2021年6月10日木曜日

名前って大事

皆さんは「STEAM教育」という言葉をご存知だろうか?

STEAMとは,Science(科学),Technology(技術),Engineering(工学),Arts(教養),Mathematics(数学)といった学問を統合的に学習すべし,という概念のことである.もともとは「STEM教育」と呼んでおり,科学,技術,工学,数学を体系的に学ぶことが必要だという教育のあり方に関する提案であった.流行りのAIやデータサイエンス教育も,STEM教育と深い関連がある.ところが,その応用を考えたときに,一般教養,リベラルアーツも必要ではないかと,誰が言ったかは知らないがそんなことを言い出す人たちが現れた(Wikipediaには名前がいくつか挙げられているが,引用しない :-P

STEAMという名前ってどうよ

さて,STEAM教育の是非をここでは論じたいのではない."STEAM教育"の是非を論じたい.すなわち,STEAMというその名前付けのことだ.

STEM教育,これはイイ.たいへん良い.STEM(幹)をしっかりと育てる教育,語感が素晴らしい.これ考えたひと,センスあるわー.

一方のSTEAM教育,これは,うーん…….STEAM(蒸気)なんて語感が悪すぎる.いろいろと教えた知識が,全部,湯気となってどこかに行ってしまいそうじゃない.Artsを入れたらそうなったということだが,本当にArtsを入れようとした人がこの言葉考えたの?とセンスを疑う.まったくArtisticじゃない.

WikipediaにあるSTEAM教育の項目によれば,TEAMS教育という名前も提案されていたとか.STEAMよりは,まだ,はるかにそちらのほうがいい.ただし,今だとどっかのソフトウェアを想像してしまうので,TEAMSもちょっとどうかな.

というわけで,私のイチ推しは,MATES教育.みんなで仲良く科学技術と教養を学びましょう!これが良いんだけどなー.

無理矢理省略形はアカンか?

さて,名前に纏わるもうひとつの話題を紹介する.

STEMやSTEAM(MATES)は頭文字を集めた省略形,これを単語として読めばAcronymになるしアルファベットで読めばInitialismということになる.今回,新たなシステムを作ったので,それに名前を付けることにした.名前付けの常套手段は,長い名前をまず考えて,それを略語にする方法である.

略語の話題から少し逸れるが,創作物に名前を付けるということはとても重要なことだ.名付けることで愛着が湧き,大切に扱うようになる.他人に紹介するときもしやすくなる.なんでもよいので名付けることをお勧めしたい.私もこれまで数多くの(くだらない)名前を付けてきた.

というわけで,今回の作品は,質疑応答機能付きイベントプログラム支援システムである.なんのことはない,一般的なイベントオーガナイザーに,掲示板機能を付けてみた,というものだが,作って実際に使ってみるとこれが意外と有効に機能するということが分かったため,学会で発表することにした.

さて,名前である.Event Program Organizer with a QUEstion-answering system ということで,むりやり EPOQUE という名前にしてみた.エポック,フランス語で時(とき)を表す言葉である.なかなか洒落てて良いのでは?と考えたのだが.

書いた論文を英文校閲に出したら「こんな無理くり造語はあかん!」と直された.EPOQAS(Event Program Organizer with a Question Answering System)にしろと赤ペン入れられたのだ.むーん…… エポカス……

このやるせない気持ちをどこにぶつけようか.



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