートPCにしても,CPU数こそ1個だが,コアは4つある.ソフトウェア的には物理的に4つのスレッドまでタイムスライスではない「本当の」並列同時実行が可能ということだ.

高性能サーバ機であれば32コアとか64コアとか,あるいはそれ以上,いわゆる「メニーコア」と呼ばれる機器が普通に使えるようになっている.それぞれの信頼性も高まっているのだろう.これまた昔話になってしまうが,そのRWCのプロジェクトでは,64ノードのインテル製並列コンピュータ「パラゴン」を使っていた.2のべき乗の単位でアプリに演算ノードを割り当てることができるのだが,たいがい1個2個壊れていて,32ノードは実行できても全部使う64ノードは調子がいいときしか実行できなかった,なんて笑い話,今となっては信じられないよねえ?

パソコン要不要論(2000年1月25日)

続いて,汎用的なパソコンなんて結局使いづらいから,専用機にしちゃえば?という予想.これは大ハズシ,といったところか.

まあしかし,「会社から支給されているパソコンてアプリのインストールもできないし,USBデバイスは接続できないように改造されちゃってるし,セキュリティの関係で会社のネットワークにしか繋げられないんですゥ」という可哀想な話はたまに耳にする.そんな不幸な状況を予測したわけではないが,ディストピア的に当たってしまっているともいえなくはないかな?はなはだ残念な解釈ではあるが.

機械と対話する〜マルチモーダルインタフェース〜(2000年4月11日)

ほぼ月イチで書いていた記事だったのが,ずいぶん日付が飛んでいる.何があった?と思い起こしてみれば,このあたりから執筆チームのメンバを増やして,大勢で書くようにしたんだっけ.当時の負担はだいぶ楽になったはず.

さて,今でこそ「人間と情報システムとのインタラクション研究」をゼミのテーマに掲げて研究を進めている飯尾だが,その下地はこのころに既に培われていたということが分かる記事である.それまでは画像処理や信号処理,あるいは,並列コンピュータ,ソフトウェア工学的な仕事をしていたが,本格的にユーザに目を向け始めたころ,転換期がちょうどこのころであったらしい.

今でこそiPhoneを手放さない私が「携帯情報端末を持たない私」なんて書いているのも,お茶目ではある.まあ,昨今,「オンライン講義だけじゃダメでやっぱりF2Fの対面コミュニケーションが『コミュニケーション論の観点からも』重要なんだ!」と吠えている信念は,20年かけて育ってきたんだなあとしみじみ思った次第.この数年後,別の仕事でコミュニケーション学をかなりマジメに勉強して,私個人としてはいよいよ社会科学の素養を深めていったのだが,それはまた別の話.

第5回に続く.



2021年4月12日月曜日

IT業界,温故知新(3)

Take IT Easy記事を振り返るシリーズの第3回.前回まではこちらをどうぞ.

配線を考えよう(1999年7月20日)

IT機器が増えてゴチャゴチャしてきたので無線での接続を導入してみては?というお話.

いやはや技術の進化を感じるなあ.いまや無線LANなんて当たり前.Wifiという言葉すらこの記事には出てきていないが,Wifiルータ,数千円から1万円前後で買い求めることができる.値段は1/10に下がった.ビバ技術革新!

いまや画面をプロジェクタに映すのすら無線で飛ばせる時代になっている.あとは電源ケーブルだが,さすがに電力は如何ともし難いか(マイクロ波で電力送信という技術はあるやに聞いているが,家でそれやったら大事故になりそう).

あなたのPC、使いにくくありませんか(1999年8月31日)

真にパーソナルなPC論をセキュリティとユーザビリティ(使いやすさ)の観点から論じている.この頃から,全く進化していないのがパスワード認証の問題だ.進化していないどころか,サービスの数が膨大に増えて,ますます混迷の度合いは高まっている.

