2018年4月1日日曜日

「ネットワーク技術(1)」(中央大学,2018年度前期)


講義の目的と到達目標

主にインターネット技術の基本技術について学び実習を行う(後期の「ネットワーク技術(2)」と合わせて受講すること)

講義の内容

インターネットの基礎から応用まで.ネットワーク技術を習得するために,最初にUNIXを理解する.そして,その基本言語であるC, Shell Script, Rubyなど学び,次にプロトコルの実際について実習する.

講義計画・資料

  1. ログイン・ログアウト(オリエンテーション)(4/17)
    • コンピュータ・ネットワークとは何かについて概観する.さらに,UNIXシステム操作の基本的動作であるログインとログアウト,なぜそれらの操作が必要なのかについて解説する.
  2. UNIXの基礎(4/24)
    • UNIXシステムの基礎として,マルチタスク・マルチユーザー,リモートからの操作などについて学ぶ.
  3. UNIXの基本操作(1):シェル操作(5/1)
    • UNIXシステムを操作する「シェル」の概念に関する基礎を説明する.[PC教室(3452)で実施]
  4. UNIXの基本操作(2):ファイルの取扱い(5/8)
    • UNIXシステムにおいてデータをファイルとして取り扱う方法について説明する.[PC教室(3452)で実施]
  5. UNIXの基本操作(3):正規表現とテキスト操作(5/15)
    • UNIXが得意とするテキスト処理と,テキスト処理を効果的に実施できるようにする正規表現の基礎を学ぶ.[PC教室(3452)で実施]
  6. テキストエディタ(5/22)
    • プログラムや各種設定ファイルを編集するためのテキストエディタについて説明する.[PC教室(3452)で実施]
  7. 作業の自動化(1):操作の記録(5/29)
    • 操作を記録して作業を自動化するという考え方を学ぶ.[PC教室(3452)で実施]
  8. 作業の自動化(2):シェルプログラミング入門(6/5)
    • 作業自動化の延長線上としてのシェルプログラミングについて解説する.変数,数値演算,配列,条件分岐,繰り返し処理,関数など.[PC教室(3452)で実施]
  9. 作業の自動化(3):シェルプログラミング基礎(6/12)
    • 作業自動化の延長線上としてのシェルプログラミングについて解説する.変数,数値演算,配列,条件分岐,繰り返し処理,関数など(前回の続き)[PC教室(3452)で実施]
  10. コンピュータ・ネットワークとOSI参照モデル(6/19)
    • コンピュータネットワークの構成要素,OSIの7層モデルなど,ネットワークの基本的な事項について解説する.
  11. LANとインターネット(1):回線交換方式とパケット交換方式(6/26)
    • ネットワーク通信におけるデータリンク層のプロトコルとしてのLAN通信の仕組みと特徴について理解する.
  12. LANとインターネット(2):通信プロトコルとは(7/3)
    • インターネットに関して,通信の形態と通信プロトコルの種類,その位置づけと特徴,ネットワークシステムにおける意義について解説する.
  13. プロトコルとアドレス(1):IPアドレス(7/10)
    • ネットワーク上で行われる様々な通信の仕組み,プロトコルの概要を解説する.さらに,ネットワーク上のノードを特定するアドレスの概要について解説する.
  14. プロトコルとアドレス(2):TCPとUDP(7/17)
    • ネットワーク上で行われる様々な通信の仕組み,とくにその基盤をなすTCP/IP通信について紹介する.
  15. ネットワーク基礎のまとめ(期末試験)(7/24)

講義資料アーカイブ

各回の講義資料PDFをZIPで固めたファイルを下記から取得可能.

教科書

木本,松山,稲島「はじめてUNIXで仕事をする人が読む本」ASCII/KADOKAWA,2014

講義の進め方

座学を中心に講義を進めるが,要所要所で実際に手を動かして確認する演習の時間を用意する.また,教科書に加えて,本ページに用意した講義資料を用いて講義を実施する.

成績評価

出席状況,試験,小テストなどの状況を勘案して評価する.

「情報システム設計」(中央大学,2018年前期)

講義の目的と到達目標

情報システムの設計基礎を学ぶ.情報システムとは何か,その基礎的な概念を学び,情報システムの設計方法を習得することを目的とする.

講義の内容

様々な情報システムの特徴と応用について学び,その仕組みと構造を理解して,いかにして設計するのかを研究する.具体的には,意味論とソフトウェア工学における要求定義,設計,開発,運用,評価に関する理論と技術について習得する.

