2024年12月28日土曜日

2024年の出来事を振り返る

年の瀬も押し迫ってきた.今年の10大ニュースはなんだろう?

第10位:大きな買い物

1月にビックカメラで大きな買い物をした.リビングのTVが壊れたので65インチの大きなTVを購入,ついでに7年使ったiPhone 7を(当時)最新版だったiPhone 15 Proに更新した.店員さんに「あー,7年もお使いになっていたんですねー.物持ちがよいですね」と褒められたのもよい想い出.

第9位:Duolingo

今年,とうとうDuolingoに手を出してしまった.課金はしていない.でも韓国語をずいぶん勉強できたのでそれはよかったかな.まあしかし,よくできたアプリだと感心した.저는 한국어를 공부하고 있어요. 감사합니다.

第8位:老眼鏡

歳には抗えないもんですなあ.老眼がかなり進行して抗えなくなってきたので,Zoffでちゃんとした老眼鏡を誂えた.これまでメガネには縁のない人生を送ってきたのだけれど,いまや老眼鏡がなければ集中した作業ができなくなってしまった.これもまた人生.

第7位:CW研究会の離島開催

COVID-19になる前に,一度,石垣島でCW研を開催したことがあった.そのときは参加者がいつもより増えて盛況だったので,今年は3月の年度末も押し迫ったタイミングで宮古島で開催し,調子にのって12月の開催も久米島で行った.いずれもとてもよかった.しょっちゅう離島でやるわけにもいかないけれど,たまにはよいよね.

第6位:論文賞(選奨論文)

情報処理学会の英文論文誌JIPに掲載してもらったペーパー「An Evaluation of the Flipped Classroom Approach Toward Programming Education」が選奨論文(Specially Selected Paper)として指定された.いわゆる論文賞に準じる栄誉としてありがたく受け取った.ありがとうございます.

第5位:HCD-Netの研究活動活性化

研究事業担当理事として参画しているHCD-Netが今年は例年にない盛り上がりを見せた.悲願であった日本学術会議協力学術団体としての認定を受け,学会として認められた件が大きいが,それに伴い年に2度開催している研究発表会の発表件数や論文投稿数も右肩上がりの躍進を見せている.よいことだ.

第4位:国際会議SPICEの開催

研究活動も本格的に国際展開が軌道に乗り始め,今年の2月には台湾の高雄師範大学(NKNU)で国際会議SPICE2024を開催した.来年の2月にはインドネシアのジョグジャカルタ,ガジャマダ大学でSPICE2025を開催予定である.他にも懸案だったHCIIのオーガナイズドセッションをなんとか来年は成立させられそうで,いずれにしても皆さんのご協力あってこそ.有り難い限り.

第3位:技術士の試験委員

情報処理技術者の試験委員やってるからコンフリクトするんじゃない?と逃げ回っていた技術士の試験委員が「両方やってるひといますから大丈夫です」の一言で,今年,とうとう担当させられることになった.貴重な経験ではあるけれど,負担は大きい.しばらくご奉仕せよということか.

第2位:多数の研究発表

第2位と第1位はいつもどおりの感じかな.硬軟取り混ぜて今年度も飯尾研から30件以上の論文・学会発表があった(発表決定済みの予定を含む).今年は学部生の国際会議の発表は1件だけだったけれど,学部としては盛り上がりを見せているようでそれはそれで素晴らしいことである.いずれにしても研究活動が活発化してよいことですな.

第1位:海外活動

今年もあちこちに出かけていろいろな活動をした.台湾に4回,ベトナムと韓国,タイにそれぞれ2回ずつ,インドネシアに1回,フランスに1回.ほぼ月イチのペースでどこかに出かけていたことになる.学生たちを引率して出かけたベトナムと台湾でもなかなかよい経験をした.国際情報学部の名のもとで国際的な活動ができているのは素晴らしいことだろう.

2024年12月10日火曜日

例外は必ずある

以前,visit japan webの意義について論じたことがあった.最近はようやく電子化ゲートの運用が軌道にのったのか,紙での申請には行列ができている一方で,電子申請のゲートはスムースに通れるという,あるべき姿になってきているような印象がある.

まあ,場合によってはキオスクに行列ができていて紙のほうが早いという状況も稀にあるようだが.イラチな人は,紙申請と電子申請の両方を用意しておき,早そうだ!と思うほうを利用すればよい.選択肢があることは良いことだ.

ところで,DX時代の現代では,電子化,システム化は必須の流れでありそれに意を唱えるものではない.しかし,システム化には必ず穴があることも,忘れてはならない.穴,すなわち要件定義の漏れである.人間の想像力には限界がある.ゆめゆめ奢ることなかれ.えー?そんなことが?という状況は意外と発生するのである.

こんな例があった

ここで,私が体験した税関申請の電子化に関する仕様のバグを紹介したい.

たしかカタール航空だったと記憶している.23時30分に羽田到着というえらく遅い時間に到着する便で帰国した.ずいぶんと端のほうに停められた飛行機から延々と歩かされ,入国審査こそ自動化されているゲートで速やかに進められたものの,バゲージクレームで預けた荷物が出てくるのを待っているうちに,日付は変わってしまっていた.

さて,到着して荷物が出てくる間にvisit japan webの帰国登録をすればいいやとタカを括っていた私,ポチポチと入力を進めていたが,なんと,入力すべき情報にある「到着日」は過去の日付を選べない仕様になっていたのである.なんてこった.すでに前日になっていた到着日を選べない!

帰国便に乗る前にやっておくべきだった?以前,海外で手続きしようとして電波状況が悪く,どうせならちゃんとネットに繋がる日本でやって問題ないよね,荷物出てくる間の待ち時間にやればいいよね……と気軽に考えていた私を誰が責められようか?

このときは,致し方なく紙の申請書に記載して税関を通った.紙がなかったらどうしたか.日付を1日偽って,虚偽申請でもしただろうか(まあ,それはそれで,たいした問題でもないような気もするが……).

どうすべきか

アナログのシステムを全廃して全て電子化しようなどと,簡単に決めて強引に進めるべきではない.人間の想像力には限界があり,先に示したように例外は必ず生じるのである.そのようなときのために補助的手段は残しておくべきである.ユーザとのインタラクションが介在する現場を上意下達的に改革できると思ったら,それは大間違いである.

デジタル化というとTV放送の地デジ化が思い起こされるが,地上波をデジタル放送にしたケースとは違う(あれはある種のユーザ切り捨てでありそれはそれで問題ではあったが,そこまでユーザ保護を論じると何もできなくなる).いま日本で起こっている事例では,これからいろいろな例外が多数発生して混乱が生じるはずだが,おら知らんもんねー.

下記はいらすとやの「入国審査で言葉が通じない人のイラスト」.いらすとやには何でもある.