2025年8月10日日曜日

広い視野を持とう

皆さんチャンスがあったら積極的に海外に行ったほうがいい.それも,日本人がうじゃうじゃいるところでは意味がない.日本人という属性は使わずに済むところがよい.

たとえば次の写真,これは,ベトナムのホーチミン市でたまたま撮った写真である.

この可愛らしい車は,Vinfast(という会社)のVF3(という車種)である.皆さんVinfastという会社,知ってましたか?

Vinfastはベトナムの自動車会社である.ベトナム最大手の財閥であるビングループの自動車会社である.ここのところ急成長している.毎年夏にホーチミン市に来ていて,年を経るたびにVinfastの車が増えていることに気付く.そのくらいの驚くべき成長具合である.ベトナム社会の成長を実感する.

そしてこのVF3という車,昨年訪れたときには見なかった.調べてみたら昨年遅くに発売された車種とのこと.マイクロSUVという謳い文句で販売しているらしい.日本の軽自動車より小さいか,もしくは,同じくらいか.ベトナムの街は日本と同様にコマコマしているので,このくらいのサイズが適切なのであろう.

こういう車がベトナムで流行っている状況をみると,どこぞの国の間抜けな大統領が「(その国で売れている大型のピックアップトラックである車種)が日本でも大成功するだろう」などと的外れ極まりないコメントを聞いて笑止千万と切って捨てられるようになる.そしてそれは紛れもない事実である.ディール?笑わせちゃいけない.彼のやり方は反社のやり口そのものである.

国際社会における日本の現実を知ろうともせずただ格好よく掲げられた幻想に惑わされ,極めて怪しい主張をする某政党(名は挙げないが複数ある)を「これこそが日本の保守である」とカジュアルに支持している有権者もまた困ったものである.

グローバルにサプライチェーンが構築されてしまっている以上,日本が世界の一員である事実は否定できず,反グローバリズムは国益を損ねる.新自由主義とグローバリズムを同一視してはいけない.新自由主義には問題が多いがそれとグローバリズムを混同してはならぬ.真の愛国者ならば国際社会における日本の立ち位置を客観的にしっかりと見定めたうえで日本の将来を考えるべきである.

そのようなことを学ぶためにも,実際に自分の目でみて,理解するという態度が重要なのである.

2025年8月9日土曜日

2025年度ベトナム研修

毎年,8月の第2週に開催しているベトナム研修,今年は8/3〜8/8のスケジュールで,無事,開催された.今年で8回目の開催である.昨年の様子は「2024年度ベトナム研修」をどうぞ.毎回,NECベトナムの皆様には多大なご協力,ご支援をいただいている.この場をお借りして御礼申し上げます.m(_ _)m


今年の中央大学からの参加者は3年生6名であった.昨年と同規模である.8/3の22時半に羽田空港に集合し,深夜便で,HCMCに向かった.

研修の様子

研修のスケジュールは,ほぼ例年どおりの,次のようなものである.

  • 8/3, 22時30分羽田空港集合,深夜便にてHCMCへ
  • 8/4, ホテルチェックイン後 e-Town に移動,昼食,午後,NEC訪問,NECの皆様によるレクチャーとWSの用意(会場準備,お茶菓子の買い出しなど)
  • 8/5, 日越合同Workshop初日.自己紹介,イントロダクション(飯尾),プレゼンテーション(日本側参加者・ベトナム側参加者),グループワーク
  • 8/6, 日越合同Workshop二日目.グループワーク(続き),プレゼン準備,最終プレゼンテーション・講評,閉会式
  • 8/7, 市内視察,夜便にて帰国
  • 8/8, 早朝,羽田空港着.解散

今年もグループワークでは活発なコミュニケーションが行われ,最後は素晴らしいプレゼンテーションとディスカッションができただけでなく,いつものように日本とベトナムの学生たちの友好関係が築かれた.

2025年7月13日日曜日

変なおじさんの話

先日,電車に乗っていたときの話である.車内は比較的混んでいたが始発駅から乗車したので座れて,私はちんまりと座席に座っていた.

ところで,私には軽い鼻炎の持病がある.何かのきっかけでくしゃみが止まらなくなり,十数回はくしゃみを頻発することがある.そのときも,鼻がむず痒くなり,くしゃみが止まらなくなった.

