久しぶりの「こんなところでHCD」のシリーズである.ふらっと入った牛丼屋,吉野家のタッチパネルをご覧いただきたい(次の写真).
インバウンドで賑わう東京である.吉野家も多国語対応が進んでいる.日本語だけでなく,英語,中国語(簡体),韓国語に対応している.写真は韓国語表記にしてみたところ,上から,「注文追加」「新規注文」「注文内容」と読める(私の韓国語スキルが正しければ……だが).
すばらしい.しかし,残念なのは,左側の情報までは言語が切り替わらない点である.左側には各種のキャンペーン情報や有用な情報が表示される.全ての情報は画像データとして用意されているようである.ここ重要!
すなわち,画像データであるがゆえに,多国語対応に手間がかかるわけである.単純な多国語対応フレームワークでは対応できない問題である.
タッチパネルを多国語化してインバウンド観光客にもサービスを提供しやすくしようというその挑戦は素晴らしい.しかし,なんとなく中途半端で終わっている点がいささか残念であった.
外国人を対象としてHCDのプロセスを走らせるにはコストがかかる点も無視できない.HCDを推進する立場としては,HCDのグローバライゼーションも今後ますます検討していかねばない課題として認識しておきたいものである.