2020年10月26日月曜日

1-2-4-allメソッドをやってみた

 日本人はシャイな性格なのか,教室で議論をするような演習科目であってもなかなか質問をしないという問題がある.これはオンラインでも似たような傾向を観測することができ,「個別の対応だと質問をするけれど掲示板に書き込むのは躊躇するという行動がみられる」と報告したところ同じような状況は他でもあるとのコメントをいただいた.

そのスレで「質問やコメントを促す1-2-4-allというメソッドがあるよ」と教えていただき,さっそく,1年生の基礎演習でやってみた.もっとも,現場に合わせて少し手順を変更し,実際にやったのは「1-3-all」メソッドである.いまちょうど輪読という形でグループ発表させているところだったので,あるグループの発表が終わったところで,そのメソッドを実施してみた.

ステップ1:「最初に1分間で,自分の質問なり意見なりをまとめよう」と指示.ただし,これは,「発表中に分からないところやオヤ?と思うところ,共感したところなんかがあったら必ずメモをするように」と既に指示してあるので,そのメモをきちんと文章にするだけである.それでも「頭んなかで考えるだけじゃだめだかんね?文章にしないと人に伝えられないからね?」と,強調した.文章化するところに意味がある.

ステップ2:その次は,3人ひと組のグループで「次に,グループで何を質問するか(コメントするか),考えてください.5分間あげます」と指示.3人ひと組になっている理由は,教室の密を避けるためにちょうど1島3人の配分になっていたからである.ただし早々と意見がまとまってしまったグループが現れたため,意見がまとまったところから次のステップに移ってよし,とした.ここは,改善の余地が残るところかもしれない.

ステップ3:そして最後のステップとして,responの匿名アンケート機能を使い,グループごとに匿名の質問やコメントを投稿することとした.これはグループごとなので記名式の掲示板を使い代表者が投稿するようにしてもよかったが,自由な意見の提出を見込んで匿名アンケート機能を使ってみた.匿名で提出された意見は,スクリーンに映し出された私のPC画面に次々と表示されるので,質問者・回答者・他のグループの全てに関して,その場で共有される.

全ての意見・質問が出揃う間,発表者のグループには「回答を考えること」と指示し,その他の参加者にも,「提出してしまったからといってボーッとしていないで,他のグループが投稿した質問の答えを,自分たちでも考えてみよう」と水を向けたところ,教室のあちこちで議論が起こっていたのでこれはなかなかよい反応だと感じた.

最後に,出揃った質問をテーマにして教室内でディスカッション.まあ,発表者が回答を提示して不足なところを教員が補い,さらには教室内からの意見を求めるというような感じで,意外とイイゾ?という印象である.もっとも,匿名ベースにしておきながら「このコメントの意味がわからないので補足してください」と発表者からリクエストがあり,(匿名の意味ないじゃーん)と笑いが起きたなどというアクシデントもあったが.

見様見真似でやってみたが,なかなかいい感じだった.もう少し改善の余地はありそうだが,当面はこの方式でやってみることにしようかな.

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