2024年9月17日火曜日

2024年度台湾研修

例年,海外への研修は3年生と4年生(場合によっては2年生も)混在で出掛けているのだが,今年は,8月の頭に実施したベトナム研修には3年生だけが参加した.4年生は昨年のベトナム研修にすでに参加しているからという理由である.そこで,今年は,4年生は4年生で別の場所に行きたいと,台湾を訪問することなった.

9月14日に大学院入試がありまた18日から国際会議で韓国に出かけなければならないと,私が少し忙しかったため,9月の15日から17日,2泊3日というかなり多忙なスケジュールとなった.しかし,TSMC博物館(TSMC Museum of Inovation, 台積創新館)と故宮博物院を見学し,最先端のデジタル技術と悠久のアナログ資産の両極端に触れられたのは,学生たちにとってとてもよい経験になったのではないだろうか.

TSMC博物館は私も初めての訪問である.今をときめく半導体メーカーのTSMCが公開している博物館で,見学には予約が必要だが,丁寧で分かりやすいガイド付きで案内してくれる.なお,TSMC博物館は台北から少し離れた新竹科学工業園区にあり,やや行きにくいのが難点か.台湾の新幹線,高鐵に乗り高鐵新竹駅まで行き,そこからタクシーで1,000円程度である.

TSMC博物館の展示物は,デジタルデバイスで使用されている半導体の説明,集積回路(IC)の進化,そしてTSMC創設者,モリス・チャン博士の紹介といったところで,小規模ではあるものの,興味深い展示物が公開されている.

世界最大の半導体や同じく最小の半導体(体内に入れるカメラ)など,他ではなかなか見られないICや,古いCPUと最新のCPUでどれだけ処理能力が違うかなど,いかにも最先端のデジタルミュージアムという仕掛けが仕組まれていて面白い.

たとえばこの写真,一見,なんともない展示のようにみえるが,奥にある物体はVRゴーグルやコントローラの実物であり,手前は透明ディスプレイに表示されたデジタルコンテンツである.透明ディスプレイを上手に利用した展示になっている.

VRライドで仮想現実を体験できる施設もある.私はVR酔いにはわりと強いほうのつもりだが,隣に座った学生が途中で「ぐぇー気持ち悪い」と中断していたのでつられてちょいと酔ってしまった.

さて,せっかく台湾を訪れたからには現地の文化も楽しむべきだろう.海外の楽しみといえば現地の料理.夜は台湾料理と台湾啤酒を楽しんだ.台湾料理,美味しいよね.

2024年9月16日月曜日

こんなところでHCD(9)

さて,こんなところでHCDのシリーズ,はやくも9回目を迎えた.今回もバスルームからお届けするが,今回は珍しく「褒めてる」一件である.以下はいま宿泊している台北のホテル,Cosmos Hotel Taipeiのバスルームで見つけたインストラクションである.

これは実にわかりやすい.操作に迷う余地は全くない.よい事例として記録しておきたい.

2024年9月4日水曜日

木曽の宿場町めぐり

諸事情があり木曽の宿場町を巡るツアーの「ガイド兼ドライバー」を勤めることになった.訪れた宿場町は,訪問した順に,妻籠宿,馬籠宿,奈良井宿.元信州人としてそれらの宿場町については初等教育において机上で習ってはいたが,実際に訪れたのは今回が初めてである.

どの宿場町も風情があり,思っていたよりずっとよかった.それぞれについて感想を記しておきたい(写真は最後に訪れた奈良井宿).

妻籠宿

「つまごじゅく」と読む.ひなびた風情がたいへんよろしい.とにかく「江戸時代に造られた宿場町の保存に徹するぞ!」という姿勢がよい.観光客に迎合する気ゼロ.来るなら来いやーというストロングスタイル.そのくせ,「十八世紀中期に建築された旅籠を解体復元したものです」なんていう,江戸の空気をそのまま運んでくるようなタイムマシンがしれっと存在していたり,桝形の跡という街作りの仕掛けがそのまま残されていたりして,江戸大好きっ子が喜びそうなアトラクションがいくつかあって楽しい.

