2020年4月12日日曜日

オンライン講義のよいところ

先日,オンライン講義をやってみて,学生の顔が見えないので慣れるまでやりにくそうという感想を述べた.しかし,ぼやいているだけでは仕方がない.声だけの顔の見えないオンライン講義のよいところはないだろうか.

対面講義より学生の正直な声を聞ける?

初回ということもあって,ひとりひとり,順番に「意気込み」を聞いてみた.ネットの向こう側にいる安心感からか,あるいは「大勢の前で話す緊張感」を感じないせいか,私に語りかけるように素直に意見を表明してくれた学生が多かったような印象を得た.

こちらがわの不慣れな点もあり,順番がうまくいかないこともあったが,何人かが自発的に,チャットで,こうしたらどうですか?という提案をしてくれた.キーボード,タイピングへの習熟度の差が多少は影響するだろうが,挙手して提案よりは,学生側も発言への抵抗感が低いのかもしれない.

工夫すればインタラクティブにできそう

別の先生から,対面の授業より質問が増えた,という報告もあった.対面の講義において,「インタラクティブにやりたいのでいつでも遮って質問してくれて構わない」といつも初回に説明しているのだが,なかなかそのようにインタラクティブな授業になることがない(社会人相手の講演と学生相手の講義の大きな違い!).学生に聞いてみると,「質問で遮ることで講義を止めてしまうのが申し訳ない」という気持ちと,「こんな簡単な質問をするのは恥ずかしい」という思いがあるので,躊躇するようだ.まあ,後者については学生の大きな勘違いであることも多く,意外と芯を突いた質問や疑問でハッとさせられることもある.

オンライン講義だと,この点で改善を見込めるのではないかという期待がある.授業中の発言に関して,チャットで(こっそり)質問する,という行為が,学生側の抵抗感を大きく下げているように見受けられる.また,教室のなかで悪目立ちすることがない,という安心感も,学生側からの発言機会を増やす原動力となりそうではある.

教員側の負担は多いが…… 工夫すればなんとかなるか

ただし,先日やってみて分かったのは,問題は「チャット画面を監視しているわけにもいかない」という点で,チャットで質問があってもそのタイミングがわかりにくいということだった(※ Zoomの場合.他のツールだとまた違うでしょうね).

幸にしてTAを付けてもらえる講義のため,TAには,チャットの監視と,質問があったときの「発言による割り込み」などをお願いするとよいかもしれない.いずれにしても,対面の講義と違っていろいろな制約が多いので,オンライン講義ならではのよいところを少しでも探していければというところである.


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