パスワードマネージャ頼りにしていると,端末を変えたりブラウザのソフトを変えたりするときに困ったことになる.1年に1回だけ,でも毎年必ずアクセスするようなサービス(年会費関係など)もあり,はてさてパスワードはなんだったかいなと四苦八苦する経験は皆さんお持ちだろう.パスワードはクラウドに保管しておくのもなんだかなあというものだし,困った問題である.

SNSのサービスなどによるSSOが多少は救いとなっているが,それでも各サービスのアカウントを複数持っていたりすると混乱の元になる.個人的にはFIDOに期待しているが,なかなか普及が進まないなあ.

無敵のファイアウォール(1999年10月5日)

本記事については「昔の工作を振り返る」で論じたので割愛,そちらを参照してほしい.

超小型LinuxBoxを探せ(1999年11月9日)

これに関していえば,Raspberry Pi が(業界では)これほどまでに流行っている現状を,予言していたといっても過言ではないのではなかろうか.「Raspberry Pi ってのが流行って,お小遣い程度の金額で簡単に手に入るようになるよ」と,タイムマシーンに乗って20年前の自分に教えてあげたい気分だ.

μCLinuxなんていうオモチャを個人輸入で購入して遊んでいたこともあった.最近,ちょっとこのテのガジェットから離れているのはよくないな.まさに温故知新,時間をとって,遊んでみるようにしよう.

第4回に続く.

2021年4月11日日曜日

YouTubeに動画をアップして字幕をダウンロードする方法

YouTubeに動画をアップロードして字幕を取得する方法について解説します.なお,動画のファイルは手元に保存されているものとします.

動画のアップロード

まずは,動画ファイルをアップロードして登録する方法です.YouTubeのアカウントは用意してあるものとします.また,15分以上の長い動画は二段階認証の設定をしないとアップロードできないようになっているので注意してください.

まず,右上にあるビデオカメラっぽいマークに「+」が描かれたアイコンをクリックします.

出てくるプルダウンメニューから,「動画をアップロード」を選択します.

アップロードする動画ファイルを選びます.中央下の青いボタンを押してファイル選択ダイアログを出して選ぶもよし,動画ファイルのアイコンをドラッグ・アンド・ドロップして中央部分に放り込むもよし,お好きな方法でどうぞ.

タイトルを入力します.入力したら,下にスクロールダウンしていきましょう.

子供向けコンテンツか否かを問われるので,大人向けのほうにチェックし,右下の「次へ」をクリックします.

動画の要素についての設定です.とくに必要なければ「次へ」をクリックして先に進みましょう.

ここも「次へ」で飛ばして構いません.

公開設定は,とりあえず「限定公開」を選んでおきましょう.限定公開にしておけば,URLを知っている人であれば誰でもアクセスできてしまうものの,検索対象からは除外されるため,URLを知らない人がアクセスしてくることはありません.

選択したら,「次へ」をクリックします.

これで,動画をアップロードする作業はいったん終了です.「閉じる」をクリックしましょう.

アップロードしたコンテンツが追加されていることを確認します.

自動作成された字幕(文字起こし)の表示

次に,文字起こしの確認方法です.アップロードした動画は,しばらく放っておくと,自動で文字起こしが作成されます.1時間程度かかる場合もあるようです.気長に待ちましょう.

動画の再生画面,画像の右下にある「…」メニューをクリックし,「文字起こしを開く」を選択します.字幕(文字起こし)がまだ作成されていないときは,このメニューが出てきません.作業が終了すると,このメニューを選べるようになります.

文字起こしの画面が,動画の右側に開きます.動画の進行に合わせて,書き起こされた文字が選択されていくことを確かめましょう.

動画に字幕を表示させることもできます.動画の右下,歯車型のアイコン「⚙」をクリックし,ポップアップしたメニューから「字幕」を選びます.

この場合は英会話のコンテンツだったので,「英語(自動作成)」という項目が現れています.日本語のコンテンツであれば,日本語を選ぶことができるはずです.それをクリックします.

動画の進行に合わせて,字幕が出るようになりました.

字幕(文字起こし)データのダウンロード

最後は,自動で作成された文字起こしデータをダウンロードする方法です.