駐車場は有料で500円.駐車場の広さはそこそこあるのでハイシーズンの休日以外であれば問題なく駐車できそう.駐車場から宿場町へのアクセスは,可もなく不可もなくといったところか.クルマ以外で行きにくい場所であり,公共交通機関でのアクセスはよくない.

馬籠宿

「まごめじゅく」である.妻籠よりかなり観光地化が進んでいる.宿場町全体が坂になっており,伊香保温泉とか台湾の九份とかを彷彿とさせる……は言い過ぎか.観光地になってしまっているので,江戸の宿場町のロマンを求める人にはちと物足りないかもしれない.

北側入口から入り南側入口に向かって坂を下りながらの散策がよいだろう.南側入口から坂を上っていくのは,観光と健康を兼ねたい!という変態さん以外にはオススメしない.今回,90代の後期高齢者がいたので,クルマを北側入口近くの無料駐車場に停め,南に向かって坂を下りつつ,ドライバーである私は途中から坂を戻って南側入口付近までクルマを回すというサービスに徹した.かなりしんどかったので,ドライバー氏は送迎に徹したほうがよいかも.

北側入口にはさほど広くない無料駐車場がいくつかあったものの,南側入口付近には無料駐車場が見当たらなかった(有料駐車場はいくつかある).妻籠より馬籠のほうがメジャーっぽいので,駐車場問題は少し気になるところではある.

奈良井宿

最後は「ならいじゅく」.どちらかというと妻籠に近い「観光よりも保存」というスタンスを感じたが,妻籠ほどのストイックさはなく,交通の利便性もあり観光客はウェルカム!でも観光客に阿るのもね……という印象であった.

無料駐車場があり駐車場からのアクセスもよい.なにしろJRの奈良井駅からすぐという交通至便さである.訪れやすい宿場町といえよう.

無料駐車場の反対側には木曽の大橋なる檜の立派な橋が架けられていた.ん?木曽の大橋?そんなん知らんぞ?と調べてみたら,平成3年竣工だとか.そりゃ知らないわけである.私はすでに東京人になっていた.

所感

いずれの宿場町も,外国人観光客が半数以上で驚いた.平日だからということもあろうが,そもそも交通の便があまりよろしくない.交通至便な奈良井宿にしても,各駅停車しか停まらないJR奈良井駅まで東京から行くのはけっこうたいへんだ.なにしろその電車も一時間に一本しか走っていない.

彼らはいかにしてその存在を知ったのか,いかにしてそれぞれの宿場町にやってきたのか,どこに宿泊しているのか,いろいろ謎ではあるが,そのバイタリティは見倣いたいところであると,しみじみ思った.

2024年8月31日土曜日

国家による情報統制は意外と身近な出来事

中国のグレートファイアウォールは有名で,よく知られている.中国共産党に都合の悪いメディアには触れさせないようにと,海外のSNSなどには接続できないようにして国レベルで特定の通信をシャットアウトするものである.その是非はともかく,誰が言い始めたか知らねどグレートファイアウォールとはよく名付けたものだ.万里の長城(Great wall)にちなんで付けられたあだ名である.

ところで,特定のサイトを国レベルでブロックするというのはよくある話.今まで私が経験したのは,韓国,ミャンマー,インドネシア.他にもあったかな.

また,国家による情報統制とはやや事情が異なるが,欧州経済領域(EEA)およびイギリスからはYahoo! JAPANのサービスにアクセスできない(ここにその説明がある).日本から欧州に出張する人はたくさんいらっしゃるだろうから,Yahoo!ニュースが見られない!などという経験をした方も多かろう.

具体例

実例を示そう.次の画面はインドネシアの例である.この例で接続しようとした先は,どことは言わないがさほど問題のありそうなサイトではなかった.しかし,ブロックされていた.ちなみに,httpsでアクセスすると「信頼のおける接続ができない」旨のエラー画面になる.ハテ?と思い,同じサイトにhttpで再接続すると,次の画面が出てきた.

