2021年6月9日水曜日

brewシステムのセレンディピティ

新しいMacにHomebrewでソフトウェアをインストールしていたら,へんなモノを見つけてしまった.その名も touch-bar-pong.

いわゆるピンポンゲーム,ビデオゲームの草分けとも言われるPongを,MacBook Proのタッチバーで操作するというゲームらしい.調べてみたら,タッチバー付きMBPが出てきた時点ですぐに作られていた模様.

brew install してみようとしたが,できなかった.そもそも,Deleted Casks にラインナップされちゃっているしな.まあ,アーカイブをさらって試してみるようなものでもなし,へぇ〜と思っただけでヨシとしておくか.

2021年6月8日火曜日

HCD研究発表会に登壇するとこんないいことがあるよ

6月5日に開催された2021年度春季HCD研究発表会では,研究活動活性化施策の第1弾として,審査員によるコメントを発表者にフィードバックする仕掛けを考えた.名付けて「審査員によるコメントを発表者にフィードバックしちゃうよ大作戦!」である.

発表の審査をデジタル化して半自動で瞬時に優秀賞を決められるようになったという件については既報の「オンライン研究会で感じたCSCW感」を参照していただきたい.今回は,どんなコメントをもらえるかという点にフォーカスする.

というわけで,今回,事後に発表者の皆様に送ったメールが,コレだ!

私も発表者のひとりだったので,私に届いたメール,つまり,私の発表に対するコメントを記したメールである.私から私にメールが送られるというシュールな状況になっているのはご容赦いただきたい.評価者の承諾を得ていないので実際のコメント部分はモザイクを入れているが,それでも丁寧なコメントが送られているということはお分かりだろう.

今回は私が手作業でメールを送ったが,さすがに20人分の処理を手でやるのは面倒だったので,現在,システム化することを検討中.いずれにしても,これだけ反響をもらえる研究発表会もなかなかないと思われるので,皆さん,ぜひHCD研究発表会にご登壇ください.

えー,でも論文なんて書けないし……という皆様には,メンタリングなども検討中です.気軽にご相談ください.よろしくッ!

2021年6月7日月曜日

オンライン研究会にはこれが足りない

名実ともに実施の責任者になってからは初めての開催だった2021年度春季HCD研究発表会(オンライン)も,つつがなく無事に終了したのでほっと胸を撫で下ろしている.数日前のリハーサルでは事務局とコミュニケーションミスがありリハーサル参加者にかなりの迷惑をかけてしまった.とにかく平謝りのメールを送りまくったことを考えると,本番を段取りよく実施できたのは本当に有難い話である.いやはやリハーサル大事.「もうみんな慣れてるからリハーサルなんてやらんでもええんちゃう?」とか言っててゴメン.

しかし,何かが物足りないのである.もちろん,対面で大勢の前で発表するヒリヒリした緊張感とか(HCD研究発表会はお陰様で毎回100名以上の方々にご参加いただいている),そういうものが失われているのは,折り込み済み.しかし,何かが物足りないのだ.と,自分が座長をしていたセッションを閉じようとして,ハタと気づいた.

「……では,ご発表くださった皆様と,ディスカッションに加わってくださったフロア,じゃなかった,ネットの向こう側にいらっしゃる皆様,チャットでなんだかんだと書き込んでくださった皆様に,拍手をもってこのセッションを終了といたしましょう」

通常は,座長のこのセリフで休憩に突入とあいなるが,画面上に拍手のマークがちらほら,たまにチャットに「88888」(ぱちぱちぱち,だそうだ.これもネットスラングなのか?)と書かれるだけで,静まり返ったネットの空間,足りなかったものは,これなのか?

というわけで,用意してみた,というか,ネットに転がっていたフリー素材の動画である.皆さんこれをお使いください.画面共有する際には左下の「音声を共有」を忘れずに.applause! applause!

2021年6月5日土曜日

オンライン研究会で感じたCSCW感

CSCW……これは,Computer Supported Collaborative Workの略で,直訳すればコンピュータが支援する協調作業,つまり,コンピュータを利用して皆でわいわいなんか生産的なことをしようや(超訳)という概念のことである.

