某SNSで「おやき」という言葉が出てきたので(元信州人としてそれは一言申さねばならん)という気になった.ところが,Google画像検索でググってみると「こいつら全部ちがーう!」というような写真ばかり出てくる.右上なんて「おやき」ですらないぞぅ?
売らんかなのマーケティングが悪いことではないが,信州人以外にも食べやすくしようと改良を重ねた結果,いま売られているおやきは,本来のおやきからは程遠いものになってしまった.
もちろん,まずくはない.いや,美味しい.しかし,本来のおやきは,たいして美味くないものなのだ.だが,それがいい.
ふくらし粉が入っている饅頭みたいなんは論外.あれはもうおやきではない.そうではなくて,平べったくべちょーッとしているのが昭和の信州人にとってのおやきである.長野駅の駅ビルMIDORIに入っている「餅とおやきの西澤」で売られているおやきは美味しい.野沢菜のそれなんて絶品である.しかし,郷愁はそそられない.「おやきに似たおやきではない美味しいなにか」なのだ.駅ビルに入っている「餅とおやきの西澤」の親戚すじにあたる同級生の西澤くんには悪いが,そう断言する.
正統派の具は丸ナスの輪切り.それを味噌で味付けしたもので,それを小麦粉を練った生地で包んで蒸す.自然と平べったい形になって,べちょっとした食感になる.饅頭みたいにはならんのである.
意地になって探してみたら,信濃製菓というところが昔ながらの製法を守っていた.写真はこんな感じ.平べったいでしょ?
昔はコンビニでもパックに入れられておやき売ってたんだよ.弁当の棚に並んでた.セブンイレブン(当時の長野にはコンビニといえばセブンイレブンしかなかったし,当然,営業時間は7:00〜23:00だった.だからセブンイレブンなのだ)でもおやきが売られていた.今はどうだろう?
(補足)「餅とおやきの西澤」でも,ナスのおやきはこういうやつだったかもしれない.西澤くんゴメン.
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