2020年11月18日水曜日

異文化交流の楽しさ

「日本語が通じない高校生と話そうプロジェクト」については本欄でも何回か紹介してきた.今朝も,日本(Chiba)と台湾(Takao)を結んだセッションが行われた.プロジェクトも終盤に近づいてきたかなといったところだが,最後まで丁寧に対応して,まずはパイロットプロジェクトとして成功裏に終わらせたい.

ノウハウの積み重ねによる「よい経験」の提供

今回は機器や回線のトラブルがほとんど発生せず,生徒たちからのフィードバックにはgreat fun!という感想が溢れていた.まさに我々も「したり!」と手を打ったところである.

生徒たちの話している様子に聞き耳を立てていると,やはり,アニメの話題は強い.とくに最近では鬼滅の刃であろうか.私はそのあたり疎いのだが,What character in Kimetsu no Yaiba do you like? などという話題で盛り上がっていたのを見ると,微笑ましくなる.

台湾側の様子を見ていたら,台湾の学校の生徒が胸に名札を付けていた(写真).このプロジェクト用に,特別に作ってくれたものらしい.このようなちょっとした工夫がコミュニケーションを円滑にする.Hello, how are you? What's your name? といった挨拶から始まる会話を補強するちょっとした工夫だが,こういった細かなノウハウの積み重ねが成功の秘訣だなあと感じた.

なぜ異文化交流が必要なのか?

自画自賛ではあるが,今回のプロジェクトに参加した高校生たちは恵まれているといえよう.なるべくお金をかけずに,こんな経験をできる機会なんて,そうないのだから.まあ,できるだけ低額でこういった体験を年齢の低いうちから体験できるように,全国・全世界に向けて普及させていこうという我々の試みが間違っていないという感触を得ただけでも,今回のパイロットプロジェクトはほぼ成功したのではないかと考えている(なので,来年度以降に本プロジェクトに参加を希望する高校があれば,ぜひ,ご連絡くださいね!)

生徒たちが楽しそうに交流を深めているところをみていると,自分の世界が少しでも拡がっているという感触を得ている様子がよくわかる.これは日本の高校生に閉じた話ではなく,台湾側の様子を見ていても同様である.おそらく,台湾でなくとも,他の国でも同様の反応を示すことだろう(それを,今後,きちんと検証していく予定である).

社会がグローバル化していることに反論の余地はない.COVID-19で制限が加えられたとはいえ,それも一過性のものであろう(と,これは楽観的希望ではあるが……).英語を用いて他の国や地域の人と会話をする,それを英会話教育という狭隘な枠組みで捉えるのはもったいない.異文化に直に触れること,異文化から自分たちがどう見られるかを直接感じ,想像すること,そういった楽しさを知ることが,最も大切な意識なのだ.


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