2021年4月28日水曜日

Zoomの没入型ビューはオンライン講義の救世主となるか?

Zoomのバージョン5.6.3から,Immersive View(没入型ビュー)という機能が提供されるようになった.ちょっと違和感があるんじゃないの?(Zoomの新機能は「圧迫面接」?)と,最初に聞いた時点では感じたものだが,百聞は一見にしかず,実際にやってみたら,「これはひょっとしてオンライン講義のひとつのあり方としては便利な形かも……と考えるようになった.

実際に「ぼっち会議」を開催して,試してみた画面を次に示す.

空いている青い椅子で表されている席のところに参加学生のリアルタイム胸像が描かれるらしい.教室をそのままサイバー空間に再現したようにみえないだろうか.VR系のアプリや空間を意識させたオンラインチャットなど,似たようなアイデアのサービスはこれまでもあったが,私にはどれもイマイチで,これじゃない感があった.その点では,今回の没入型ビューは,(最後に述べる問題点を除くと)工夫が凝らされていて極めて自然な表現のようにみえる(まあ,実際に学生たちの像が出てくるとまた違和感も感じるのかもしれないが).

やり方

ところで,この没入型ビュー,ただZoomをアップデートしただけでは利用できない(注:契約形態によってはアップデートしただけでもOKとのことらしい.アップデートして「没入型ビュー」がメニューに出てこない方は,次の設定をお試しください).まず,利用できるようにするための設定を説明する.

まずは,アプリを最新版にアップデートしておこう.そうでないと話にならない.

やらねばならない作業は,WebインタフェースでZoomにログインして,設定を調整することである.設定項目から「Immersive View」を探して,オンにする.これをしないと没入型ビューを試してみることができない.

この設定をしてからアプリを起動し,自らが会議をホストすると,表示メニューに「没入型ビュー」が追加される.


このメニューを選ぶと,背景イメージを選ぶときと同様に,どのシーンに没入するかを選ぶことができる.シーンによって,対応する人数も異なる設定になっている.最大で25人ということなので,大人数講義には向かない.それでも,大きな一歩ではなかろうか.


残された課題

この機能があれば,学生が寝ながら聞いているんじゃないかという心配をする必要はないし,学生からしても部屋が散らかっているのを写してほしくないというプライバシー配慮にも対応できている.学生の反応を見ながら喋れるという話者側のニーズも満たすことができそうだ.

今までのギャラリービューで,バーチャル背景機能をうまく使うことでも,同等のニーズを満たすことはできた.しかし,それを要求するよい「言い訳」がなかった.今回のこの機能を使って教室を再現したいというリクエストは,うまい説明になるだろう.

ところで,冒頭の教室風没入シーンを見ていただきたい(再掲する).ひとつだけ,どうしても納得がいかない点が,少なくとも私の心のわだかまりとしては残っている.

それは,講師(教員,話者)「自体」が!こちらを向いてしまっているということだ.これはどう考えても変だろう?

もちろん,自分の姿がどう配信されているかモニタリングする必要があることは,これまでの経験でいやというほど分かっている.自分の姿は,画面共有しているときみたいに隅っこのほうにワイプで抜くとか,そんな方法のほうが,かえって自然なんじゃなかろうかと考えるが,いかがだろうか.

0 件のコメント:

コメントを投稿