飯尾淳は、1994年に社会人としてのキャリアをスタートして以来、ソフトウェア、情報技術、データ、AI、そしてそれらを取り巻く人や社会の問題に関わってきた。
その歩みは、技術の進歩そのものと重なっている。LinuxやC言語、画像処理、オープンソースソフトウェアから始まり、プロジェクトマネジメント、Webアプリケーション、統計、AIへと関心を広げてきた。一方で、技術そのものだけを対象としてきたわけではない。技術を人がどのように使うのか、技術によって人や組織の活動がどう変わるのかという視点を一貫して持ち続けている。
2000年に刊行した『Linuxによる画像処理プログラミング』を皮切りに、これまでに12冊の著書・編著書を刊行している。2004年にはオープンソースソフトウェア、2009年・2012年にはプロジェクトマネジメント、2011年にはC言語とLinux、2019年には情報を集め伝えるための技術、2021年にはWebアプリケーション開発と統計学を扱うなど、その時々の技術環境と社会的な要請に応じてテーマを変化させてきた。
なかでも『オンライン化する大学』は、それまでの著書とは趣を異にする。これはCOVID-19によって大学教育のオンライン化が急速に求められたことを背景として、実際の教育実践とその経験をまとめたものである。ここには、技術を研究・解説するだけでなく、社会から突然突きつけられた課題に対して、自ら技術を使い、実践し、そこで得た知見を次の人に伝えるという飯尾の姿勢が表れている。
その後も、サイバーフィジカルシステム、PythonによるAI開発へと領域を広げ、2026年には『アプリケーション開発の基礎』を刊行した。
こうした著書を年代順に眺めると、単に専門分野を移り変わってきたのではなく、「技術を理解し、実際に使い、人に伝え、社会の中で活用する」という一貫した姿勢が見えてくる。
LinuxからAIへ。C言語からPythonへ。デスクトップ環境からWebへ。そして、ソフトウェアそのものから、それを使う人や教育、社会へ。
1994年から現在までのキャリアは、情報技術の変化を追いかける歴史であると同時に、技術と人との関係を考え続けてきた歴史でもある。
Technology changes. The question is how people use it.
飯尾淳の現在の活動は、HCI(Human-Computer Interaction)を軸に、ソフトウェア開発、AI、データ活用、教育、そして人の行動を対象としている。技術を作ることと、技術を使うこと。その両方を往復しながら、これからも「技術と人のあいだ」にある課題を探究していく。

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