正月早々,1月3日から6日まで,台湾に出張した.前回の訪台は2019年のCOSCUP参加のときだったはずだから,実に3年半ぶりである.羽田から松山空港に飛び,持参したEasyCardがMRTの駅でちゃんと使えたのは(当たり前の話ではあるが)なんとなく嬉しかった.
今回訪台した目的は,我々が進めている SMILE project に参加している台湾の学校訪問,および,高雄師範大学関係者とのミーティングである.師範大学の先生方とは,2024年に高雄で実施予定のシンポジウムに関する事実上のキックオフミーティングを行った.
台湾に来ると,いつも「ホッとする」感じを味わうのは何故だろうか.古き良き昭和の日本を感じるのである.もちろん,それは台湾が遅れているなどということではない.久しぶりの台北は,地下鉄の整備もさらに進み,確実に進化していた.日本以上に経済の発展も進んでいる.
しかしながら,人々が温かいのである.我々が券売機でEasyCardにチャージしようとして,なぜか機械がうまく動作せずマゴついていたら,ひとりの青年がスッと寄ってきて手助けしてくれたので,ことなきを得た.
こんなこともあった.台湾人と日本人はその容姿が似ており区別がつきにくい.地下鉄のホームで電車を待っていたら,中国語で何かを尋ねられた.もちろん我々には何を尋ねられているのか皆目わからない.困惑していたら,「あなたがた日本のかたですよね」と上手な日本語を操るオバさんが現れて,我々を助けてくださった.
このようなインタラクションが日本で皆無であるとまでは言わない.しかし,令和の日本で着実に失われつつある光景なのではないかとの印象もある.人々を思いやる心は大切にすべきものだと改めて気付かされた.
台湾は食事も美味しいし,人々も温かい.美しい観光地にも恵まれている.東北での震災で早々に援助の手を差し伸べてくださったのも台湾であった.もちろん,外交はまた別の問題なので,だから台湾とは手を組むべきで敵対する国はどうこうなどと簡単に論じるものではないことも確かではある.しかし,それ以前に,民間人の交流として台湾の皆さんとは仲良くしておきたいと思うのだ(もちろん,民間レベルでは,韓国や中国とも同様であることは異論を待たないことには注意されたい,ていうかこんな補足が必要なのがちょっと情けない話ではある).
写真は高雄灯台からの眺めである.旗津区の街並みと湾を挟んだ対岸がみえる.高雄は今回はじめての訪問だったが,なかなかに素敵な街であった.
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