ものの本によればCSCWが提唱されたのは1984年だそうで,ドッグイヤー,いや,マウスイヤーとも言われるIT業界においては,もはやずいぶん昔からある概念といってよい.しかし,翻ってみれば,COVID-19パンデミックで余儀なくされているオンライン講義なんて,まさにCSCWの最たるものではなかろうか(と思ったら,CSCWから派生したCSCL……Computer Support  for Collaborative Learningという概念もあるらしい).

CSCWをしみじみ感じた出来事

そんなCSCWだが,先日開催された2021年度春季HCD研究発表会で,うーん,まさにこれはCSCWなんだよなぁとしみじみ感じてしまったので,このしみじみ感を皆様にもお伝えしたい.

HCD研究発表会では,オンライン化した昨年春の回から,拙作の,OLiVES(On-Line Virtual Event Support System)(飯尾, 2021)というイベントオーガナイザーを活用(飯尾, 辛島, 2020)している.このシステムには,評価者権限を持つアカウントでログインして操作すると,各発表に点数を付けたりコメントを送ったりできるような仕組みが用意されている.これを導入したことにより,次のような利点が得られた.

  • 発表の評価がリアルタイムで記録・集計されるので,最後の発表者の発表が終わった直後に,優秀発表賞を決めることができるようになった
  • 評価票に手書きで書き込まれたコメントを転記する作業が省略された(というか,実はそれまであまり活用されていなかった評価コメントを活用できるようになった)
  • コメントを発表者にフィードバックできるようになったので,発表者も,質疑応答だけでなくたくさんのコメントを得ることができるようになり,発表すると嬉しい効果が得られるようになった
  • 評価者も手軽にコメントできるようになったため,以前に増してコメントをしてもらえるようになった

即時に発表賞を決められるようになったため,最後の発表が終わってから閉会式までの間に,評価票を集計する時間を稼ぐために用意していた「特別講和」なる謎のセッションを省くことができるようになったし(まあ,それはそれで面白いものではあったが),評価コメントを気軽に書けるようになったことで,発表者にとっても発表する意義が深くなった.これもすごく良いことなのではないだろうか.

身近になったものだと実感

これらの成果は後日またどこかで発表する予定ではあるが,いずれにしても,オンライン研究会ということは参加者は日本全国に散らばっているわけで……実際,分かっている範囲で,北は札幌から,西は福岡からの参加があった……,昔は夢物語のようなものだった地球規模のCSCWが,実に身近な存在になったものだとしみじみした次第である.

参考文献

  • 飯尾淳, (2021) オンライン・バーチャルイベント支援システムの開発と運用, 国際情報学研究, No. 1, pp. 1-20
  • 飯尾淳, 辛島光彦 (2020) オンライン研究会のあり方について, 人間中心設計推進機構 2020年冬季HCD研究発表会, pp. 49-52

Zoomアプリの設定にご注意

手元のMacを新しくした件についてはこれまでにいくつか報じたとおりだが,今日は新しくしたMacに新しくインストールしたZoomでちょっとしたトラブルが生じたので記録しておきたい.

そのトラブルとは,画面共有ができない!というものだ.オンラインで開催される週末の研究会を目前にして,学生の発表練習に付き合ってあげようとZoomのミーティングをホストした.このZoomは,Macを新しくしてから始めて自分でミーティングをホストしたものである.

さて,学生に「じゃあ画面共有して」と伝えたところ「できません」という.ああ,共有の許可設定を出していなかったかな?と思い設定しようにも,そもそも画面共有の許可を出すメニューが出てこない.

はてさて,どうしたものか?とググってみたら「セキュリティ」というアイコンから許可の設定ができるとあったものの,その「セキュリティ」なるアイコンがない!

いつもどうしてたっけ?と思い出してみると,共有ボタンの脇に三角のポッチがあって,そこから設定できたはず.でもそのポッチも出てこない(図)

はてさて,これは困ったぞ?とあれこれしてみるものの,どうにもならず.そこへ,発表練習のXくんから「先生,ひょっとしてMacのシステム設定じゃないですか?」とのサジェスチョンが.

これがビンゴであった.


