国際会議に参加するためにリスボンに来ている.久しぶりの対面での国際会議……と思ったがそういえば昨年の夏に広島で大きな国際会議に参加していた.学会参加での海外出張は久しぶり,というところである.
リスボンといえば狭い路地を走り回る路面電車が有名だが,地下鉄も赤・青・緑・黄色とそれぞれ色で表された路線が4本走っている.
地下鉄のカード
空港も市内にあり,空港からはRed Lineでダウンタウンに移動できるので便利である.空港にはRed Lineの始発駅があるので迷わない.リスボンに来たのは初めてだが,券売機でリチャージャブルの交通系ICカード,日本でいうところのSuicaのようなカードを購入した.このカードで地下鉄とバス,トラム(路面電車)に乗れる.1回1.65ユーロ,地下鉄は改札で,バスとトラムは車内の機械にタッチするだけで乗れてたいへん便利だ.
ところで,このカード,デポジットが0.5ユーロとずいぶん安いので驚いたが,実際に手にしてみると,さもありなん.紙製のぺらっぺらなカードである.すぐにヨレヨレになってしまいそうだ.
紙製なので,ライトに透かしてみると,その構造がよくわかる.カードいっぱいにアンテナが張りめぐされており,一部にICの回路らしきものもみえる.すなわち,改札でカードをかざすと電磁誘導で電流が流れ,非接触型の通信を実現できる.RFIDのしくみそのものである.
開かずの扉事件
さて,このカードにとりあえず10ユーロほどチャージして,地下鉄でホテルまで移動した.驚いたのは,我々が乗り込んだ車両の扉が,どこからか開かなくなってしまったことだ.どうも車両故障らしい.その扉だけが開かずの扉になってしまった.
降りようとしている人,乗り込もうとしている人,いずれも小走りに左右の扉に駆けていく.車内はそこそこ混んでいたので降りるほうはいささか大変そうではあったが,誰も驚くそぶりをみせておらず,「どうも困ったネ」というように首をすくめる程度だったのが印象的である.
日本であれば,車両故障で「点検します……」と,止まってしまうのではないか.ともすると接続している他の路線まで影響が出そうなものである.
しかし,おそらくこの程度の故障は日常茶飯事なのだろう.誰も気にしていない様子であった.国民性の違いといえばそれだけの話なのだが,日本みたいにきっちりやればよいというものでもないだろうというおおらかさというか,これでも社会は回っていくんだなということは,律儀な日本人も学ぶところはあるだろうなと感じた出来事であった.
ポーランドへ以前行った時、走行中の列車で火災がありました。
返信削除みんな他の車両へ逃げたので、避難先の車両はギュウギュウ詰めになるわけですが、僕は何とかなるだろうと、逆に避難元の車両へ行き、悠々と座っていました。
そのうち、途中駅で停車し、お客の乗降があってまた走り出すのですが、列車火災があったことを知らない客は、その車両にも乗ってくるわけで、そのうち、全車両が均等に混みました。
火災が起きても停まらず、何事もなかったかのように走り続けるコイツ(←列車)すげーなと感動したものでしたw
さすがJohnny先生ェ……
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