2022年2月27日日曜日

シンポジウム,ハイブリッド開催の経験から

(この内容は「ハイブリッド会議の最適解(続・ハイブリッド開催の経験から)」でアップデートされています.そちらをご参照ください)

2022年2月26日,中央大学iTLにて「にこP実践報告シンポジウム」が開催された.COVID-19の感染状況が芳しくないため,対面(オンサイト)とオンラインの併用での実施であった.参加者は40名ほどで,そのうち会場に来場したオンサイト参加者は1/4の10名程度であった.

ハウリング対策(オンサイトが主のケース)

オンサイトとオンラインの併用はいろいろと気を遣うことが多い.とくに問題となるのが教室で集まってオンライン会議システムに皆がログインすると,ハウリングが生じやすいという点である.

オンサイトが主で,オンラインが従である場合はほぼ問題はない.発表者だけに配信用のPCを用意,あるいは,発表用と配信用のPCを限定的に用意して,プロジェクタには配信用のオンライン会議画面を投影すればよい.基本的に発表用PCのマイクだけONにしておき,スピーカーとその他のPCのマイクは全てOFF(ミュート)にしておけば,ハウリングは生じない.

なお,この方法のよいところは,HDMIケーブルを抜き差ししてとか,外部ディスプレイ設定がうまくできないとか,そのテのトラブルが生じない点である.さらに,今回使った教室ではPCの画面を無線で飛ばしてプロジェクタで投影する機能が備えられているのだが,投影するPCを配信用PCに限定しておくことで,「全てのPCでその機能の恩恵を受けられる」という利点も享受できる.ネットワークに繋がりさえすれば,参加者が持ち込んだPCの資料を簡単にプロジェクタへ投影できるというメリットがある(マイクはミュートとしておく).

ハウリング対策(オンラインが主のケース)

問題は,オンラインが主のケースである.ネットワークの向こう側から発信される資料を共有する点は問題ない.配信用PCの画面をプロジェクタに投影しておけばよいという点は先に述べたケースと同様である.

ここで問題となるのがオンラインから配信された音声をどうするか.工夫しないとすぐにハウリングが発生してしまう.簡単な解決策は,全員デバイスを用意して全員がイヤホンで聴くという方法である.これであればハウリングは発生しない.音声だけ聴こえればよいので,スマートフォンでオンライン会議に参加してもらうという点が妥当なところだろう.

もう一つの方法は,配信用PCの音声だけ,会場のマイクで拾って教室に流すという手である.この方法だとハウリングを起こさずに教室内に音声を流すことができる.ただし,教室側で誰かが話しているときにスピーカーがONになっていると発話のタイムラグが生じて話者が話しにくくなるので,オンライン側が発生しているときだけスピーカーをONにするなどの工夫が必要となり,オンラインと教室でインタラクティブな議論が生じると,操作者はけっこう忙しい.オンライン側からはチャットで質問をもらうなどの工夫が必要となるだろう.

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