電子情報通信学会の英文論文誌,IEICE Trans. Info. & Sys. の4月号に,次の論文が採録されている(オープンアクセスなので,興味がある方はリンクをクリックすれば本文を読めます).
Iio, J., (2023). How Many Tweets Describe the Topics on TV Programs: An Investigation on the Relation between Twitter and Mass Media, IEICE Transactions on Information and Systems. E106.D(4), 443-449.
この論文は「ツイッターで人々が話題にしているトピックにはTV関連の話題が多く含まれている」ということを定量的に示したものである.具体的には「ツイッターのトレンドに現れるトピックのおよそ20〜25%はTV関連のトピックである」ということを,TWtrendsシステム(Iio, 2019)のデータとEPG(電子番組表)のデータを付き合わせて明らかにしたものだ.
論文は「(The result of this study) implies codependency between Internet media and mass media.(本研究の結果から,ネットメディア(ソーシャルメディア)とマスメディアの共依存が認められる)」と結ばれている.しかし,実際には,SNS側からのマスメディア依存度は定量的に示したものの,マスメディアがネットにどれだけ依存しているかは論文では明示的には示していない.
しかし,昨今のマスメディア,とくにTVの報道番組やワイドショーなどを見ていると,ネット依存であることは明らかであろう.その証拠がこれである.
Twitterで「突然のご連絡 テレビ」などとキーワードを入れて検索すると,出るわ出るわ.「突然のご連絡 ラジオ」や「突然のご連絡 新聞」などでもたくさん出てくる.
いやはや,まあ「突然のご連絡」するな,とはいわないが,それを契機に自分たちでさらに取材,深掘りするならともかく,その後,視聴者ご提供の動画などといって垂れ流して終わりというケースが散見されるのはいかがなものか.いささか安易な番組作りをしていないか?と苦言も呈したくなる.まあ,余計なお世話か.
参考文献
Iio, J., (2019). TWtrends ― A Visualization System on Topic Maps Extracted from Twitter Trends, IADIS International Journal on WWW/Internet, 17(2), 104-118
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