もちろん電車のなかなので,できるだけ手で口を押さえて,周りに迷惑にならないように心がけたつもりではあったが,隣に座っていたオジさんに「飛んでくるんだよ!」と叱られてしまった.

私は配慮が不十分だったと素直に詫びた.まあ,人に不快感をきちんと伝えられることはいいことだ.不要な我慢はせず,非が自分にないならば苦情は伝えるべきだよなあ.Noと言えない日本人は,グローバル社会で舐められちゃうだけだもんな,などと,そのオジに対して,その時点ではとくに嫌悪感を感じることもなく,申し訳ねえな,とすら思っていたくらいである.

ところが,次に思いもよらぬ出来事が発生した.

私の前に,スッと新品の不織布マスクが差し出されたのである.差出人は隣のオジ.くしゃみするならマスクをきちんとしろよ,ということらしい.無言の圧力.

驚いた私は「あ,すみません」と素直に受け取り,パッケージから取り出してマスクをした(させられた).隣のオジは,自分自身もマスクをかけ始めた.

(どんだけ潔癖症かよ!)とびっくりした私は,素直にマスクをかけたものの,だんだん腹が立ってきた.なんで見知らぬオジにマスクをさせられなきゃならんのだ.感染症ならいざしらず,たんなるいつもの鼻炎なんだぞ.「あ,これ,ウィルス性のそれじゃなくて,たんなる鼻炎ですからご安心ください」って言ってやろうか?と思ったけれどもそれも邪魔くさい.勝手に勘違いして不安に思ってるならそうしといてやろうかい,なんて意地悪な気持ちもむくむくと湧き上がってきた.

結局,途中の駅で私が先に降りることになったので,無視し続けて電車を降り,ホームですかさずマスクを殴り捨てた.というか,マスクを取って,くしゃくしゃに丸めてポッケに入れた(あとでゴミ箱に捨てた).

降り際に「どうもありがとうございました」とお礼を言うふりをしてオジにマスクをつっ返してやろうかとも思ったが,大人ゲないのでやめた.

以上が,先日出会った変なおじさんの顛末である.

(いらすとやにあったオッサンのイラストが,当該オジに本当にそっくりだったんだよ)


2025年7月12日土曜日

異文化のちょっとした発見は面白い

日本の近隣諸国であっても,ちょっとした文化の違いがあって,面白い.異文化を受け入れ,異文化を理解することで自国の文化を再発見する,なんてこともあったりして,だから異文化間交流は興味が尽きない.

これは昨夜の会食でのひとコマである.席に着いたら箸が二膳,置かれていた.各自の席に,それぞれ二膳である.はて,これはなぜだろう?

疑問に思ったことはすぐ聞いてみるべきである.「なんでこれ二つ置いてあるの?」

すると,返ってきた答えは「片方はpublic, 大皿から取り分けるときに使ってね.もう片方はprivate,自分で食べるときに使ってください」とのこと.なるほど.理には適っている.

しかし,杯を重ねていくうちに,どちらがどちらだかわからなくなってきた.色別に分けられているにもかかわらず!酔っ払いは本当にどうしようもない.

2025年7月11日金曜日

ChatGPTがいつも正しいとは限らない

久しぶりにRailsでアプリを作っている.しばらく遠ざかっていたら,いつの間にかRailsのバージョンも8に上がっていてびっくりである.RailsでWebアプリを作ることをゴールにしているオンライン授業があるが,そろそろ動画コンテンツを作り直さないとマズいなあ.

それはそれとして,いろいろと改良されていて戸惑いも多い.やはり,常日頃から最新の状況をキャッチアップしていないとあかんなあ,というところだろうか.

今回,ブラウザのタブに表示されるアイコン,いわゆるfaviconを設定しようとして少し右往左往してしまった.ChatGPTにでも聞けばよかったのかもしれないが,いつものようにググって新しめの記述を探すと,適切なディレクトリにfaviconをおいてfavicon_link_tagをapplication.html.erbのヘッダ部分に設定すればよい,とある.

しかし,何度やってもfaviconがうまく表示されない.faviconを置く場所が悪いのか,タグのオプション指定をしなければならないのか,いろいろと試行錯誤してみても,一向に表示されないのでへこたれる.どうやっても赤丸のアイコンしか表示されない……赤丸?

