この図は,本稿で述べるアンケートの自由回答を全て英語に翻訳したものから作られたワードクラウドである."It was fun and interesting," "Students can make friends," "People talk to each other in English," and "This program is a good opportunity to communicate over countries." など,楽しげな回答が多かったのではなかろうかということが透けてみえようというものだ.
NPSの計算
2022年度の「にこP」(The SMILE project)も,まだいくつかの学校間での交流授業が残っているが,ほとんどの交流を終えた.ちょうどよいタイミングと考え,Net Promoter Score®を計測すべく,参加者にアンケートを実施した.Net Promoter Score (NPS)とは,「このサービスや製品をお友達に薦めたいですか?」という問いに対して「0:全く薦めたくない」から「10:強く薦めたい」まで,11段階で推薦したいかどうかの度合いを訪ね,その価値を測る方法である.
得られた推薦度のデータに対して,0〜6を批判者,7, 8 を中立者,9, 10を推薦者とし,NPSは次の式で計算される:
NPS = ( (推薦者の数) - (批判者の数) ) / 全回答者数
ところで,日本人は中庸を好み,この手の質問には中立である「5」を付けたがるという指摘もある.そのため,単純にNPSを計算すると,マイナスの値になってしまう傾向がある.それを補正するために0〜4を批判者,5〜7 を中立者,8〜10を推薦者として計算するPromoter Score Japan (PSJ)という指標も提案されている.
にこPアンケート結果
さて,にこPアンケートに立ち戻ろう.本アンケートは,本年度「にこP」に参加した20校に対して回答を求めた.にこPで利用しているDialogbookのユーザ数は,本日(2022年12月10日)の時点で551であり,今年は少なくとも500名以上の児童・生徒・学生が参加していることになる.なお,アンケートは教員にも回答を求めた(ただし,教員の回答は11名,3.4%に留まっている).
今日時点での回答数は324件寄せられている.これはなかなかの回収率と考えてよかろう.そのなかで「Do you recommend this program to your friends and/or colleagues?」と問うた設問が,NPSの計算に利用するためのデータである.
この回答を,日本と海外に分け,グラフで描いてみた.次のグラフをご覧いただきたい.
回答数が日本と海外で異なるため,縦軸は個数そのものではなく「日本」「海外」それぞれの総数に対する比率で表している.海外のほうが,白黒はっきり付けたがる傾向を見て取れよう.案の定,NPSを計算すると,全体ではややプラスになるものの,日本だけで計算するとマイナスの値になってしまう.
今後の展開
海外の多くの参加者から高評価を得た点は,素直に喜ぶとして,我々に突き付けられている課題は低評価の原因を解明し,それを取り除くことである.
実は,先の設問に追加して,任意回答として「Let us know the reason for your evaluation in the previous question. (It is okay to write your opinion in your local language.)」という設問も用意した.驚くべきことに本設問は任意回答としながらも,236件(73%)の回答が寄せられている.
ざっと眺めてみると,現場でどのような問題があったのか,それによって何がマイナスポイントになっているのかが朧げながら見えてくる.また,高評価に対しても何がよかったのかについていくつかのパターンが浮かび上がる.冒頭で述べたように,それらを類型化すれば,参加を呼びかけるときのアピールポイントにもなるだろう.
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