どこの国でも,アダルトサイトはブロックされがちである(重ねて指摘しておくが,上記はアダルトサイトに接続しようとしたわけではない.シークレットモードでアクセスしているのは,話題がちょいとセンシティブな話題だけに,用心したというだけだ).韓国では儒教的な配慮なのだろうか.インドネシアも同様な事情で,ムスリムの教義に沿わないからだろう.文化的背景や宗教との関係は国家レベルの情報アクセスコントロールに大きな影響を与えていることがわかる.

迂回方法など

蛇の道は蛇といったもので,このようなアクセス制限は仮想プライベートネットワーク(VPN)を張ればすり抜けられる.実際,どうしても必要な場合はVPNを利用して回避することもある.しかし,「研究用途のみに使うこと」というルールがあるため,濫用は避けなければならない.というわけで,あくまで,理論上は可能,ということにしておこう.なお,「VPN使えばOKよ」ということを「検証」するのも我々の研究の一環である.ああ,情報学者って便利だなあ(おいおい).

ところで,中国のグレートファイアウォールを体験したときの話である.久しく中国には行っていないので,かなり昔,2000年代なかばのことである.Linux上で動作しているFirefoxからアクセスしたのに,Internet Explorerの「DNS解決ができません」とかいうエラー画面が出てきて,稚拙すぎる……と思ったものだ(実話である).今はどうなっているだろうか.

2024年8月23日金曜日

こんなところでHCD(8)

毎回バスルームにケチを付けているわけではないが,ホテルのバスルームには落とし穴がいっぱい.今回も,ユーザのことを無視してカッコ良さ優先で設計したとしか思えないデザインのバスルームに遭遇した.

今回宿泊した部屋のバスルームはシャワーとトイレが隣り合っている作りで,スライドドアで手前の洗面所と区切られている.幸い,今回は単身で宿泊しているが,二人で泊まっているときに問題が生じそう.

どちらかがシャワー使用中のときにトイレ行きたくなったらどうする?あるいはその逆は?プライバシーもへったくれもない.まあ,気にすんなということか.

トイレ使用中にも問題があった.この写真では分かりにくいが,便器に座った状態では足が扉の外に出てしまう.使用中にシャワーに入ろうとすると,大股びらきにするしかない.もちろんガラス越しに丸見えである.かっこ悪ぅ.

2024年8月19日月曜日

数学的思考とは

次のマンガは,FacebookのMeme for mathematiciansというページに掲載されていたものである.皆さん,いかがだろうか.共感する?しない?

さて,このマンガ,数学的思考あるいは数学的センスを身につけているひとにとっては,全くナンセンスである.なぜならば,1 = 0.99999…… という等式は,きわめて「当たり前」にしか感じないからである.

0.99999……,この表現を「数値そのもの」ととるか,あるいは,「数値+演算子(operator)」,「操作(operation)」または「式(formula)」ととるかで解釈が異なるだろう.前者と捉えた場合,最後のコマのようにwhat the fuckと感じるのもさもありなん,ではある.

後者の考え方によれば,0.99999という数に「……」という操作(オペレーション)が加わっていると理解できる.「……」は「その後に9が延々と続く」という操作である.分かりにくければ,循環小数を表すときに使われる,「0.9*」(9の上にドットを書く,この場合は適切に書けないのでアスタリスクで表現するものとする)という表現ではどうだろうか.この場合,「0.9」という数値に「*」という演算子が与えられていると捉えられよう.そして,そう考えれば,1 = 0.9* という式に,何の違和感も覚えないはず.

なお,初等数学で習う演算子のほとんどは,演算子の対象とする被演算子(operand)が二つである二項演算子(たとえば a + b とか,a ÷ b の場合,+や÷が演算子で,aとbが被演算子である.被演算子が2つあるので,二項演算子という)である.対して,今回考えた0.9*は,「*」という演算子に対して被演算子が0.9である,単項演算子なので,その点についても違和感を覚えるかもしれない.しかし,皆さんお馴染みの「√」記号,これを「平方根をとる」という演算子と捉えれば,被演算子が一つなので,それも,単項演算子である.階乗を表す「!」,たとえば 4! = 24 も,単項演算子(被演算子の後ろに置くので,後置演算子という)である.

