オンライン授業ばかりで学生が可哀想だとか,いや実はそうでもないとか,そのときの風向きに合わせてマスメディアは相変わらずテキトーな記事を書き散らかしてくれよるなあという話はさておき,オンライン授業化で本当に可哀想なのは真面目な教員なのではないか?と考えるようになった.
私自身がそうだと主張するつもりはなく,私はできるだけ効率的にやろうとしているけれども,それでもなかなか大変なので,真面目にしっかりと地道な方法で対応しようとしている先生方が本当にお気の毒と感じてしまう.
オンライン授業で学生たちが気軽に質問できるようになった,という点はとてもよいことである.その質問が,どこに向くか?ということをきちんと考えてみたことはおありだろうか.
オンライン化で気軽に質問できるようになった一方で,オンライン講義化で学生間のコミュニケーションが分断されているという指摘もある.さて,この状況を総合すると,どのような結論が導かれるだろうか.簡単な推論である.学生たちの気軽な質問が,教員に集中するようになるわけである.気軽に質問することは推奨されこそすれ悪いことではないが,教員側のリソースが潤沢でなければ,スケールしないという問題が顕在化する.
飛び交う質問と非効率なやりとり
本学で使用しているLMSでは,教員に直接質問できるチャネルと,皆がアクセスできる掲示板がある.同じような質問と回答が繰り返されるのは非効率なので,できるだけ「掲示板で質問すべし.さらには,答えられる質問には学生同士で解決をはかるべし」と,掲示板利用にやんわりと誘導しているが,それでもさまざまな理由で,直接のチャネルを利用したがる学生が多い.
毎日,なにがしかの質問に答えているというような状況である.対面での授業であれば,授業時間内,あるいは,終わった後に質問に来るなどで対応できるので,教員の負担もさしたることはなかろう.それが,毎日の負担となると,これはいささか「何らかの処置をすべきでは」ということになる.しかも,オンラインの気軽さからか,24時間365日,おかまいなしで,さらに,不規則な生活をしている学生も多いので夜中のへんな時間に質問が投稿されることも多い.
もちろん,へんな時間に投稿される質問にすぐさま回答する必要はないし,好きな時間に答えればよいのだが,質問が投稿されてから長時間,ほったらかしにしておくのも気がひける.かくして,毎日,LMSを覗いては,質問に回答する,という精神的によろしくない生活が続く.平日,休日を問わない.毎日である.
四六時中監視しているわけにはいかないので,適当なタイミングでのやり取りとなるが,数時間ごとのやりとりとなり,非効率極まりない.幸にして使っているLMSではこのやりとりで通知が発生しないので,このようなのんびりとしたやりとりになっているが,それこそメールやらSMSやらで毎度毎度通知が飛び交うようになったとしたら,気の休まる時間がなくなってしまうだろう.
皆様ご自愛ください
そんなわけで私自身は「これ以上負荷が高まったら,ちょっと難しいな」という状況でぎりぎり踏みとどまっているが,私以上にご苦労されている先生方は多いことだろう.質問してくる学生は向学心に燃えている?ようにみえるので,「そんなんテキトーにあしらっていればいい」という気にはならない(その点は,私も真面目なのかも!).
落とし所はどのへんにあるのだろうかという試行錯誤は,まだまだ続きそうである.皆様も無理のない範囲でご活躍ください.m(_ _)m
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