講義の目的と到達目標
オープンソースソフトウェア(Open Source Software)とは何か、その基礎的な知識と体系の習得に加え、具体的なOSS活用の実体を理解することで、実際のIT利活用場面におけるOSS活用力を身につける。OSSを活用する際の着眼点や発想力を養うきっかけを生み出すことが本講義の主たる目的である。
講義の内容
まず、OSSの経緯および文化的な側面について触れる。さらにOSSの開発手法とビジネスモデル、オープンソース・コミュニティといった内容を扱う。後半ではOSSの活用事例について触れ、日本国内やアジアのオープンソース関連活動といった社会的内容についても紹介する。
講義計画・資料
- オープンソース・ソフトウェアとは (4/13)
- 講義のイントロダクションに加え、オープンソース・ソフトウェアが必要な存在となっていることの概略的背景と講義の目的に関する事項について解説する。
- オープンソース・ソフトウェアの経緯および文化的な側面(1) (4/13)
- 商業活動の思想とオープンソース・ソフトウェアの思想の比較やその背景と経緯について解説し、現在までの商業活動の思想、フリーソフトウェアの背景と経緯等について解説する。
- オープンソース・ソフトウェアの経緯および文化的な側面(2) (4/13)
- (1)に続き、フリーソフトウェアからオープンソース・ソフトウェアへのムーブメント、ハッカーの思想等について解説する。
- オープンソース・ソフトウェアの経緯および文化的な側面(3) (4/20)
- ライセンスとは何か、その考え方について説明し、オープンソース・ソフトウェアのライセンスや具体的なライセンス事例について解説する。
- オープンソース・ソフトウェアの特徴(1) (4/20)
- オープンソース・ソフトウェアでコスト削減は実現できるのか、ベンダロックインとは何か、オープンソース・ソフトウェアでロックインを回避できるのか等、オープンソース・ソフトウェアの特徴について解説する。
- オープンソース・ソフトウェアの特徴(2) (4/20)
- (1)に続き、オープンソース・ソフトウェアの性能は十分なのか、国際化、教育的利用等、オープンソース・ソフトウェアの特徴について解説する。
- オープンソース・ソフトウェアの種類 (4/27)
- オープンソース・ソフトウェアの適用領域、デスクトップ用途のソフトウェア、フロントエンドシステム用途、バックエンド・システム用途のソフトウェア、組み込み用途のソフトウェアに関する事項について解説する。
- オープンソース・ソフトウェアの利用例 (4/27)
- オープンソース・ソフトウェアをツールとして利用し、データ分析作業を実施する事例について、具体的な使い方を提示しながら解説する。
- オープンソース・ソフトウェアの開発手法とビジネスモデル (4/27)
- オープンソース・ソフトウェアの原動力であるコミュニティやその開発手法、ビジネスモデルについて解説し、コミュニティやオープンソース・ソフトウェアを取り巻くビジネスモデルに関する事項について解説する。
- オープンソース・ソフトウェアと商業ビジネス(1) (5/11)
- オープンソース・ソフトウェアと商業ビジネスの関係、オープンソース・ソフトウェアによる Web サービスに関する事項について解説する。
- オープンソース・ソフトウェアと商業ビジネス(2) (5/11)
- オープンソース・ソフトウェアと商業ビジネスの関係とその主なビジネス形態について解説し、商用ソフトウェアや組み込み機器との関係に関する事項について解説する。
- オープンソース・ソフトウェアの課題 (5/11)
- オープンソース・ソフトウェアが抱える課題、人材や保証の不足、法的リスクといった問題点について、および問題をややこしくしている多様性といった概念について解説する。
- オープンソース・ソフトウェアの活用シーン (5/18)
- オープンソース・ソフトウェアの主な活用シーンを取り上げ、クラウドサービス、大学業務システム、組み込み機器、Webシステム等における活用例に関する事項について解説する。
- オープンソース・ソフトウェアへの関わり方 (5/18)
- オープンソース・ソフトウェアに影響を与えている各推進団体等の役割や具体的な関与の方法論を解説し、各推進団体/グループの役割、オープンソース・コミュニティとの関わり方に関する事項について解説する。
- 総まとめ(期末レポート作成) (5/18)
- 講義全体のまとめとともにオープンソース・ソフトウェアの今後の発展に関する展望に関する事項について解説する。
講義資料アーカイブ
各回の講義資料PDFをZIPで固めたファイルを下記から取得可能.
講義の進め方
座学による講義を中心に実施するが、関連するトピックに関する議論を挟み、自由な意見交換、積極的な議論を期待する。
成績評価
出席・授業態度とレポートをそれぞれ50%で判断し、評価する。
参考資料