ところで,1 = 0.9* にまだ納得できないひとは,これならばどうだろう?1=1^♾️ あるいは 1=9^0,前者は1を延々に掛け続ける操作,後者は9のゼロ乗である.いずれも,等式としては正しい.1=1^♾️ や 1=9^0 を理解できるのならば,1 = 0.9* を受け入れるのは,そう難しくないと思うのだが.

2024年8月18日日曜日

こんなところでHCD(7)

旅先ではバッドUI体験に出会うことが多い.こんなところでHCDのシリーズ,7回目は,山梨県の某ホテルからお届けする.

次の写真をご覧いただきたい.電気ポットである.上面中央は水の投入口.安全のためにロック機構がある.まあ,それはよいだろう.手前は操作パネルである.左側に情報提示のLCD,右側には操作ボタンになるタッチスイッチによるインタフェースが提示されている.クリック感はないが,ランプによる反応があるので,これもまあ,あまり問題はない.

さて,このポット,操作パネルで「お湯がたくさんでる状況」にセットした(枠のなかの右側のランプが光っていることを確認されたい).さて,どこをどうすれば,肝心のお湯が出てくるだろうか?


答えは……

手前の銀色部分が押し下げられるようになっていて,そこを押すのである.(多少,酔っ払ってはいたが)我々がそれを理解できるまで,5分くらいかかった.

では,どうすべきだろうか.操作パネルの右側ボタングループに,「お湯を出す」ボタンを並べるべきだろう.できれば,アンロックボタンの隣か手前がよい.左横,真ん中あたりに少し大きめに並べるのが正解かな?

2024年8月12日月曜日

2024年度ベトナム研修

毎年,8月の第2週に開催しているベトナム研修,今年は8/5〜8/11のスケジュールで,無事,開催された.2014年に文学部主催の全学向け科目「グローバル・スタディーズ」として開講されたこの研修,2018年まで5年間,継続して開催されていたものの,2019年に飯尾の新学部(iTL)異動に伴い,いったん中断されていた.iTLでの再開を画策していたところへCOVID-19パンデミックである.昨年,2023年にようやく再開でき,今年で7回目の開催となった.

毎回,NECベトナムの皆様には多大なご協力,ご支援をいただいている.この場をお借りして御礼申し上げたい.今年も,カウンターパート学生の募集,会場の提供,ご講演,様々な側面支援と,同社のご支援がなければ成功しないイベントである.

今年の中央大学からの参加者は3年生6名,例年より少なめではあったが,このくらいコンパクトなほうが動きやすい.8/5の22時に羽田空港に集合し,深夜便で,ベトナムはHCMCに向かった.

今年の改善点

今年の成功ポイントのひとつが,TSN空港(タンソンニャット・ホーチミン空港)から市内への移動である.後述するように今年はGrabを利用した移動で効率よく動けたのだが,最初の移動をまとめて1台でできたのは安心感が大きかった.Booking.comであらかじめ予約しておいた8人まで乗れるバンで,ホテルまで全員で移動できた点は大きい.4月にハノイで同サービスを利用したときは,なかなかドライバーと合流できずあたふたしたが,今回はスムースに利用できたのもよかった.

あらかじめ日本で,現地で使えるsimカードを用意していったことも,これまでと比べて格段に大きな安心感をもたらした.なにしろ「誰かがはぐれてもなんとかなる」というのは心強い.これまではwifiルータを何台か持ち込んで対応していたが,やれ「バッテリーがありません」だの「接続できません」だの,トラブルの種になっていた.各自が自分専用の通信端末を持てたのは行動に大きな自由度を与えた.

移動はGrabを利用した.これまではタクシーを利用していたが,アプリを用いてどこでも呼べる手軽さがよい.運賃もタクシーより,若干,安い.ただし,最終日の最後の移動はタクシーを利用した.週末でホテルの周囲に交通規制があったり,大きなスーツケースを抱えての移動だったりと条件がキツい場合には,ホテルの人に呼んでもらう大型のタクシーが優れている.

研修の様子

研修のスケジュールは,ほぼ例年どおりの,次のようなものである.

