FossASIA 2024に参加するために久しぶりにベトナムはハノイを訪れた.以前,ハノイは仕事でよく訪れていた街だし,なにより東南アジアで最初に訪れた街でもあるので思い入れがある.いまからおよそ20年前,2003年に初めて訪れたハノイ,東南アジア初心者にありがちな,腹をくだしてトイレに篭りっぱなしになったのも今では懐かしい.
さて,今回10数年ぶりに訪れたハノイの街は,ずいぶんと近代化していて驚いた.ノイバイ空港からの道は片側3〜4車線の立派なハイウェイになっており,ソンホン川を渡る橋も巨大なものができていた.夜中でしかも雨が降っていたのでよくわからなかったが,地図をみると,昔よく利用していた空港からの道路の東側に,近代的な高速道路が作られていたらしい.
昔は橋を渡ってから川沿いの細い道をタイ湖に向かって延々と走ってきたものだったが,いまや市内まで幅広い高架道路が通っている.さすがにバイパスを降りてダウンタウンの中心部まで来ると道も細くなり,なんとなく昔からの街を彷彿とさせる様子ではあったが,それでも,中心部から郊外に向けて高架鉄道が営業しているまでに近代化しており,10年という歳月の長さを感じさせる.
ホーチミン市のメトロはいつまでたっても完成せず,まるでサグラダファミリアの様相を呈しているが,そんな状況を尻目にハノイでは近郊電車,Hanoi Metroが2021年から動き始めた.今回の会場は路線沿線にあるPosts and Telecommunications Institute of Technologyという大学である.Hanoi Metro 2号線が便利だというので,今回は,ダウンタウン側の終点であるカトリン駅近くに宿をとった.
さて,今朝,チケットの購入にやや苦労しながらもなんとかカトリンからメトロに乗って会場まで辿り着いたのだが,驚くべきなのはその路線図である(図.Hanoi MetroのWebサイトより).
下の写真は駅構内に掲げられていたもの.
Wikipediaの記事によれば,いまは2号線と3号線しか営業していないはず.この複雑な路線図は何だ?Hanoi MetroのWebサイトにも,たくさんの路線による立派な路線図が描かれている.
なんかこれ既視感あるなーと,思い出したのはやはり20年前近くに訪れた北京や上海で見かけた地下鉄の路線図である.最近はどちらも訪れていないので現在の状況はわからないが,当時は4〜5本程度の路線しか営業していなかったように記憶している.ところが,当時からずいぶんと立派で複雑な路線図が掲げられていた.その路線図は,計画中の路線まで含めての路線図だった.しかし,全ての路線がさも営業しているように描かれていて,今回の路線図もまさにそれ.
その中国の路線図,図に描かれている情報を信じて地下鉄に乗って郊外に向かうと,路線図上では延伸しているはずの目的地まで線路がつながっていないなんてこともあり,はてさてどうしたものかと途方に暮れたことを思い出す.日本人の感覚からしたら「できてるところだけ線をひけよ!せめて建設中だったり計画中だったりするなら,点線で描いとけよ!」と思ったものである.
ベトナムは中国に隣接しており,当然ながら中国の影響は強い.これって中華の発想なのかな……などと,Hanoi Metroに揺られながら考えた.
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