すかさず,システム環境設定を開く.確かめてみると,「セキュリティとプライバシー」の「アクセシビリティ」設定で,Zoomに許可が出ていなかった.はたして,ここのチェックを入れて再起動すると,無事,設定項目が出るようになった.

意外と,ググってもなかなか出てこない情報のようなので,気をつけられたい.とりあえずは備忘録ということで.

2021年6月3日木曜日

オンライン講義に忍び寄る新たな刺客

以前,テレワークにネコが乱入してくる問題をどうする?と論じたことがあった.ネコはなかなかひと様のいうことを聞いてくれないが,今回は,いうことを聞いてくれなくてテレワークに支障が出るのはネコだけでもないというお話.

先日,Open Source Conference 2021 Online Nagoya というオンラインイベントにおいて,「Webアプリケーション開発はじめの一歩」というタイトルで初心者向けのセミナーを担当した.オンラインイベントであり名古屋まで足を運ばずとも自宅から配信できるという点はお手軽ではあったのだが,そこでやはりちょっとしたトラブルが発生した.


昼寝はよいが鼾は遠慮していただきたい

ZoomとYouTube によるオンライン配信ということで,多くの方々に視聴していただいたようだったが,リアルタイム参加できなかった方々のために録画が現在YouTubeのOSCチャンネルで公開されている.そこに,ばっちりと記録が残ってしまっていた!(まあ,編集して削除してもらってもよかったのだが,スタッフもお忙しいことだし,これもまた一興かとそのまま公開することにした).

問題のシーンは5分45秒あたりからである.都会のネズミである私とその家族は,狭い我が家で皆が額を付き合わせて暮らしている.そのため,オンライン講義を実施する際も場所の確保が問題で,苦肉の策ながら,寝室の片隅に簡易的なスタジオを急拵えでしつらえてオンライン配信している.同様の悩みを持つ先生方も多いようで,ウォーク・イン・クローゼットの中くらいしか場所がなく「ウォーク・イン・クローゼットならぬ,ワーク・イン・クローゼットだ」などという笑えない冗談を聞いた.これから暑くなるから大変だろうなあと,他人事ながら心配だ.

冗談はさておき,今回のオンライン・セミナーは土曜日の午後,というわけで高校生の息子も自宅でウロウロしていた.配信中は寝室に入ってくるなよ!と事前に釘をさしておいたにもかかわらず,配信前に寝室に入ってきた息子,日々の部活で疲れていたのだろう,昼寝をしはじめた.

おとなしく寝ているなら(どうせ画角に入らないし)いいか,と放置していたところ,配信を始めて5分ほど過ぎたところで,大イビキをかき始めた.さすがに音はマズい.ネコ以外にもいろいろな落とし穴があるもんだなあ,と思った次第である.

2021年5月27日木曜日

再帰法とメモ化アルゴリズム

再帰を用いたフィボナッチ数列の計算と,メモ化による処理の最適化についての説明です.デモンストレーション付き.

フィボナッチ数列とは,f(n) = f(n-1) + f(n-2),  f(0) = 1,  f(1) = 1 で定義される数列です.その値を再帰的関数として定義します.ただし,単純な再帰的定義だと,同じ計算を何度も行うことになり,非効率です.そこで,メモ化という処理を加えます.デモンストレーションで,その効果を体験することができるでしょう.



新刊書籍の紹介(Webアプリケーション開発の教科書)

2021年4月に技術評論社から出版した「最短距離でしっかり身に付く! Webアプリケーション開発の教科書 ~Ruby on Railsで作る本格Webアプリ~」は,Webアプリ開発のイロハを紹介する書籍です.

著者の自分が言うのもなんですが,この本の一番の面白さは,実際に手を動かしながら本を読み進めていくと,それなりのアプリをきちんと作り上げることができるところです.しかも,当時院生だった中村絵理子さんがきちんとデバッグしてくれて,記述のおかしなところ,間違っているところ,不足しているところなど,全て潰してくださったので,ほぼ迷うことなく最後まで演習を進めていくことができるようになっています.

2021年5月29日に,Open Source Conference 2021 Nagoya (Online) のオンラインイベントで入門セミナーを実施します.無料ですので,Webアプリ開発に興味のある皆さんは,ぜひ受講して,面白いなと思ったら,本書を読んでさらに学習を深めていただければ幸です.

