次の図をみていただきたい.このグラフは,あるアンケートの設問から2つ取り出して,それらをクロス集計したものである.2次元の100%積み上げ横棒グラフとして表現されている.
縦軸に並ぶ項目と,個々に並べられた項目がどちらも同じなのでわかりにくいが,両方とも「あなた自身のことについてお聞きします.次のそれぞれの項目について『全くあてはまらない』から『よくあてはまる』までの5段階の中から1つだけ選んでください」という質問の回答(単一回答)で,それぞれ次の項目に関する回答である.
- SNS,ソーシャルメディア上での自分の評判が気になる
- 私は自信家である
縦軸の項目は前者の回答で集計したものである.そのなかで,後者の設問の回答がどのくらいあったかを集計したものだ.すなわち,グラフの一番上の横棒は「SNS,ソーシャルメディア上での自分の評判が気になる」に「よく当てはまる」と回答した人たちのうち「私は自信家である」という設問でそれぞれの回答を選んだ人がどれだけいるか,という状況を示している.
アンケート回答者の総数は2,800人(世代が7セグメント x 男女それぞれ100人)であり,「SNS,ソーシャルメディア上での自分の評判が気になる」に「よく当てはまる」と回答した人はそのなかで90人しかいなかった,という点は多少割り引いて考える必要があるかもしれないが,それでも,このグラフから次のような状況が認められるだろう.
- SNSの評判を気にする人は自信家である傾向が高い(自己肯定感が高い)
- どちらでもないを選んだ人は,別の設問でもどちらでもないを選ぶ傾向にある
- SNSの評判を気にしない人は自分を自信家であると思っていない人が多い
クラメールの連関係数を計算したところ,0.335 という値が得られた.この指標は,0.0から1.0までの値をとり,おおむね0.25以上であれば関連性があるとされる.よって,この2つの傾向は,それなりに関連性がありそうだと判断できる.すなわち,自己肯定感の高いひとはSNSの評判を気にしがち,ということである.
私もどちらかというと自信過剰の傾向があるが(若い頃は「根拠のない自信の持ち主」とよく揶揄われたものだ),やはりSNSでの評判は気になる.私がこれらの設問に回答したとしたら,どちらも「よく当てはまる」を選んだだろう.2,800人中,45人しか選ばなかった組み合わせではあるが……(ただし,SNSの評判をよく気にする人で,自信家じゃないと思っている人はもっと少ない).
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