講義の目的と到達目標
情報システムの設計基礎を学ぶ.情報システムとは何か,その基礎的な概念を学び,情報システムの設計方法を習得することを目的とする.
講義の内容
様々な情報システムの特徴と応用について学び,その仕組みと構造を理解して,いかにして設計するのかを研究する.具体的には,意味論とソフトウェア工学における要求定義,設計,開発,運用,評価に関する理論と技術について習得する.
講義計画・資料
- 情報システムとは何か(4/17)
- そもそも情報システムとは何かについての定義から始める.情報を処理するシステムなのか,情報を管理するシステムなのか,情報を扱うシステムについての様々な特徴を議論し,情報システムに対する大まかなイメージを理解する.
- 情報システムのモデル・扱い方(4/24)
- 情報システムを取り扱う際のモデルについて解説する.設計,開発,運用,保守,評価といった様々なフェーズでどのような人々が情報システムに関わるかについて解説する.
- 開発モデルと設計技法(5/1)
- 情報システムを開発するやり方について解説する.ウォーターフォールモデルやスパイラルモデルといった開発の方法と,アジャイル開発と呼ばれる開発の方法など様々な設計開発技法を理解する.
- 情報システムとアルゴリズム(5/8)
- 情報システムを設計する上で必須の概念であるアルゴリズムについて理解する.アルゴリズムの代表例としてソートのアルゴリズムを例に挙げ,アルゴリズムの良し悪しでシステムの性能が左右されることについて解説する.
- アルゴリズムとデータ構造(1)(5/15)
- 処理を効率的に実現するには,よいアルゴリズムを選ぶだけでなく,よいデータ構造を活用することも重要である.よいアルゴリズムを実装するためのデータ構造について,理解する.
(配列,スタック,キューなど)
- アルゴリズムとデータ構造(2)(5/22)
- データ構造についての理解を深める(リスト,ツリー,ハッシュテーブルなど)
- 要求定義(5/29)
- システム設計の起点となる要求定義について理解し,適切かつニーズにマッチしたシステムを設計するためのポイントを習得する.
- 要求定義(演習)(6/5)
- 要求定義に関する作業を体験し,要求定義の難しさ,効果的な要求定義の行い方などについてのポイントを習得する.
- 演習の発表(6/12)
- 前半はグループ演習の成果を各グループごとに発表する.後半は,各グループの発表に基づきその内容について皆で議論し,理解を深める.
- 構造化設計(6/19)
- 大規模なシステム設計・開発で必須となる構造化の考え方について学び,構造化設計の重要性とその効果について理解する.
- 構造化プログラミングとオブジェクト指向(6/26)
- 現代的プログラミングの基盤である構造化プログラミングの考え方と,そこからさらに発展したオブジェクト指向に関する基本的な考え方について理解する.
- オブジェクト指向の基礎(7/3)
- 構造化プログラミングからオブジェクト指向に至る経緯を踏まえて,オブジェクト指向の全体像について理解する.
- 図解の方法(フローチャートによる記述とUML)(7/10)
- 情報システムの処理手順やアルゴリズムを図解して示す方法として最も基礎的な手法であるフローチャートについて理解する.また,近年のシステム設計・開発では必須の手法であるUMLによる記述の概要を理解する.
- 情報システムのドキュメンテーション(7/17)
- 情報システム設計・開発におけるドキュメンテーションの意味を解説し,ドキュメント保守の重要性を理解する.また,ドキュメントの自動設計など様々な工夫が成されている状況を紹介する.
- 期末試験
講義資料アーカイブ
各回の講義資料PDFをZIPで固めたファイルを下記から取得可能.
講義の進め方
座学を中心に講義を進めるが,要所要所で実際に手を動かして確認する演習の時間を用意する.また,教科書の代わりに本ページに用意した講義資料を用いて講義を実施する.
成績評価
出席状況,試験,小テストなどの状況を勘案して評価する.
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