【目次】

第1章 開発環境の導入

1.1 Webアプリの構造
1.2 開発フレームワークとは?
1.3 Ruby on Railsと開発ツール
1.4 Rails 環境の導入
1.5 第1章のまとめ

第2章 匿名電子掲示板を作ってみよう

2.1 Railsを学ぶ前に
2.2 Railsの第一歩
2.3 シンプルな電子掲示板
2.4 第2章のまとめ

第3章 簡易SNSを作ってみよう(基本編)

3.1 作成するシステムの概要
3.2 ユーザ管理の導入
3.3 ユーザ管理のカスタマイズ
3.4 マイページ機能
3.5 投稿機能
3.6 第3章のまとめ

第4章 簡易SNSを作ってみよう(発展編)

4.1 体裁(見た目)の修正
4.2 新着投稿への対応
4.3 便利な機能の追加
4.4 Herokuへ配備
4.5 第4章のまとめ

第5章 オンラインイベント支援システムを作ってみよう(基本編)

5.1 複雑なモデル
5.2 トラックやセッションの管理
5.3 ユーザ管理とマイページ
5.4  「参加登録」機能
5.5 第5章のまとめ

第6章 オンラインイベント支援システムを作ってみよう(発展編)

6.1 レコメンデーション機能
6.2 管理者機能の追加(前半):イベントとデイの管理
6.3 管理者機能の追加(後半):トラックとセッションの管理
6.4 第6章のまとめ 

2021年5月22日土曜日

オンライン授業は成績の格差を助長する?

だいぶ前に「オンライン講義 vs 対面講義」と題して海外の記事がそれぞれのメリットとデメリットを指摘しているという記事を紹介した.この記事の指摘はしごくもっともだと思うし,今でもオンライン講義はオンライン講義の良さがあり,対面講義には対面講義の良さがあり,どちらに寄せるという議論には意味がないと考えているが,最近,どうにも気になることが出てきた.それは,オンライン講義は成績の下のほうの学生を救いにくいのではないか?という,教育としてはある意味で致命的ですらある懸念である.

具体的には,本人に学習意欲があるのに,理解が及ばず,それが積み重なって落ちこぼれてしまうというケースである.

対面の講義では,残念ながらあまり理解できていないけれども学習意欲は強く持っているというタイプの学生が,講義終了後に居残って,ほぼ毎回,質問に来るという状況がしばしば見られた.他方,今期,オンラインの講義(科目は1年生の数学)が半分近くまで進んだところで,やる気はあるもののどうにも理解が難しくなってきているという学生の悲鳴が目立つようになった.

提出された課題には「全て」フィードバックコメントを返しているので,そのような学生の「どうしたらよいでしょう?」という叫びが痛い.できる範囲でオンラインで詳しく説明を返しているものの,常々,私が指摘しているように,コミュニケーションのバンド幅という意味で,限界がある.

最後は「どうしても分からなかったら,いつでも質問に来なさい」と手を差し伸べている.実際,一昨年までは,研究室にちょいちょい学生が質問に来ていたし,昨年も完全オンラインだった前期はともかくとして,対面が再開した後期は何度か実際に学生が質問に来た.幸にして今は対面講義もまだ一部実施しているので,そのタイミングを合わせて質問に来てもらうぶんには,こちらは全く構わない.

仲のよい学生同士で相談しながら課題に対応している様子も伺うことができる.これも,一部,対面を実施して大学に登校させているからならではであろう.もちろん,完全オンラインだったとして,どこか別の場所に集まってということもあり得るが,頻度と可能性の観点から,やはりキャンパスで集まることの意義は大きい.

一方で,「先生に連絡をとりたくても取れない」という学生の悩みも耳にする(これはあくまで世間一般のケースとお断りしておく).そんな状況ではどうしようもなく,やる気がある学生であってもポロポロと脱落してしまいかねない.勉強のやり方を熟知していて,自分で自律的に学習することができ,自分のペースで学ぶことができる優秀な学生にとって,オンライン学習はやりやすいのかもしれない.しかし,はたしてそれでよいのか?という懸念を払拭することは今の私にはできない.