昨日から広島に来ている.IFIP WCCE 2022: World Conference on Computers in Education という国際会議に参加するためである.本会議,いまどきということでオンライン・オンサイトのハイブリッド開催ではあるが,久しぶりに会場に来て参加する国際会議ということで少しワクワクしているようなしていないような.
まずは Opening ceremony に参加,ということでメインのホールに落ち着いた.会場準備など広島大学のローカルスタッフを中心にご尽力くださっているようで,まずは,スタッフの皆さんによる丁寧な準備に感謝というところ.なので,この記事は準備状況に文句を付けようというわけではなく,配線問題について人間中心設計の立場からすると「どうするのが最適解なのか」を考える一つの思考実験として捉えていただければ幸いである.
問題の顕在化
会場に落ち着いて,ふと気になったのが,電源をどこからとるべきか,という問題である.スタッフの木目細かな配慮であろうか,ACのアウトレットがホールに用意された全ての席に用意されていた(写真).このデジタル時代,素晴らしい気配りである.
ところで,いざ電源を取ろうとすると,どうしても机の下に潜り込まねばならない.隣に座っているW先生は,ずいぶん苦労して電源プラグを差していた.
翻って,ふと席の後ろを見てみよう.各席に用意されているので,当然ながらそこにもACのアウトレットは用意されている.椅子に座ったままでも,スッと手を伸ばしてそこから電源を取ればスマートにプラグを差し込むことができるではないか.
最前列の席を見てみると,やはり机の下にACのアウトレットがある.ということは,お作法としては,あるいは,準備したスタッフの想定としては,やはり机の下から取るべし,ということなのだろう.周りを見回してみると,W先生同様,前のアウトレットから電源を取っている参加者が圧倒的に多い.
私は天邪鬼なので「後ろから取ればスムースに電源とれるじゃん」とばかり後ろのアウトレットを使ってしまったが,後ろに座っている人からすると迷惑に思われるかもしれない.まあ,とりあえずいま後ろに人は座っていないし,後ろに人が来て,怒られたら考えよう.
さて正解は?
分かりやすいように,机の真下ではなくもう少し椅子よりに配線すればよかったか?しかしそうすると,いかに養生してあるとはいえ,椅子や足でコードを引っ掛けてしまうリスクが高くなる.より分かりやすく使いやすく,かつ,安全で安心な配線は,どういうものだったろうか.
あるいは,私の態度は独善的でワガママだろうか.しかし,使う人の立場でサービス設計せよという人間中心設計を推進するものとしては,こんなささやかなことであっても,気になった以上は主張しておきたいのである.
冒頭で述べたように,この意見は,丁寧に準備してくださったスタッフに文句を付けようというものではない.毛頭ない.重ねて感謝申し上げる次第である.そのうえで,皆さんには,こんなところにも「利用状況の想定」をしっかり考えることの意義を見出せる,ということを知っていただきたいのだ.
後ろから取ると、人が通る時に足を引っ掛けるリクスが大きくなる。前のコンセント位置を机の下に持ってくると配線(または机の設置)が困難になる。よって、机の直前に設置して、机の前からケーブルを垂らす感じにするのが最適解だと僕は思います。
返信削除でもあの机の配置だとほぼ人が通ることはないので「人が通る時に足を引っ掛けるクリス」は考えんでもよいのではないでしょうか
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