2021年3月8日月曜日

widowやorphanとは何か?

widow【名】夫を亡くした[夫と死別した]女性

orphan【名・形】孤児(の),親のない(人),親をなくした(人)

それぞれ,英和辞書をひくと最初に出てくる意味である.しかし,ここで論じたいのはそのようなものではなく,印刷用語,校正用語としてのwidowやorphanだ.

ちゃんとした辞書をひくと,widowやorphanの意味として,次のような説明もきちんと書かれている(いずれも「英辞郎」より引用).

widow 《印刷》ウィドー,孤立行◆ページの末尾に残された,段落の最初の1行(2行目以降は次のページに送られている).または,ページの最上部に残された(前のページや段組から続く)段落の最後の1行.

orphan オーファン(の),孤立行(の)◆ページの末尾に残された,段落の最初の1行.2行目以降は次のページに送られている.

これらは印刷,出版業界の方ならご存知なのだろうが,著述業の方々でも意外と知らない人が多いのではなかろうか.とくに最近は,電子化によってページという概念が希薄になってきたため,若い人は知らなくてもおかしくない状況なのだろう.

ITのツールが旧来の文字文化を破壊していることがあるという点は,その是非は置いておくとしても,意識していたほうがよいのではないか.たとえば「段落の先頭は1字,字下げする」という習慣.これも,ワープロが破壊してしまったのではと感じている.現に,この文章がそうではないか.かたじけない.

まあ,しかし,まだまだ最後はPDFにして形の整えられた電子文書にするという状況はしばらくは廃れないであろう.であれば,旧来の組版文化はきちんと知っておいたほうがいい.ワープロソフトのデフォルト設定がダメダメなのが問題なのだが,機能としてはちゃんと用意されているので,工夫すればそれなりにきちんとした文書を作ることができる.図のあたりの機能をうまく設定すればいいので,慣れておくとよいだろう.

最後に,page widow といえば,乾くるみの「六つの手掛り」という本がとても面白いのでオススメしておきたい.いろいろと楽しい仕掛けがてんこ盛りのうえ,最後にハッとする仕掛けがあって,考えることが好きな読者には楽しい本ですよ.

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