2023年度冬季HCD研究発表会が11月25日,鹿児島女子短期大学にて開催された.かなり昔に札幌でHCD研究発表会が開催されたことがあるとは聞くものの,少なくとも私が関与するようになってからは,初めての地方開催である.今回の開催にあたり,ローカルのマネジメントに尽力くださった近藤先生とサポートくださった皆様方には感謝を申し上げたい.
今回のHCD研究発表会は,鹿児島での地方開催というだけでなく,東京の芝浦工科大学豊洲キャンパスをサテライト会場とした二会場開催という点でもきわめて挑戦的な開催であった.コロナ禍以降,現地参加とオンライン参加を許容するハイブリッド開催で実施していた本研究発表会ではあるが,今回は地方開催ということもあり,東京は豊洲にサテライト会場を設置して二元中継を行う新しい試みに挑戦した.
しかも,サテライト会場からの口頭発表だけでなく,ポスターセッションを鹿児島会場と豊洲会場の二ヶ所で行うという,あまり聞いたことのない斬新な試みにも挑んだ.ポスター発表を2会場で行う点に関しては,HCD研究発表会名物?の「ポスター発表中継隊」が大活躍してくれた.これもICT進化の恩恵であろう.
さらには「実践発表」カテゴリを設けたことにより,発表数が例年になく増えた(口頭発表とポスター発表を合わせて28件というのは例年の1.5倍相当である).実践発表の是非については本稿では省略するが,気軽に発表できる機会を提供できた点は,自画自賛ながら,評価に値するのではないかと考える.そのため,口頭発表の件数も20件となり,1日に実施するにはギリギリのスケジュールとなった.
シングルトラックで実施するにはほぼ限界の発表件数のため,今後は,マルチトラックにして対応せざるを得ないかもしれない.自作の研究会マネジメントシステムには,その含みを持たせてある.研究会規模の拡大がいよいよ現実味を帯びてきた.今回の開催がHCD研究発表会をさらに発展させるための試金石となっている状況をひしひしと感じる.これからの発展が楽しみである.
なお,HCD研究発表会のウリの一つに,発表に対するコメントを発表者にフィードバックするという特典がある.研究会に参加しているHCD-Netの理事と評議委員には,発表の評価と(できるだけ前向きな)コメントの記載をお願いしている.
そして,これも自画自賛になるものの,自作のシステムにより発表の評価とコメントをリアルタイムで集計するしくみが出来上がっている.集計されたコメントは,翌日にメールで発表者にフィードバックされる(この作業はいまのところ私が手作業で実施しているが,これもシステム化して自動でメールを送れるようにしたいところである).これは参加者におおむね好評で,これも発表者を増やすための一つのアイデアとして効果があるだろう.
いずれにしても,今後のHCD研究発表会のあり方として,春季冬季のいずれかは東京開催,そして他方は地方開催というルーチンを確立できればと画策している.そのためには,地方の拠点を確固たるものとせねばならない.
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