講義計画・資料

  1. 情報システムとは何か(4/17)
    • そもそも情報システムとは何かについての定義から始める.情報を処理するシステムなのか,情報を管理するシステムなのか,情報を扱うシステムについての様々な特徴を議論し,情報システムに対する大まかなイメージを理解する.
  2. 情報システムのモデル・扱い方(4/24)
    • 情報システムを取り扱う際のモデルについて解説する.設計,開発,運用,保守,評価といった様々なフェーズでどのような人々が情報システムに関わるかについて解説する.
  3. 開発モデルと設計技法(5/1)
    • 情報システムを開発するやり方について解説する.ウォーターフォールモデルやスパイラルモデルといった開発の方法と,アジャイル開発と呼ばれる開発の方法など様々な設計開発技法を理解する.
  4. 情報システムとアルゴリズム(5/8)
    • 情報システムを設計する上で必須の概念であるアルゴリズムについて理解する.アルゴリズムの代表例としてソートのアルゴリズムを例に挙げ,アルゴリズムの良し悪しでシステムの性能が左右されることについて解説する.
  5. アルゴリズムとデータ構造(1)(5/15)
    • 処理を効率的に実現するには,よいアルゴリズムを選ぶだけでなく,よいデータ構造を活用することも重要である.よいアルゴリズムを実装するためのデータ構造について,理解する. (配列,スタック,キューなど)
  6. アルゴリズムとデータ構造(2)(5/22)
    • データ構造についての理解を深める(リスト,ツリー,ハッシュテーブルなど)
  7. 要求定義(5/29)
    • システム設計の起点となる要求定義について理解し,適切かつニーズにマッチしたシステムを設計するためのポイントを習得する.
  8. 要求定義(演習)(6/5)
    • 要求定義に関する作業を体験し,要求定義の難しさ,効果的な要求定義の行い方などについてのポイントを習得する.
  9. 演習の発表(6/12)
    • 前半はグループ演習の成果を各グループごとに発表する.後半は,各グループの発表に基づきその内容について皆で議論し,理解を深める.
  10. 構造化設計(6/19)
    • 大規模なシステム設計・開発で必須となる構造化の考え方について学び,構造化設計の重要性とその効果について理解する.
  11. 構造化プログラミングとオブジェクト指向(6/26)
    • 現代的プログラミングの基盤である構造化プログラミングの考え方と,そこからさらに発展したオブジェクト指向に関する基本的な考え方について理解する.
  12. オブジェクト指向の基礎(7/3)
    • 構造化プログラミングからオブジェクト指向に至る経緯を踏まえて,オブジェクト指向の全体像について理解する.
  13. 図解の方法(フローチャートによる記述とUML)(7/10)
    • 情報システムの処理手順やアルゴリズムを図解して示す方法として最も基礎的な手法であるフローチャートについて理解する.また,近年のシステム設計・開発では必須の手法であるUMLによる記述の概要を理解する.
  14. 情報システムのドキュメンテーション(7/17)
    • 情報システム設計・開発におけるドキュメンテーションの意味を解説し,ドキュメント保守の重要性を理解する.また,ドキュメントの自動設計など様々な工夫が成されている状況を紹介する.
  15. 期末試験

講義資料アーカイブ

各回の講義資料PDFをZIPで固めたファイルを下記から取得可能.

講義の進め方

座学を中心に講義を進めるが,要所要所で実際に手を動かして確認する演習の時間を用意する.また,教科書の代わりに本ページに用意した講義資料を用いて講義を実施する.

成績評価

出席状況,試験,小テストなどの状況を勘案して評価する.

「社会情報学基礎演習(1)A」(中央大学,2018年度前期)

講義の目的と到達目標

社会情報学の基礎基礎を学ぶ.

講義の内容

社会情報学では,「理論形成」とそれを実践できる「情報技術」が重要である.ただし,無味乾燥な技術ではなく,哲学,論理学,歴史,文学,言語学,意味論,数学,心理学,社会学など人文社会科学やリベラルアーツに基づくものであり,なによりも,人間の情報・知識の表現と獲得,情報の分類学を対象とする.

講義計画・資料

  1. オリエンテーション - 社会情報学:学習の基礎(4/11)
    • 講義の進め方を説明するとともに,本講義が対象とする範囲,全体の流れについて説明する.
  2. チームビルディング(4/18)
    • グループワークを実施し,チームで作業することの重要性と,効率的な作業方法の確認を行う.
  3. 図書館情報検索講習会(4/25)
    • 図書館で活用できるデータベース検索の演習を実施する(図書館で実施).
  4. グローバル時代に向けて(5/9)
    • グローバル人材とは何かを知り,英語学習の重要性について説明する.
  5. 科学的方法論とは(問いの見つけ方・資料の集め方・文献の読み方)(5/16)
    • 社会的な問題を科学的に解決するとはどういうことかについて,演習を交えて考える.
  6. レポート作成の基本(5/23)
    • レポートを作成するとはどういうことか,レポートを作成する際に注意すべき基本的事項について説明する.
  7. 情報の構造(5/30)
    • 情報は構造をもつということを理解し,なぜ情報が構造を持つか,その利点などについて理解する.
  8. 構造を持つ情報の作成(アナログ編)(6/6)
    • マインドマップを使って,構造を意識した情報を作成する方法について学ぶ.
  9. 構造を持つ情報の作成(デジタル編)(6/13)
    • デジタルツールを使って,構造を意識した情報を作成する方法について学ぶ.
  10. 論文の構成(6/20)
    • 「論文」とはどのようなものか.どのようなことに気をつけて作成するべきかについて学ぶ(輪読).
  11. 情報システムの基礎(6/27)
    • 社会問題を情報技術でどのように解決しているか,社会情報学側面から検討,考察する.
  12. プレゼンテーションとは(グループ課題の提示と報告資料を作成する手順の説明)(7/4)
    • これまでの講義を踏まえて,グループ課題およびグループ検討で報告すべき作業の手順について説明する.
  13. グループによる検討(1)(7/11)
    • 各グループが定めた諸問題に対し,それを解決する方法や技術を調査し,グループでまとめる.
  14. グループによる検討(2)(7/18)
    • 各グループが定めた諸問題に対し,それを解決する方法や技術を調査し,グループでまとめる(作業の続き).
  15. 発表と討議(7/25)
    • 各グループがまとめた内容を発表し,講義受講者でその内容について議論する.

講義資料アーカイブ

各回の講義資料PDFをZIPで固めたファイルを下記から取得可能.

講義の進め方

座学を中心に講義を進めるが,要所要所で実際に手を動かして確認する演習の時間を用意する.また,教科書の代わりに本ページに用意した講義資料を用いて講義を実施する.

成績評価

期末に作成されたレポートで評価する.ただし,出席状況や授業中に行う課題の達成状況などの結果を加味する.