2023年1月17日火曜日

WYSIWYGの幻想を捨てよ

WYSIWYGという言葉をご存知だろうか.What You See Is What You Get の略であり,かつて,ワープロ製品の宣伝文句としてしばしば使われたものである.

WYSIWYGって便利?

What you see is what you get, 直訳すれば「あなたの見ているものが,あなたの得られるもの」,すなわち,画面で見たとおりに印刷されて出てくる,とするのは少し意訳が過ぎるだろうか.編集している画面と最終的に得られる結果が同じものである,見たとおりに,最終成果を意識しながら編集できる,とまあ,そんな謳い文句であった.

しかし,世の中そんなに甘くない.フォントグリフの計算誤差でいろいろズレる,粗い解像度の画面では明朝体とゴシック体との区別がつかない,など,ハードウェアやソフトウェアの実装が伴わず,そのような細かな不備が多発,ホントにWYSIWYG?という状況がひきもきらなかった.

ようするに,なんちゃってWYSIWYGでしかなかったわけである.

低品質なアウトプットでいいや,っていう人はそれでよし.しかし,高い品質を求める向きにはまったくもって不十分であり,WYSIWYG?おととい来やがれ,な状況が続いていたのは不幸な歴史としかいいようがない.

そんなわけでちょっとでも気の利いた皆さんは,昔ながらのLaTeXを使ったり,最近ではMarkdownなどのマークアップ言語に活路を見出したりしていた.ただしかし,それはそれでよいのだが,意識の低い皆さんに対して,たとえ一時的にであったとしても,そこまで意識改革を求めるのも,また,難しいところである.

私のオススメ

そこで,私のお勧めする方法は,既存のワープロでスタイルや特殊文字を「可視化」することである.以下の2点を気にするだけで,文書の体裁はだいぶマトモになる(中身はともかくとして……).

  • スタイルを活用,スタイルガイド機能を有効にする
  • タブや改行,スペースなどを表示する設定に変更する

次の図は,スタイルガイドと特殊文字を表示させた状況である.もはやWYSIWYGでもなんでもないが,これだけで「きちんとした体裁が整えられているかどうか」がはっきりとわかる.

皆さんもぜひ試してみてください.

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