2020年7月6日月曜日

オンライン講義の実施で得たもの

前期のオンライン講義もそろそろゴールが見えてきた.いくつかの科目では非同期型で提供している教材用オンライン講義動画の収録が完了した(記事末尾の図参照).

オンライン講義実施でよかったこと

なんにせよオンライン講義用に収録した動画が財産になったことが大きい.これまで,やれ反転授業だのアクティブラーニングだのいろいろ言われていたが,予習用の動画を撮るというところがネックになっていた.そもそも対面で話すやり方とカメラに向かって喋るのでは話者の心構えからして違うし,私の講義スタイルは教室での講義は学生の間をウロウロと歩きながら一体感を醸成しつつ議論を進めるタイプだったので,「教室で話しをしているのをそのまま動画に撮ったって,見にくいだけだろうがよ」と二の足を踏んでいた.

しかし,今回,このような状況になったために「カメラに向かって全講義を収録しなければならない」という事態に直面した.嫌でも講義スタイルを変えねばならない.転んでも只では起きないぞとばかり,今回の収録は,今回の非同期型オンライン講義のみならず,アクティブラーニング用の予習素材作成を兼ねることにした.

毎回の講義動画収録は,なかなかたいへんではあった.初回,2回めくらいは,1コマの収録に半日かかってしまった.細かな編集作業なしにしてそれである.しかし,だんだん慣れてきて,最後のほうでは,実際の講義時間プラスアルファ程度の時間で収録からLMSへのアップロードまで,できるようになった.やればできるもんだな.そして,今,やりきった後に残った動画が大きな財産になったのではと,少し喜ばしく感じている自分がいる.

今後どうしようかな

というわけで,かねてより懸案であったアクティブラーニングへの足がかりが(はからずも)できてしまった.もとより演習科目などではアクティブラーニングっぽいことをしてきてはいるが,通常の講義科目での反転授業の経験はまだない.

今回得られた一連の動画を無駄にしたくはないので,来年からまた試行錯誤を積み重ねていくことになるだろう.ひとつ確実に言えることは,出張や傷病で休講,ということが無くなったかな?とりあえず「留守でも動画みておいてね」でよく,補講も今までよりやりやすくなったはず.

いずれにしても,ひとつ楽しみなのは,いつも学生の授業評価アンケートで「予習・復習しましたか?」という項目の点数だけ極端に悪いところが,今回は改善しているのではないかということ,そして,この講義動画を今後活用していけば,その点も補強できるのではないかということが期待できるということだ.大学の講義のあり方も,新しい様式になっていくんだろうね.


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