2018年のICWI(International Conference on WWW and Internet)に参加したときの想い出話である.
学会の楽しみといえばエクスカーションに参加して土地のことを学ぶ社会勉強もそのひとつ.修学旅行みたいなものかな.まあ,研究者の人的ネットワークを構築するために,こういう交流も重要ということでご容赦いただきたい.今回は,ローカルのお姉さんによる案内で,ブダペスト市内の主要なポイントを見て回りつつ,中世から現代に至るハンガリーの歴史について学んだ.
自由広場のモニュメント
で,この写真なんだけど,これは自由広場という歴史的な場所にあるこれまた象徴的なモニュメントである.逆光気味で少し分かりづらいが,下のエンジェルが手にしているのはハンガリーの平和を象徴しており,いまにも手からこぼれそう,さらに上のイーグルはドイツを表しているとのこと.すなわち,WWII以前のハンガリーはずっとドイツの脅威に晒されていたということを表しているわけね.
モニュメントの下には,各地から持ち込まれた写真や手紙のコピー,カバンなど遺物が並べられている.右下に掲示されている文言をみればおわかりだろう.わたくしのたいへん浅い歴史観では「ひめゆりの塔みたいなもんかな」くらいにしか感じなかったが,まあ,多くを語るのはやめておこう.
この広場の反対側には,その後ソビエトの影響が強くなった時代のモニュメントがあり,さらに,広場から国会議事堂に続く道の途中には Ronald Reagan の銅像(なぜ彼が?と聞いたら,ゴルビーとの対話に尽力したからなんだとか)やその後の革命で有名になった人(もうこの辺になるとだいぶお腹いっぱいになっていて名前は上の空で聞いていた)の銅像があったりと,さりげなく平和を象徴する道になっていて,まあ,地元の人にいろいろと聞きながら歴史を学びつつ社会勉強するという意味ではいい体験をした.
感想など
で,思ったこと.
- 案内してくれた彼女,たいへんわかりやすい英語で丁寧に歴史の説明をしてくれた.自分だったら日本の歴史をあれだけわかりやすく外国人のゲストに説明できるかなあ…「もう少し,専門外のこともいろいろ勉強せんといかんな」と反省.
- 一連のモニュメント,さすがに「地球の歩き方」みたいな日本語ガイドブックには載っていないようで,こういうことを学ぶための情報源ってなかなか難しいよね.人的ネットワークがいかに重要か,あらためて気がついた次第.
- 昨年は日本人研究者をほとんど見なかったこの学会だったが,今年はなぜか日本人の参加者が,発表件数でいうと1/4も居るらしい.日本のプレゼンスを示すのはたいへんよいことではあるけれど,エクスカーションに参加していた日本人が少なかったのはなぜだろう?もったいないなあ.上記の社会勉強なんかだけじゃなく,こういうところで人的ネットワークが拡がるのに…(ディナーではUAEの先生といろいろ情報交換.酒席の与太話とはいえ,共同研究?みたいな話まで発展した,とかね)
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