Googleのサーチコンソールという機能がある.Googleの検索結果がどれだけ影響しているかをデータで見せてくれるものである.最長16ヶ月のデータが取れるので,本ブログに関する検索結果をダウンロードして調べてみた.
次の図は,横軸に掲載順位(表示されたときの順位の平均),縦軸にクリック率(CTR, Click Through Ratio)をとり,上位1,000件のデータのうち,表示回数100回以上,掲載順位15位以内,CTR1.0%以上のデータを用いて散布図を描いたものだ.
これをみると,CTRと掲載順位には指数関数的に減少する関係があることがわかる.それもかなりきれいな分布である.掲載の順番が下にいけばいくほど,クリックされにくくなる,すなわち,記事にアクセスしてもらえる可能性はダダ下がり…….
検索結果を上位に表示させるあれやこれやの工夫,いわゆるサーチエンジン・オプティマイゼーション(SEO, Search Engine Optimization)がいかに重要かがわかる.3〜5位くらいまでであれば,10〜20%程度のCTRを稼げる.しかし7位くらいまで落ちるとそれはもはや5%強になり,さらに9位より下になると3%を割り込んでしまう,というわけだ.ああ恐ろしい.
「ネットの検索結果はだいたい最初のページしか見られない.誰も次のページなんて見ない」としばしば指摘されるが,いやはや,本当にその通りなんだなあ.
CTRが25%弱と極端に高くなっている検索キーワードは「飯尾研究室」,当ブログのタイトルである.そりゃCTRも高くなろうもんというものだ.これは当然の帰結.その他のデータも,いい感じに回帰曲線付近にデータが散らばっている.なお,回帰曲線を指数関数で描いたのは,掲載順位が多くなると,0.0%に漸近するであろうという特性を考慮してのものである.
なお,CTRがあまりにも低いもの,1.0%より小さいものを省いた理由は,特別なケースを除くためである.たとえば,表示件数が13,362件と恐ろしく多い「査読」というキーワードによる検索結果がある.これ以外は,最多でも1,974件なので,桁が違っている.これは,検索順位も4.22と比較的よい位置に付けているにも関わらず,クリック回数が0なので,CTRは0.0%となっている.この査読関連のキーワードに関しては,一時期,妙に顕著なアクセス数があり,異常データの可能性が高い.
また,dialogbookというキーワードは,表示回数が578件とそこそこ多いものの,クリック回数は1件とこれまた少ない.これは,我々のプロジェクトでDialogbookというシステムを使っており,そこにアクセスするためにdialogbookというキーワードで検索するケースが多いからであろう.Dialogbookの利用者は https://dialogbook.herokuapp.com/ へアクセスするために検索していて,ブログで紹介している記事にはほぼ興味はない.したがって,システムを利用するために同じ検索結果上に出てくる当該システムへのリンクをアクセスして目的を果たし,本ブログの当該記事をクリックすることはけしてないからである.
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