2025年2月28日金曜日

2024年度インドネシア研修

2月の20日から26日まで,飯尾研有志(2年生4名,3年生2名,4年生4名)でインドネシア研修を実施した.2月22日にYogyakartaのジャガマダ大学で開催されたSPICE2025における発表(4年生)と,24, 25日に実施したYogyakartaの高校訪問において中央大学を紹介するプレゼンテーション(2, 3年生)が主な目的である.

SPICE2025では,以下の内容で発表した(私も,与えられた枠の前半を使い,概要について報告した).

Iio, J., Saito, Y., Iijima, M., Ito, N., Ogaki, R., Morimitsu, I., and Miyamoto, Y., (2025) SMILE Project Report, The Case of KMITL and Chuo iTL in AY 2024, The 5th International Conference on SMILE Project and Intercultural Communication Education (SPICE2025), Yogyakarta, Indonesia.

また,2, 3年生のプレゼンテーションも,時間が足りなくなって少し慌てたところはあったが,それなりにカッコよくできた.素晴らしい(写真は,私が彼らを紹介しているところ).

23日の日曜日には,研修のエクスカーションとして近隣にある世界遺産のボロブドゥールとプランバナン寺院群を視察,インドネシアの文化・歴史も学び,有意義な研修になったことだろう.

2025年2月3日月曜日

さようなら,ネ申パワポ

ネ申エクセル(かみえくせる?)という言葉がある.別名,エクセル方眼紙.正確にいえばエクセル方眼紙の上位概念かな?まあ,いずれにしても,エクセル,いや,スプレッドシート,日本語でいえば表計算ソフトウェアの「本来の使い方『ではない』使い方」をしているもののことを指す.エクセルに代表されているが,MS Excelに罪はない.他の表計算ソフトでも似たような使われ方をしているものは全てネ申エクセルである.

ネ申パワポに物申す

さて,今日わたしが文句を付けようとしているのはネ申エクセルではない.いわばネ申パワポと言うべきであろうか.コンサル業界に蔓延している「パワポ報告書」の類である.コンサル業界と書いたがわたしの古巣である三菱総研にも蔓延っていた(いまはどうでしょう?).私も以前は何度か作ったことがある.今では反省している.ごめんなさい.

そもそもパワポ(MS Powerpoint)はプレゼンテーションソフトなのである.プレゼンテーションの資料を作成するためのツールなのである.報告書はワード(MS Word)もしくは他のワードプロセッサ(ワープロ)で作りなさい.報告書のような「〇〇書」を作成するツールはワープロソフトたるべきである.

プレゼン資料 ≠ 報告書

パワポ報告書はそのままプレゼンに使えるから便利?アホなことを言ってはいけない.読めへんわ!横着せずにプレゼン資料は別に作ってください.後生だから.

下記をみてほしい.上はどうみても「プレゼンしてるふり」にしか見えない.

図版の扱い

図版の扱いがパワポのほうが簡単で,図を多く入れようと思うとパワポのほうが図と親和性が高いから便利?これも勉強不足です.ワープロソフトでも図を扱う機能は充実している.論文や報告書の類であれば,原則「文字として」扱う設定にして中央寄せにし,「キャプションを追加する」機能で図表番号とキャプションを入れるべし.それを正しくやれば,ページを跨いでキャプションの生き別れみたいな情けないミスもなくなる.

そもそもパワポに番号の相互参照機能ってあったっけ?「報告書なら」本文から図表番号を必ず参照するはず.図版の番号を連番で自動的に振ってくれる機能も,あったかな.まさか番号の参照を手作業でやってないよね?図版の順番を入れ替えたときどうしてるの?目視チェック?

共同作業向き?

パワポだとページ単位で担当できるから複数人による共同作業に向いている,という言い訳も聞いたことがある.まあ,直感的ではある.でもイマドキのワープロなら複数文書を束ねる機能だってちゃんとある.本の原稿をワードで書いたことがあり,そのときは章ごとにファイルを分けて,最後にガッチャンコした.やり方,忘れちゃったけど…….

しかし報告書の内容がページ単位で綺麗に分割できるもの?内容によって,大小,あるんじゃないの?図版のサイズで調整する?絵本作ってるんじゃないんだから.あ,オトナの絵本を作ってると理解すればいいですか?

「資料」なら許す

ちょっとググってみたら役所や著名なコンサル企業はパワポ報告書のデザインがすごい!みたいな記事を見つけちゃったわけ.でも,そもそも書籍や雑誌は「いかにして(さまざまなステークホルダの利害を調整しながら)読者に分かりやすい紙面を提供するか」に命かけてるからね.ネ申パワポなんて笑止千万である.ヘソで茶が沸く……は言い過ぎですねごめんなさい.

かつて,私の古巣である三菱総研の某セクションでは報告書をLaTeXで組んでいた.複数担当者で単語表記の揺れが出ないようにマクロを使いまくるという徹底ぶりで,LaTeXマスターNさんのその仕事ぶりは鬼気迫るものがあった.しばらく会ってないけどNさん元気かな.まあ,LaTeXで組むというのはやりすぎかもしれないけれど,報告書に命を吹き込む,書類の品質を上げるって,そういうものだと思うわけですよ.古い考えかもしれないが.

百歩譲って「資料」と称するならまだ許す.報告書作成を舐めないでいただきたいものである.