こちらに来て5ヶ月が過ぎ,タイ語の学習もだいぶ進んだ.相変わらず会話はカタコトで,聞き取りはまだほぼ壊滅的だが,自作アプリの効果もあって,文字はひと通り読めるようになった.ただし,それはループフォントで書かれている場合に限る.
日本語でも明朝体とゴシック体があるように,タイ語にもセリフとサンセリフの代表的なフォントがある.セリフとは,文字の「飾り」のことで,ウロコとか,ヒゲとか呼ばれるもののことだ.サンセリフの「サン」はフランス語のSans(without)で,セリフのない書体を意味する.明朝体は飾りがあるのでセリフ,ゴシック体はないのでサンセリフに分類される.
タイ語の文字の場合,セリフのフォントを「ループフォント」,サンセリフのフォントを「ループレスフォント」と呼ぶらしい.KMITLの学生が教えてくれた.文字の中に「丸」(ループ)が入っているか否かで区別するとのこと.
その違いだが,この図をみれば一目瞭然だろう.上がループフォント,下がループレスフォントである.
あえて「似たような文字」を並べてみた.これ,全て違う文字で,8個の文字が並べてある.一番左のコーカイから始まって,ポーサムパオ,ドーチャダー,トーパタック……と続く.どうだろうか.ループフォントならまだしも,ループレスフォントになるとデザインが簡素化されていて,本当にビミョーな違いになる.
街中の看板は,ループレスフォントが使われていることが多い.ループレスフォントになると,慣れないタイ語初心者には,文字の識別がなかなか難しい.なお,手書き文字になるともう全くダメという話もあるが,それはちょっと置いておこう.
さて,文字に関する話題をもう一つ.
自作アプリ,「Iiolingo(イオリンゴ)」を使って44個の子音はきちんと覚えたし,母音もなんとなくだけれどもだいたい覚えた.これでバッチリ読めるようになったぞ,まあ,意味はわからんけど……と思いきや,習ってないよ!という文字がときどき出てくるのである.
まずは,これ「ๆ」.マイヤモックという文字らしい.これが出てきて,ハテ?子音表にも母音表にも出てこない,この文字は何かいな?と混乱した.
これは,繰り返しを表す記号とのことで,よく使われる(といっても口頭で,だけど),「เผ็ดมาก」(ぺ・マーク)は,「もっと辛く」という意味で,これが「เผ็ดมากๆ」(ぺ・マクマーク)になると「もっともっと辛く」になる.
タイ人はこの繰り返す表現をしばしば使うので,会話ではよく聞くパターンである.しかし,文字にして読んでいるわけではないので,この記号というか文字が出てきたときには,ハテナ?こりゃ何だろう?となったわけだ.
もう一つは,これ「ฯ」.マイヤモックと似ているが微妙に違う.これは,パイヤーンノーイという文字で,省略を表す.
最初に気付いたのはBTSに乗ろうとしたときのこと.サイアム方面からプロンポンに帰るときは,スクンビット線のケーハ方面行きに乗る.したがって,駅にある「ไปเคหะฯ」(ケーハ行き)というサインがあるほうのホームから乗ればよい.「ไป」(パイ)は行くという意味で,「เคหะฯ」(ケーハ)が終点の駅である.
ところが,文字を読めるようになった自分がこのタイ語をみたとき,どうしても文字が余ってしまうことに気付いた.すなわち,「เคหะ」だけで「ケーハ」と読めるのである.最後の文字,何だ?
というわけで調べてみたところ,それは省略を表す文字,パイヤーンノーイというものだと分かった.ケーハの後は,何かが省略されているらしい.そういえばクルンテープもタイ語では「กรุงเทพฯ」と書く.マハナコーン以下の省略が,最後の文字で示されている.
クルンテープ・マハナコーン(以下略)の正式名称は,日本に帰る前に暗記して覚えようと密かに考えている.正式名称を覚えるための歌もある.正式名称をひたすら繰り返すだけの歌だが妙に耳に残るので,自然と覚えられそうに思える.毎日それを聴いて覚えるようにしている.30年以上前に流行した歌らしいが,今でもタイの子供たちはその歌を聴いて覚えるのだとか.

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