8/5, 22時羽田空港集合,深夜便にてHCMCへ
8/6, e-Townに移動,昼食,午後,NEC訪問,NECの皆様によるレクチャーとWSの用意(会場準備,お茶菓子の買い出しなど)
8/7, 日越合同Workshop.自己紹介,イントロダクション(飯尾),プレゼンテーション(日本学生・ベトナム学生),グループワーク
8/8, 日越合同Workshop.グループワーク(続き),プレゼン準備,最終プレゼンテーション・講評,閉会式
8/9, エクスカーション(HCMC郊外視察)
8/10, 市内視察,夜便にて帰国
8/11, 早朝に羽田空港着,解散 

今年もグループワークでは活発なコミュニケーションが行われ,最後は素晴らしいプレゼンテーションとディスカッションができただけでなく,いつものように日本とベトナムの学生たちの友好関係が築かれた(写真).

本研修の真の目的は,異文化を知り,国際感覚を身につける点にある.語学力の涵養もさることながら,お互い第二言語である英語を用いて,不足する部分は身振り手振りなりITのツールを用いるなりして,なんとかして意思疎通を図る努力が重要である.

ワークショップの内容はいわゆる「アイデアソン」ではあるが,日本およびベトナムの双方の学生で構成された混成チームで企画を練り,プレゼンテーションまで持っていくところに価値がある.

本研修に参加してみたいという若者は歓迎する.ぜひとも飯尾研の門を叩いてほしい.

2024年7月28日日曜日

ゴーアラウンド体験談

今回のニース出張は,行き帰りともロンドンのヒースロー空港経由という旅程で出かけた.ロンドンまではJL,ロンドン - ニース間はBAの利用である.事件(というほどでもないが……)は帰りのニースからロンドンに向かう便,BA345便で発生した.

ニースからロンドンまでは2時間強のフライトである.遅い昼食がてら,搭乗前にラウンジでしこたま飲んでいたので,機内ではずっと眠っていた.気がついたらロンドン上空,ゆっくりと降下しているのを感じ,「ああ,着陸か……また遅れたな,乗換え大丈夫かな」などとウトウトしつつ,ヒースロー空港の滑走路にアプローチする様子を窓から眺めていた.

すると,突然の加速で急上昇である.ナンダなんだ?と,びっくりした.次に示す図は後からflightrader24で調べたそのときの記録である.南東から飛んできて,ちょっと待たされて東からヒースロー空港にアプローチ,ゴーアラウンドで北側をくるっと回って再度の着陸という軌道が描かれているのがお分かりだろうか.

このflightrader24というサービスで当時の飛行経路がバッチリわかってしまうのもすごいが,さらに掘ってみたらもっとすごいアイテムが出てきた.それが次のツイートである.

これはスクリーンショットだが,実際のビデオは(消されない限りは),https://x.com/AirportWebcams/status/1816876074195718638にアクセスすれば見られる.ともあれ,原因は,着陸しようとした滑走路から退かねばならんやつがモタモタしてたから,ということらしい.

これまで,国内外を問わず飛行機であちこち出かけてるけれども,ゴーアラウンドを経験したことがなかった.今回が初めての体験である.国交省の資料によれば羽田でも1年に100回程度は発生しているらしいので,さほど珍しいものでもないらしいが,私にとっては珍しい経験だった.

そして何より,flightradar24だのAirport Webcamだの,いまはサイバー空間に何でも記録されてしまう時代なんだなあ,ということをあらためて実感した出来事であった.

2024年7月25日木曜日

こんなところでHCD(6)

こんなところでHCDのシリーズ6回目は,またしてもホテルのバスルームからお届けする.

まずは次の写真を見ていただきたい.このシチュエーション,たいへん使いにくい状況が発生するのだが,お分かりだろうか?

そう,便器に座って用を足したあと,トイレットペーパーを使おうとすると体を右に捻らねばならず,とても使いにくいのである.

実際に使ってみればすぐに分かるこの不自然さ,正解は,次の写真のような配置であろう(雑なコラですみません).

このような問題は,プロトタイプを作ってユーザテストしてみれば一発で解決する.というか,そもそも経験値として共有すべき課題のような気がしなくもないが,ホテルの水回りの使いにくさが世界各地で見られるのは,建築業界になんらかの問題があるのではなかろうか……