赤い丸がなぜ表示されるんだろう?faviconの設定がないページは,Chromeだと地球のマークが表示されるはず.はてさて?ふと思い立ってpublicフォルダを見てみると,そのなかにicon.pngとicon.svgというファイルがあり,それらは赤い丸の画像イメージであった.こいつらか?

それらを入れ替えてみたのが次の図である.なんということはない,これだけでfaviconが表示された.試してはいないが,iPadやiPhoneでWebサイトをアイコン化したときにもこれらのアイコンが使われるようである.

今回のこの顛末,終わってみればなんとも拍子抜けな展開であった.それで,ついでにChatGPTに聞いてみたわけだが,彼もまた古い情報をしたり顔で(?)教えてくれたのであった(次図).皆さんAIがなんでも正しい情報を教えてくれると思ったら大間違いですぞ?

2025年6月27日金曜日

夜を飛び越えて

東京羽田0:20発,ロンドン・ヒースロー6:25着という飛行機に乗った.発着時刻だけから計算すると6時間強のフライトにみえるが,時差が(いまはサマータイムなので)8時間あり,14時間を超えるロングフライトである.いつものように睡眠薬(注:お酒のこと)をたっぷりとキメてから搭乗したので,乗り込んですぐに眠ってしまった.

数時間後,意識が戻り,気付いたら窓の外が明るい.いや,正確にいえば,「明るそうにみえる」という状況だった.私は右(南向き)窓側の席に座っていて,上空には太陽が透けてみえていた.乗っていた飛行機は787なので,窓には物理的な日よけがなく,窓自体が液晶シャッターで電子的に暗くなっている.しかし,液晶シャッターでは直射日光を完全に遮られず,日差しが眩しかったというわけである.

「はて,深夜便で早朝着なのに,なんで太陽が燦々と輝っているんだろう?」と,寝覚めのぼーっとした頭でしばらく考えた.整理してみるとどうということもないのだが,1. 東行きの深夜便,2. サマーシーズンで白夜の北極圏という二つの条件が重なり,なんとも奇妙な体験になった.当該便で何が起こっていたのか,以下のとおり整理してみたい.

ことの顛末

飛行機の進み具合に合わせて順番に状況を説明する.まずは出発の状況を考えよう.0時台の出発であり,日付は新しくなったばかりである(図).

飛行機は順調に東北の方向に進む.地球の自転により夜は西に移動し,急速に朝を迎えた.当該便は微妙にロシア上空を避けながら,アラスカ方面に向かっている.この時点で,飛行機は24日の午前中を飛んでいることになる(図).

さて,ここで当該便は日付変更線を超える.日付変更線を超えてからは,23日,前日の世界である.次の図で「前日」と書かれたエリアを飛んでいることに注意しよう.北米上空を飛んでいるとき,飛行機は23日の一日を急速に過ごしていくことになる.

しばらくすると,再び24日になる.23日を駆け抜けるからである.ところが,ここで,サマーシーズンの北極圏は白夜であることが災いする.それが私に混乱をもたらした理由の一つとなった.すなわち,白夜であるがゆえに暗くならずに24日を迎えてしまうのである(図).

かくして,飛行機は周囲が明るいまま早朝のロンドンまで巡航し,無事,24日早朝のロンドンに着陸したというわけ(図).

頭のなかで考えていたときには「どうしてこんなことが?」と不思議だったが,このように図解で考えてみるとスッキリした.また,時刻表上は「深夜便」なのに「ほとんど明るい中を飛んでいた」というギャップも,混乱に拍車をかけていた理由の一つなのだろう.

以上が今回体験した不思議な出来事の顛末である.

2025年6月23日月曜日

カッコと句読点

学生の論文指導をしていると,学生がよく間違える書き振りにはパターンがあることに気づく.今回指摘したい事項は,文末のカッコの取り扱いである.

そもそも,文末の参考文献リストに挙げている文献を本文中で参照していなかったり,挿入した図版の参照を本文中でしていないなど,論文のルールを逸脱した文章を平気で書いてくる.いかに論文を読んでいないかが明白なのだが,そこは,何度も根気よく指導していくしかなかろう.

そのような草稿を書いてくるので,「挿入した図版は本文で参照して説明しないといけないんだよ?一番イージーな参照方法は,カッコ書きで(図x)って入れればいいから」と指導した結果が,先に示した状況である.参考文献の引用記号の挿入でも多くの学生が同じミスをする.

