2026年1月11日日曜日

マーケットは楽しい(お気楽クルンテープ通信 No. 30)

今日は日曜日,年が明けてからこのかたというもの学生の卒論チェックや論文執筆などが続いて気分が鬱々としてきていたので,気晴らしにと,近所まで散策に出かけた.BTSに乗り,プロンポンから4駅,東に向かう.トンロー,エカマイ,プラカノン,次のオンヌット駅で下車した.目指すはオンヌット市場,駅から数分歩いたところ,駅に対してほぼ真北の位置にある.

国内外を問わず,市場は面白い.人々の生活,台所に直結しており,そこでの生活が目に浮かぶ.海外に行き,現地でデパートやスーパーマーケットに行くと,生鮮食品売り場を必ず覗くようにしている.色とりどりの野菜や見たこともない魚たちが目を奪う.精肉も場所によっては思いがけない部位が売られていたりして驚く.

バルセロナを訪れたときにふらっと立ち寄った,目抜き通りからひと区画だけ奥に入ったところにあるブケリア市場がとても印象に残っている.カラフルなお菓子や生ハムやチーズなどいかにもな食材が,ああ,スペインだなあと感慨深かった.

ベトナムのハノイでは,宿泊したホテルの真横に細長い市場があった.そこで食用犬が丸焼きで売られていたときはけっこうな衝撃を受けた.もっとも,すでにこんがりと焼き上がっていたので可哀想という気持ちにはならなかった.数年前に再び彼の地を訪れたときに再訪してみたが,再開発で市場が丸ごと無くなっていて残念だった.

先日,猿の街ロッブリーに行ったときも,テーサバーン市場の周辺はたいへん楽しかった.写真はその市場周辺の露店で売られていた豚の顔.もちろん観賞用ではなく食べるためのものである.日本でも,沖縄では「チラガー(面の皮)」として普通に食べられている.写真の豚さんたちだが,どの豚も笑っているように見えてなんともいえぬ悲哀を感じる.いやまあ,それは余計なお世話か.

オンヌット市場も東南アジアでよくあるタイプのローカルマーケットで,屋根だけが設られているような施設に小さな商店がブースを構えて何列も連なっているというタイプの市場だが,規模はさほど大きくなく,比較的こぢんまりしていた.

ところで,いまふと思い出したのだが,このような作りの市場施設,昔は日本にもあった.私が子供のころ,長野市の東和田という地区に青空市場というマーケットがあった.日曜日に車に乗って家族で買い出しに行き,そこでお好み焼きを買ってもらって食べるのが子供ながらにとても楽しみだった.

もはや半世紀ほど前の昔話である.いまどうなっているかなと調べてみたら,モダンなショッピングセンターに生まれ変わっていた.昔ながらのマーケット,地方では観光客を呼び寄せて生き残っているものもある.函館の中島廉売とか,そんな感じよね.

さて,話をオンヌット市場に戻そう.市場にはなんでもある.野菜,果物,お菓子,衣類や宝飾品まで並べられていた.もっとも,そこで売られているアクセサリーは極めて安価で,貴金属はまず使われてなさそうな,チープな代物が並ぶ.

鮮魚売り場の隣に,海老を販売している店があった.商品の9割ほどが海老で,脇にイカや貝類が(お邪魔します……)とばかり遠慮がちに陳列されている.遠くから見るとどの海老もほとんど同じに見える.しかし,近くに寄ってみると頭が大きいものがあったり,太かったり細かったり,微妙に趣が異なる.どうやら種類が違うらしい.

ここタイはエビ大国,皆さんご存知のトムヤムクン然り,エビはタイ料理に欠かせない.養殖も盛んで,日本にも大量に輸出されている.魚介類のなかでもエビはとくに庶民に親しまれている食材なのだろう.

マーケットにはフードコートが付きものである.食事の時間ではなかったので今回は遠慮したが,美味しそうなメニューがたくさん並んでいた.中途半端な時間だったが食事をしている方々もちらほらみえて,今日は日曜日なので家族で買い物に来たのだろうか,家族で食事を摂っている微笑ましい光景も見受けられた.

そして,何といってもここオンヌット市場のフードコートには,ライブ演奏のおじさんがいるのだ(写真).これはなかなかよいサービス.マーケットは楽しい.

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