2024年9月16日月曜日

こんなところでHCD(9)

さて,こんなところでHCDのシリーズ,はやくも9回目を迎えた.今回もバスルームからお届けするが,今回は珍しく「褒めてる」一件である.以下はいま宿泊している台北のホテル,Cosmos Hotel Taipeiのバスルームで見つけたインストラクションである.

これは実にわかりやすい.操作に迷う余地は全くない.よい事例として記録しておきたい.

2024年9月4日水曜日

木曽の宿場町めぐり

諸事情があり木曽の宿場町を巡るツアーの「ガイド兼ドライバー」を勤めることになった.訪れた宿場町は,訪問した順に,妻籠宿,馬籠宿,奈良井宿.元信州人としてそれらの宿場町については初等教育において机上で習ってはいたが,実際に訪れたのは今回が初めてである.

どの宿場町も風情があり,思っていたよりずっとよかった.それぞれについて感想を記しておきたい(写真は最後に訪れた奈良井宿).

妻籠宿

「つまごじゅく」と読む.ひなびた風情がたいへんよろしい.とにかく「江戸時代に造られた宿場町の保存に徹するぞ!」という姿勢がよい.観光客に迎合する気ゼロ.来るなら来いやーというストロングスタイル.そのくせ,「十八世紀中期に建築された旅籠を解体復元したものです」なんていう,江戸の空気をそのまま運んでくるようなタイムマシンがしれっと存在していたり,桝形の跡という街作りの仕掛けがそのまま残されていたりして,江戸大好きっ子が喜びそうなアトラクションがいくつかあって楽しい.

駐車場は有料で500円.駐車場の広さはそこそこあるのでハイシーズンの休日以外であれば問題なく駐車できそう.駐車場から宿場町へのアクセスは,可もなく不可もなくといったところか.クルマ以外で行きにくい場所であり,公共交通機関でのアクセスはよくない.

馬籠宿

「まごめじゅく」である.妻籠よりかなり観光地化が進んでいる.宿場町全体が坂になっており,伊香保温泉とか台湾の九份とかを彷彿とさせる……は言い過ぎか.観光地になってしまっているので,江戸の宿場町のロマンを求める人にはちと物足りないかもしれない.

北側入口から入り南側入口に向かって坂を下りながらの散策がよいだろう.南側入口から坂を上っていくのは,観光と健康を兼ねたい!という変態さん以外にはオススメしない.今回,90代の後期高齢者がいたので,クルマを北側入口近くの無料駐車場に停め,南に向かって坂を下りつつ,ドライバーである私は途中から坂を戻って南側入口付近までクルマを回すというサービスに徹した.かなりしんどかったので,ドライバー氏は送迎に徹したほうがよいかも.

北側入口にはさほど広くない無料駐車場がいくつかあったものの,南側入口付近には無料駐車場が見当たらなかった(有料駐車場はいくつかある).妻籠より馬籠のほうがメジャーっぽいので,駐車場問題は少し気になるところではある.

奈良井宿

最後は「ならいじゅく」.どちらかというと妻籠に近い「観光よりも保存」というスタンスを感じたが,妻籠ほどのストイックさはなく,交通の利便性もあり観光客はウェルカム!でも観光客に阿るのもね……という印象であった.

無料駐車場があり駐車場からのアクセスもよい.なにしろJRの奈良井駅からすぐという交通至便さである.訪れやすい宿場町といえよう.

無料駐車場の反対側には木曽の大橋なる檜の立派な橋が架けられていた.ん?木曽の大橋?そんなん知らんぞ?と調べてみたら,平成3年竣工だとか.そりゃ知らないわけである.私はすでに東京人になっていた.

所感

いずれの宿場町も,外国人観光客が半数以上で驚いた.平日だからということもあろうが,そもそも交通の便があまりよろしくない.交通至便な奈良井宿にしても,各駅停車しか停まらないJR奈良井駅まで東京から行くのはけっこうたいへんだ.なにしろその電車も一時間に一本しか走っていない.

彼らはいかにしてその存在を知ったのか,いかにしてそれぞれの宿場町にやってきたのか,どこに宿泊しているのか,いろいろ謎ではあるが,そのバイタリティは見倣いたいところであると,しみじみ思った.