学内共同研究「『COVID-19と共に生きる社会』における個人情報保護と公益性に関する文理融合学際研究」の枠組みで個人情報保護ゲームを開発してきた.共同研究は今年の3月でいったん区切りが付いたが,研究室の独自研究テーマとして,ゲームの開発は,まだ,続いている.学部4年生3名によるチームが,研究を進めている.
ゲームのあらまし
このゲームは個人情報保護,プライバシー保護の概念を教育するためのエデュテイメントとして考えられており,楽しみながら,個人情報保護の重要性を学ぶことを目的として作られている.
昨年度に作成されたものは,攻撃側(個人情報利用側)と守備側(個人情報提供側)に分かれ,2人で対戦するというゲームである.攻撃側は,与えられた攻撃カードから1枚を選び,その攻撃に基づいて対話する.攻撃カードの例は,「空き巣」「なりすまし」「SPAM」などである.一方の守備側には,5枚の個人情報カードが与えられる.そのうち,守るべき2枚を選び,残りの3枚を公開する.
個人情報カードには,それぞれ点数が割り振られる.この点数は,攻撃カードの選択によって変化する.100点が5枚のカードに割り振られ,攻撃側には公開されたカードの得点が,守備側には非公開カードの得点が入る仕組みである.それぞれの合計の大小で,攻撃側が勝つか,守備側が勝つかが決まる.
このゲームの重要なポイントは,攻撃カードによって個人情報カードの得点が変化するところである.たとえば,攻撃側が「空き巣」を選んだときは,「住所」と「旅先からのSNS投稿」の情報カードの得点は高く設定される.しかし,攻撃側が「SPAM」を選んだとすると,「住所」や「旅先からのSNS投稿」の得点は低くなり,「メールアドレス」カードの得点が高く設定される.
これらを,両者の対話を通じて推理しながら,公開カードを決めるというゲームが,昨年度作成されたバージョンのゲームであった.
今年の新バージョン
今年度作成された新しいバージョンは,なんと,ChatGPTと対戦するというものである.攻撃側は,ChatGPTのAPIを利用したコンピュータが担当する.ゲームのルールは同じだが,コンピュータと対戦するゲームに仕上がった.
下記はそのスクリーンショットである.5分間の制限時間において,ChatGPTと対話しながら,公開する3枚のカードを選択する.その後,勝負が付いたあとで,丁寧な解説が表示されるという教育ゲームである.
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