YouTube Studioの画面で,左側にある「字幕」メニューを選択します.その後,対象とする動画にある「v」という箇所をクリックします.

下に現れる「複製して編集」をクリックします.

ポップアップしたダイアログの「︙」をクリックします.

「字幕をダウンロード」メニューを選択すると,字幕のテキストデータがダウンロードされます.

2021年4月8日木曜日

IT業界,温故知新(2)

温故知新シリーズの2つめです.前回はこちら

機械が言葉を理解する日のために(1999年4月6日)

議事録を自動作成するためにはどのような技術が必要かを論じている.この時点ではまだあまりうまくできていなかったが,技術の進化はたいしたものだ.今ではだいぶ実用的なものがいろいろとできている.

人工知能を使った対話システムで音声認識と音声合成は当たり前になっているし,ディクテーションや文字起こし,動画の字幕作成なんかもだいぶ使えるものが提供されるようになっている.カクテルパーティ効果を処理できる認識系の実現まではまだ難しいのかもしれないが,会話を巡る日常の様々な情報処理がかなり効率化されたのは事実.あとは,人間側に,これらの技術を使いこなすリテラシーが求められるという段階まできた.素晴らしい.

情報社会の歩き方(1999年5月18日)

なんともまあざっくりしたタイトルというか,雑なタイトルだなあ.今ならこんなタイトルはぜったい付けない.若気の至りというところか.

それはさておき,インターネットの混迷は20年でさらに増した.毎日毎日,Twitterでクソみたいな情報が大量生産されている.これについては様々な論者がいろいろと主張してきているが,とりあえずクリフォード・ストール読んどけやと.1997年に既に指摘されていた話だ.名著なので,「ネットの情報は玉石混交でね」などとしたり顔で論じている論客でこの本に言及していない人はぜんぶ似非だと思っていい(この記事でも言及してないけど……).

回覧はHTMLで(1999年6月22日)

これもいまから振り返ると,稚拙な記事だなあ.学生のレポートみたいだ.

まあしかし,言っていることは間違ってはいない(はず).文書構造にもっと注目すべきだという主張は,今でも私の考え方のコアとなっている.誠実な研究者であれば必要な素養なのではないかとすら思う.

その一方で,WWWのマルチメディア化は甚だしい進化を遂げている.それを否定するつもりはない.HTML5の登場がエポックメイキングだったなあと考えるが,それはまた別のお話.そっちの方面への発展は,それはそれで素晴らしいことだろう(上記の記事とも関連し,玉石混交の「石」が氾濫している原因でもあるが,まあ,多数の石のなかから玉が出てくるのは確率社会学における統計科学原則論的にも真理なので,許容すべき事象のはずである).

3へ続く.


※ そんなものはない

2021年4月7日水曜日

IT業界・温故知新(1)

先日,MRIが提供していたTake IT Easyバックナンバーに触れた.思い起こせば1998年にメンバ5人で始めたこの連載,始めた当初は毎週更新していたので,かなりしんどかった.なにせひと月に1度は執筆担当が回ってくる.しかも,いま書いているこの勝手なブログと異なり,論文の査読に近い体制でクオリティを担保しようと,毎回,メンバ全員で閲読してから公開するという力の入れようだったので,工数的にはけっこうな負担を強いられていた.

しかし,その甲斐あってというか,Easyの記事経由でプロジェクトの引き合いが来たこともあったし(その後,受注してちゃんとした仕事になったかどうかは忘れた.たぶん,いくつかはあったはず),なにより自分たちの情報収集能力,業界の状況を分析する力,そしてアウトプットとしての作文能力などがずいぶん鍛えられた.Easy執筆メンバと,そうじゃない同僚も交えて,「ネットでこんな駄文を垂れ流すよりちゃんと学会誌に論文や解説記事を書くべきだ!」「いやこうやって少しでも手軽に発信していくべきだ!」といったけっこう激しめの議論をしたことも懐かしい.

