バンコクから中国の武漢に出張したのでその顛末を少し記しておきたい.なにしろ,台湾にはちょいちょい出かけているものの,中国本土に上陸するのは20年以上ぶりなのである.中国の各都市にはそれまでに何度も訪問したことはあるが,上海万博の前あたりに最後に北京か上海かを訪れたのが最後で,なんとも久しぶりの中国出張なのだ.
今回の出張は武漢で開催される国際会議に参加して研究成果を発表することだったが,国際会議への参加は後付けの理由で,中国地質大学で教えていらっしゃるK先生のところに遊びにいこうというモチベーションで画策した出張だった.実際,国際会議の前日に中国地質大学で同大学の学生向けに講義をした.ちゃんと社会に役立つ仕事もしているぞ?と,言い訳はきちんと用意するあたりが姑息である.
ともあれ,20年以上ぶりの中国はさぞかし変わっているだろうなあとは予想していて,いろいろ話には聞いていたものの,想像以上の変貌ぶりで,驚いた.
まず,宿泊している宿はどうということのないビジネスホテルだが,いろいろ先進的だった.エレベータはカードキーをかざさないと部屋がある階にいけないのは最近よくある仕様だが,ここのホテルはカードキーをかざすと自動的に部屋の階のランプがついて,わざわざ押す必要がなかった.実に合理的だ.
エレベータといえばお掃除ロボットかルームサービスの配膳ロボットかわからないが,ロボットが乗り込んできたのにも驚いた.お掃除ロボットは最近あちこちの空港で見かけるし,配膳ロボットもファミレスでは当たり前になっている.しかし,エレベータを乗りこなすのはあまりみたことがない.
ロボットがエレベータに乗ってくると,目的の階のボタンが自動的に点灯した.ロボットとエレベータが通信してコミュニケーションをとっているんだろう.まさに未来的な光景じゃないか.
機械がコミュニケーションをとっているといえば,驚いたのはカーナビである.今回,地質大で講義をしたあと,少し時間があったので車で市内をいろいろと案内していただいた.そのとき,「カーナビと信号が連動してるじゃん!」ということに気付いた.
ここ武漢の大通りにある信号は,赤信号も青信号もカウントダウンタイマーが付いている.あと何秒というやつである.あれがあると,皆さん安心するのかな.ところがそのカウントダウン表示が,カーナビの信号にも表示されており,その数字が,ほぼ,連動しているのだ.
制御をご専門にされているK先生に訊くと,路車間通信で連動させているのでは?とのことだったが,一時期,未来の技術として語られていた車々間通信や路車間通信という技術がすでに普及して使われているのに驚いた.
もっとも,多少ずれているので,ひょっとしたら通信ではなく時刻で連動させているのか?とか,カメラで認識させているのか?とか,正確なところはよくわからない.しかしながら,実際の信号とある種のサイバースペースであるカーナビの情報がほぼ同期しているのは,単純に「すごい」と感心した.
車といえば我々を乗せてくれたワゴンは,電気自動車だった.電気自動車については個人的にはドライビングプレジャーの観点から両手を挙げて賛成するつもりはないが,長期的なEVシフトは避けられないだろう.
緑のナンバーは電気自動車だと教わった.街を歩いているときになんとなしに眺めてみると,だいたい3〜4割くらいだろうか.かなりの数の電気自動車が走っている.自動運転のタクシーは走っているのか?とK先生に尋ねてみたところ,それはまだ特定のエリアだけだとのことだった.しかし,特定のエリアだけでもちゃんと走っているのは,すごい.
学会の会場となった大学の構内は,学生たちが電動スクーターで走り回っている.その光景はバンコクの大学と大差ない.違いといえば電動か否かというところだけで,ノーヘル二人乗り当たり前というあたりは全く同じ.
大学だけでなく街なかでも歩道を我が物顔でちょこまかと走り回るバイクには要注意である.「バンコク名物,歩道を走るスクーター」と思っていたが,ここはそれ以上でひどい.それで社会が回っているので,文化の違いといえばそれに尽きる.郷に入っては郷に従え,When in Rome, do as the Romans doである.
一方で,ネット接続はいろいろと辛い.いわゆるグレートファイアウォールが多くの西側サービスをブロックしているからである.私腹をこやすことにしか興味のない権力者どもが科学の発展を邪魔するのは,国を問わないんだなあと思ったとか思わなかったとか.
まあ抜け道はあるんだけどね(ナイショ).
写真は,講義の後に案内してくださった黄鶴楼にあった壁画,どうみても水戸黄門にしか見えない(たぶん中国の偉人なんじゃないかと思うんだけど).

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