2020年9月18日金曜日

対面オンライン併用を強いられたときの対応策と出席の意義とは?

 本学でも来週から後期の授業が始まる.後期に担当する授業は演習型のものが多く,幸か不幸か私が担当する授業は全て対面型で実施することとなった.もちろん,これまでに述べてきたように前記のオンライン講義対応で得た知見は積極的に取り入れて,対面型でもより質の高い授業を実施すべく,工夫をしていくつもりである.

ハイブリッド型ニーズへの対応

……と考えていたところに,急遽,登校を希望しない学生に不利にならないような配慮が必要とのお達しが回ってきた.この対応についてはいろいろと考えるところがあるが,まあ,社会情勢を勘案すると致し方ないところかなというところである.ところで,対面型とオンラインの「授業内ハイブリッド」には落とし穴があるということは,過去にも既に指摘してきたところである.

対象とする講義は1年生向けの「プログラミング基礎」で,20名強が受講するという比較的少人数の授業である.オンラインミーティングツールを併用して,とも考えたが,やはり,教室内で対面の学生とカメラの向こうの学生(ごく少数)を同じように扱うのは,工夫が必要そうだ.しかも,通常の会議プラス,オンラインという立て付けならいざしらず,こちら側は密を避けるとの名目で大教室にパラパラと座るスタイルだとか.その環境でオンラインとの併用の授業は,どうにもイメージができないぞ.

というわけで反転型へ

仕方がないので,意を決して,反転授業方式を取り入れることにした.すなわち,あらかじめオンライン用に講義コンテンツの動画を用意しておく.それを事前に学生に視聴させておき,授業時間内には,自習でできなかったこと,さらに突っ込んで聞きたいことなどに対応するという作戦である.登校しない学生には,オンラインのコンテンツで自学してもらえばよいということで,不利にはなるまい.

動画の準備はもう慣れたので,実際の講義時間プラスアルファで実施できる.ということは,単純に講義時間の倍程度くらい時間を割けばよいわけで,これならなんとかなりそう.しかも,最後までやりきれば,来年以降はだいぶ負担は軽くなる.そのぶん,対面での演習にはいっそう力を入れることができるというわけで,まさに反転授業の狙いどおりというところか.

出席ってなんだろう?

と,ここまで考えて,実際に出席する学生はどのくらいになるだろう?という別の懸念が心配になってきた.

文科省的には,「出席するのは当たり前なので出席点で評価してはいけない」ということになっているらしい.しかし,特別な事情で登校したくないという数名の学生はともかくとして,この方式であれば,オンラインで十分に理解できてしまった学生は,わざわざ出席する意義は薄いと考えるかもしれない.もちろん,こちらとしては,さらに突っ込んだディスカッションを期待して,それに応えるべくいろいろと用意するつもりではあるが,それが学生にどれだけ伝わるかはいささか心もとなくも感じる.

まあ,やってみないことには分からんなあ.はてさて,どうなることやら.少し怖くもあるが,楽しみでもある.さて,1回めの準備をしなければ.





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