その後,連載内容が本になったり,担当メンバが相当増えて負担がかなり減ったり,さらには業務多忙を言い訳にして毎週連載を隔週連載したりなどの変化があり,2013年,私は自身がMRIを退社したことから「微笑がえし」という記事を最後にして執筆陣から外れた.最近,更新が途切れてしまっている点が,若干,心配ではある.

記事の振り返り

全体では1,000件にも迫るろうかという多数のバックナンバーが揃っているなかで,調べたら,私は68本の記事を投稿していた.せっかくのいい機会なので,ざっと振り返ってみたい.

「ソフトウェアの健全な成長は何か」(1998年12月8日)

記念すべき「私の記事第1号」である.初期メンバー5人のなかでは私がいちばん若かったはずで,5番めの記事かなと思ったら意外にも2番めに登場していた.1998年12月1日に発表された比屋根一雄氏による最初の記事に続き,2つめの記事を私が書いていた.なお,余談だが,比屋根氏は,この企画の発案者であり編集長を担当,私自身多数の仕事を一緒にやり大きな信頼を寄せていた(今でも私のよき理解者であると信じている)長いこと直属の上司でもあった方である.

さて,この記事では,Javaを巡るサン・マイクロシステムズとマイクロソフトの争いについて,主として技術的な観点から評論している.そのサン・マイクロシステムズもオラクルに買収されてしまった.オラクルに買収されたころからJavaも坂道を転がり落ちていってしまったような印象を受けている.95年前後にアルファ版のころから「これは面白い言語が出てきたな」とばかりJavaに傾倒していた私も,サンがオラクルに買収されたあたりからさっぱり使わなくなってしまった.思想信条的なものというよりは,単純に使いにくくなってしまったなという理由だったと記憶している.

振り返ると,この記事ではひと言も触れていない展開ではあったが,いずれにせよ最近のJavaは「健全に成長してる?」という疑問符が付く印象を受ける.温故知新.南無阿弥陀仏.

バージョン番号の謎(1999年1月26日)

続いて2つめの記事.正月休みを挟んでいるせいか少し間が空いている.2つめは随分と軽い記事で,毒にも薬にもならない話をしているなあ.

この話題は,今でも通用しそうである.ポストペット,懐かしいですねw

モバイルツールは本当に必要か(1999年3月2日)

紙とペンからデジタルツールへ,身近な生活のデジタル化を論じている.なんだ,今でもDXとか言ってるじゃない.日本は20年間,何の進化もしていなかったのか?

しかし世界は確実に進化していた.注目すべきは最後の項目,「こんなモバイルツールが欲しい」という記述である.該当部分を引用する.

以下に,こんな条件を満たすモバイルツールがあればなあ,と期待する要件を挙げてみた.

    • スイッチを入れたら瞬時に使えること
    • 「紙と鉛筆」と同程度の手軽さで使えること
    • バッテリーの心配をしなくてもよいこと
    • 通信機能が電話並みに使いやすいこと
    • 手帳程度(あるいはそれ以下)の携帯性であること

どうだろうか.手元にあるiPhoneをじっと眺めてみる.

スイッチを入れたら瞬時に使えること……◎.これは実現されている.まあ,正確にいえばサスペンド状態からの復帰だけれど.サスペンドからすぐに復帰できて,しかもスリープとサスペンドを繰り返しても何ら問題ない,ということでこの要件は満たされた.

「紙と鉛筆」と同程度の手軽さで使えること……◎.これも二重丸をあげていいのではなかろうか.UIも随分と洗練され,モバイルツールとしてのUXは確立された.当時まだUXなんていう言葉はなかったけど.

バッテリーの心配をしなくてもよいこと……◯もしくはキビシメに判定すれば△,といったところか.ほぼ1日は持つようになっているので,さほど心配する必要はなくなったが,それでも毎日充電しないといけないのは辛い.ここはあまり進化していないかなという感想である.物理的(化学的)な制約条件はなかなか厳しい.

通信機能が電話並みに使いやすいこと……◎.これも合格.そもそも電話だし.無線通信の速度も十分に速くなったし,公衆Wifiなどのインフラもだいぶ整った.

