2021年6月28日月曜日

オンライン作文指導の可能性

長引くパンデミック対策も,だいぶ慣れてきたというか疲れてきたというか(どっちだよ!)もうどうしたもんかなという印象ではあるが,オンラインでもいろいろと工夫すれば学習効果を高めることはできるということが分かってきた.いま我々は,英作文の学習指導に関して,オンラインで効果がどれだけあったか,また,より効果的な指導方法は何かを確認する研究を進めている.

まだ分析中なのではっきりした結論を示すことはできないが,意義深い結果が見えてきているので,その一部を紹介したい.

次の図を見ていただきたい.これは,我々が開発して運用しているDialogbookというコミュニケーションツールを用いて実施した英語によるコミュニケーションの変化をみたものである.

具体的には,初回から3回分(A)と,最後までの3回分(B)のやりとりを対象として,データを分析したものだ.1回あたりのやり取りに含まれる語彙数(異なり単語数)を,1文あたりに正規化して比較したものである.1回・1学生を単位として,ヒストグラムを作成した.

青がA,緑がBである.見て明らかだとは思うが,メッセージのやりとりに含まれる語彙数が増えていることがわかるだろう.統計的に差があるかどうかを検定したところ,1%水準で有意差が示された.オンライン指導でもそれなりに学習効果はあったといえる.

現在,課題の提出状況とDialogbookによるコミュニケーションの比較など,本件に関しては多角的な考察を進めている.その結果は論文としてまとめて発表する予定である.

0 件のコメント:

コメントを投稿