macOSの設定を眺めていたら,いつの間にか,ジェスチャー認識を活用したUI設定が実装されていたので驚いた.その設定手順は次のとおりである.
ヘッドポインタ
システム設定のアクセシビリティという項目に,「ヘッドポインタ」という設定がある(次図).この設定をONにすると,頭の向きでマウスポインタを動かせるようになる.
この設定を有効にして,顔の向きを変えるとそれに追随してマウスポインタが移動する.それはそれで面白いのだが,正直なところ,なくてもいいかなあという感じ.
まあでも,とくに効果を感じないのは,私が小さなMBP13"の画面で作業しているからかもしれない.大きなディスプレイで作業している皆さんには効果的なのかな.複数画面でマルチディスプレイ環境を作って作業しているひとには便利になるかもしれない.ていうか,マルチディスプレイのときは画面を超えて移動していくんだろうか?そこはまだ検証していない.
代替ポインタアクション
さて,マウスポインタを顔の向きで動かせるようになるとすれば,クリックはどうするの?という話になるのは自然な流れであろう.マウスポインタを移動させるだけでなく,マウスやタッチパッドに触ることなくクリックやドラッグができれば,それはそれで,便利な使い方が考えられまいか?
というわけで,次に注目すべきは,ヘッドポインタの上にある「代替ポインタアクション」という項目である.代替ポインタアクションを設定するには,右側にあるインフォメーションのアイコンをクリックし出現するダイアログで作業する(次図).
この図は,代替ポインタアクションで「+」をクリックすると出てくる選択ダイアログである.「顔の表情」を選ぼう.「次へ」をクリックすると,選択した顔の表情とそれに紐付けるアクションを選ぶ画面に進む.
「顔の表情」の選択肢は,笑う,口を開ける,舌を出す,眉を上げる,目をまばたく,鼻をしかめる,唇を外側に向けてすぼめる,唇を左側に向けてすぼめる,唇を右側に向けてすぼめる,というもの.対応させるアクションの種類としては,左クリック,右クリック,ダブルクリック,トリプルクリック,ドラッグ&ドロップを選べる.
面白いけど
いろいろ試してみると面白いだろう.「口を開けると右クリック」などという設定にしておけば,口をぱかっと開けるとコンテキストメニューが出てくる,なんていう動作も実現できる.でも唇を捻じ曲げてひょっとこみたいな顔をする動作で操作するって,たいへんそう…….
もちろん,マウスやトラックパッドが使えない状況など,このヘッドポインタと代替アクションの組合せが有効になるシーンもあるだろう.想像力の問題でもある.そして,一度でも試してみると,ジェスチャーインタフェースの課題を身をもって感じられるはずだ.疲れる,しんどい,不自然,という課題である.
未だ解決されていないそれらの課題だが,それを体験できるこれらの実装はとても有意義である.実際に試してみることで理解したうえで,「よっしゃいっちょ私が解決してみようやないかい!」という挑戦者が現れることを期待する.
0 件のコメント:
コメントを投稿