本来,文Aで参照しなければならない「(図x)」を,句点の後に書いてしまうと,どうなるだろうか.「文A.(図x)文B」となるはずである.これでは,文Bにくっついてしまうではないか.とても気持ち悪いのだが,そう思わないのかな?

そんなことをSNSでぼやいていたら,Y先生が,「ここは『なぜこれが直感に反すると感じられるのか』という研究を始めていただいて……」と指摘してくださった.さすがにこのような研究をされているひとはすでにいるのではないか?と探してみたら,「日本語における句読点使用の定量的研究」というタイトルで,似たような研究をして学位を取ったかたがいらっしゃるではないか(いろいろな研究があるもんだなあ).

当該論文は要約しか読めていないが,博士論文の要約によると,第7章で,句点とカッコの関係性を論じている.そのままズバリではないが,こんな感じ(要約の該当部分を引用する)である.

句点と閉じパーレンの組み合わせでは,「パーレンのみ」は Yahoo!知恵袋とYahoo!ブログ,書籍,雑誌において半数以上を占め,最もよく使われる組み合わせであることがわかった.また,次に多く使用されていた「パーレン-句点」は書籍と新聞,教科書で多く使われる組み合わせであった.「句点-パーレン」は白書において多く使用されていた組み合わせであったが,文末というよりは,資料の引用を示すために文中で使用される例がほとんどであった.

カッコ閉じるで句点を使わず終わりにするパターンが一番多かったというのはやや意外ではあったが,電子的なテキストなどでは,そのようなケースも日常的に使われるだろう(たしかに,そのような指摘がなされている).書籍では「).」という組合せが多いというのは,私の感覚と合致する.そしてその逆は,文中のケースが多かったとのこと,さもありなんである.

ということで,正解は確認できたものの,なぜ学生たちは「文A.(図x)」としてしまうのか問題は未解決のままである.誰か解明してみませんか?

2025年6月19日木曜日

オンデマンド講座の(思わぬ)落とし穴

中央大学には「クレセント・アカデミー」という市民講座がある.私は運営委員の一人でもあり,もう長いこと,いろいろな講座を担当してきた.

最近のチャレンジとして,講義を録画して「オンデマンド講座」として提供する試みが始まっている.といっても,まだ,提供コンテンツはそれほど多くない.現在は,瀧澤先生のゲーム理論講座と,私のプロジェクトマネジメント入門が提供されているだけである.

このオンデマンド講座の試みは数年前から試行されており,事務局から,オンデマンド講座として提供してよいですか?と問われ,そのときは深く考えることなくOKした.とくに断る理由も思いつかなかったからだ.そして,それで問題ないと思っていた.

ところが,ここへきて,少し困った問題が発生した.それは,オンデマンド講座用に講義内容を提供してしまうと,翌年から同じ内容の講座を開けないという問題である.

以前なら,同じ内容で数年は講座を維持できた.しかし,現在,全てオンデマンド用に提供していいですよと快諾してしまったため,毎年,新しいテーマの講座を捻り出さねばならなくなっている.これは困った.

今年実施している「はじめての生成AI」講座は,私が担当する講座としては例年になく人気が高く,キャンセル待ちが出たとのことだが,これもオンデマンド用に録画しているので,来年は実施できない.

1回90分,それを3回実施するクレセントの講座である.新たな内容を毎年考えなければならないのは,なかなかしんどい.オンデマンド講座用に何本も講座を提供したのだから,来年は休ませてもらう交渉でもしようかしらん.

2025年5月14日水曜日

画竜点睛を欠くとはまさにこのこと?

昨日,某所で「ディリクレ関数がいたるところで不連続であること」についての議論になり,ChatGPTに聞いてみたらどうなるだろうかとの話になった.

以下は,ChatGPTとの対話の記録である.まず,私が「ディリクレ関数が不連続であることを証明してください」と尋ねた.

すばらしい!ワンダフル!ここまでは申し分のない説明である.記号の使い方も全て正しく,ε-δ論法で証明せよという方法論もバッチリだ.

わざわざ稠密なんてキーワードを太字にしたりして,なかなかやるやんけ,と,イイ感じで証明が進み,最後の「どんな小さなδを選んでもD(x)とD(a)の差分が1になってしまうから連続ではない,ってところまではバッチリ.

ところが,最後の「ε=0.5」でガックシ.0.5って,どこから出てきちゃったのよ?