手帳程度(あるいはそれ以下)の携帯性であること……◎.これも合格としてよいだろう.私はiPhone 7を未だに使っているが,世の中は揺り戻しで少し大きめのサイズに戻っている気もする.

こうやって振り返ってみると,バッテリーの問題以外はほぼクリア.記事は「愛用の手帳を捨ててまで使ってみたくなるような, そんな購買欲を刺激する製品の発売される日が,遠からず来ることを期待したい」と締めくくっているが,紙の手帳などおよそ10年も前に捨てているので,いつの間にか未来はやって来ていたというところである.

To be continued...

このシリーズ,書いてて面白くなってきたので,続けます.



2021年4月6日火曜日

昔の工作を振り返る

OLiVESだのDialogbookだの,相変わらずしょうもないアプリを作っては壊し作っては壊ししている毎日だけれど,ここのところ物理的なモノづくりしてないなーと.そういえば昔「ねっと切り替え君」なんて作って喜んでたな……と久しぶりに過去の記事にアクセスしてみたら,ちゃんとまだ公開していたので読むことができた.MRI偉いぞ?(もう20年以上も昔の話なんだなあ,と変なところに感心)

ねっと切り替え君とはなんぞや.詳しくはリンク先の記事を参照していただくとして,パラレルポートからリレーをコントロールして,有線ネットワークの接続を物理的に切り替えてしまえという乱暴なデバイスである.


 写真は記事から引用.左下に三端子レギュレータと電解コンデンサ,右下はパラレルポートに接続する信号線を受けるバッファ.7407,だったかな(詳しい人,教えてください…… 74LS245では?と教えていただきました.そんな型番だったような気もします).三端子レギュレータの上にはリレーをドライブするためのトランジスタ(2SC1815だったと思う)があり,その上はNEC製のリレー.秋葉原の秋月だかでテキトーに見繕って買ってきたような覚えがある.

まあ,良くも悪くも牧歌的な時代でしたなあ.久しぶりにまた電気工作したくなってきた.

2021年4月3日土曜日

オンライン異文化交流の状況分析にYouTubeを使ってみた

COVID-19でオンライン講義化を余儀なくされたことは様々な不都合を我々にもたらしたが,一方で,オンライン交流が一般的になったことでオンラインミーティングツールを利用した異文化交流のしきいがとても下がったという有り難さを感じている.以前から計画して進めていた我々の「にこP」には追い風になったのは,不幸中の幸いというか,瓢箪から駒というか,なんとも評し難いところもある(関連記事:「にこP」ログの可視化「にこP」順調に進行中「にこP」スタート!

さて,生徒同士の交流の様子を分析すべく,YouTubeの自動字幕作成,文字起こし機能が使えるかどうかを試してみた.高校生の拙い英語でも大丈夫かな?と心配したが,いざ,試してみたら,次の画面のように,そこそこ使える文字起こしの結果が得られた(以下のgaucho cityはKaoshun cityの誤り).


ただし,そのままでは使いにくい.どのような対話分析をするかにもよるが,やはり人の手を加える必要はあることがわかった.

YouTube文字起こしだけでは不十分な点は以下のとおりである.

  • たまに間違える.やはりnativeではない発音の認識は厳しいのかもしれない.日本人高校生の発音で,LとRの区別ができないケースがみられた("I want to be a pilot"「パイロットになりたい」 が "I want to be a parrot"「パロット(オウム)になりたい」になってしまう,など).
  • 複数人の発言が混ざってしまう.発話した人間を特定したいときは,手動による整理が必要.また,「字幕」という性質のせいか,文単位ではなくショット単位で切り分けられてしまうので,「文」という概念が薄い.
  • たまに交じる日本語や中国語(日本と台湾の対話だったので)に対応できない.英語だけでなく日本語や中国語を理解できる人がきちんとチェックする必要がある.

それでも,作業のベースに使うには十分なクオリティではあった.まあ,文字起こしをプロに頼んだとしても,最近は,作業のとっかかりとしてこのテのツールを使っているんでしょうね.