希望があれば図でも示せるで?って調子に乗っちゃってるChatGPT,じゃあやってもらおうとお願いしてみたら……

ありゃりゃりゃ,うーん(x = λって,λってどこから出てきたの orz)

まあ,たぶんこれらのミスは,まるっとわけもわからずそのまま引き写してレポート書いちゃう学生を検出するためのリトマス試験紙として,ChatGPTが「わざと」出してきてくれているのだろう,なんて,好意的に解釈してみたり.そんなわけないかw

2025年4月26日土曜日

Herokuスタック・アップデートの備忘録

Herokuを使ったアプリケーションのサービスを二つ運用している.毎月十数ドルの利用料を払っているが,いずれも多数の皆さんに利用していただいているので,利用料を払っているだけの価値は得られているだろう.

数年前からずっと利用しているサービスなので,以前から,「使っているスタックをアップグレードせいやー」という連絡を受けていた.スタックというのは,アプリケーションを動かすプラットフォームのことである.これまで,heroku-20と名前の付いているスタックを使用していたが,そのスタック利用期限が今月末,4日後の4月30日だというのだ.

もちろん,ほったらかしておいたらすぐに使えなくなってしまうわけではない.利用だけであれば,このままで,まだ使えるとのこと.ただし,セキュリティ対応やさまざまなサービスは打ち切られる.また,致命的なのは,利用期限を超えたスタックを使っている場合,コードの変更やアップデートができなくなる,という制限である.これは,ちと,まずい.

スタックのアップグレード

というわけで,ようやくお尻に火がついた私は,重い腰を上げてスタックのアップグレード作業に着手したのだった.

結論からいうと,終わってみればなんということはなく,あっけなくアップグレードは終了した.ウェブサイトの指示に従い,次の手順でアップグレードすれば,ほぼ,問題なく終了する.

  1. 新しいスタックの環境を作り,スタックを更新してきちんと動作するかどうかのテスト用アプリをデプロイする,
  2. そのアプリが正しく稼働するか,ソースコードをアップロードして起動してみる,
  3. 問題なく動くことを確認できたら,テスト用アプリを削除して,本番環境のスタックをアップグレードする

いくつか説明通りにいかないところがあって試行錯誤しながらではあったが,無事,heroku-22にアップグレードできた.ついでに,というか,勢い余って現在の最新版であるheroku-24にまで上げてしまった.これでしばらくはアップグレード問題に悩まされることはなくなるはずである.

躓いたポイント

ウェブサイトの説明に従ってやったらほぼ問題なくできたが,いくつか躓いた点があるのでそれも紹介しておこう.

まず,説明通りにやったらうまく動かなかった.テストアプリを立ち上げて「ダメでっせ」という画面が出ていたときの,嗚呼,落胆たるや,いかほどばかりであっただろうか.世の中うまくいかんもんよなあと,日頃の行いをしばし反省である.

うまく動かんときはログを見よという指南があったので,ログをみたら「データベースにそんな関係は定義されていない」というエラーが出ていた.なんのことはない,よけいなデータベースを作って参照していただけという問題だった.

説明では,addonsの一覧を表示させて使っているaddonsを調査してそれらををcreateせよとあり,その説明に素直に従ったため,不必要なデータベースを新しくもう一つ作ってしまっていたわけだ.当然ながら新しいデータベースは何のテーブルも定義されていないので,そのままだとエラーになる.

作ったaddonsデータベースをremoveしてから,既存のデータベースをaddons:attachすれば,問題なく現状のデータで動いた.逆に,いま使ってるデータをアップグレードしたスタックのテストアプリからそのまま使えたので,データベースがアプリから切り離されていることのメリットを感じた瞬間でもある.いろいろ更新したアプリから,そのまま,何もなかったかのようにデータを弄れたのには,頭ではわかっていても「おおすごい」と思ったものである.

あともう一つ,コードのデプロイに git push heroku main という呪文を唱えるのだが,これが何度やってもエラーになる.「そんなリポジトリない」というようなエラーである.はて?と思って,ふと,気付いたのは,mainじゃなくてmasterだよ,ということ.最初に作ったのはだいぶ前であり,「masterはPC的にけしからん,mainを使え!」とよくわからないムーブメントが起こる前であった.それをすっかり忘れていた.git push heroku master とやったら,問題なく処理できた.